窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第41回燮(やわらぎ)会に参加しました

2019年04月22日 | 交渉アナリスト関係


  2019年11月17日、日本交渉協会の第41回燮会に参加してきました。燮会は交渉アナリスト1級会員のための交渉勉強会です。

  いつもどおり、燮会は二部構成。僕が担当する第一部「交渉理論研究」は、「交渉者のディレンマ」の最終回。前回は、ディレンマからいかに脱出するかと、偽りの協力行動にどう対処するかについてお話しさせていただきました。過去2回は「交渉テーブル」についた時の対処法でしたが、今回のテーマは「ゲームを変える」。つまり、交渉が膠着した場合に、交渉を取り巻く環境やルールから見直そうというものです。

  本シリーズの「交渉者のディレンマ」は、主にD.ラックスとJ.セベニウスの研究を基にしていますが、彼らが著した『最新ハーバード流 3D交渉術』(阪急コミュニケーションズ)は、まさにこの「ゲームを変える」ことの重要性を強調しています。

最新ハーバード流 3D交渉術
斉藤裕一
CCCメディアハウス


  さて、「ゲームを変える」方法は沢山ありますが、今回取り上げたのは「調停」、「単一交渉草案」、「合意後の合意」の三つです。

  初めに調停ですが、これは二者間交渉では打開でいない場合に中立的第三者を介在させるというものです。調停者はこれまで述べてきた「交渉者のディレンマ」を回避させる役割を担います。調停というと、民事調停や家事調停など、司法の世界を思い浮かべる方も多いと思いますが、日本における司法界の調停はまだまだ法律万能主義に偏るところがあり、ここで述べている調停とは異なるようです。また、交渉学もその興りからロースクールとの関係が深いので意外だったのですが、日本の司法界では驚くほど交渉学が普及していない、と参加された方から伺いました。

  単一交渉草案は、1978年のイスラエルとエジプトの領土紛争を調停した「キャンプ・デイビッド交渉」で一躍有名になったもので、調停者が双方の批判を取り入れながら、合意案をまとめていくというものです。
  
  合意後の合意は、H.ライファが唱えたもので、激しい敵対関係にあるような時は、創造的手法そのものが難しい場合があるので、まず合意できることから「暫定合意」し、それをある意味BATNA(合意に至らなかった場合の最善の代替案)として、話し合いの糸口をつかもうというものです。

  今回の「交渉者のディレンマ」は第2回を2019年5月号、第3回を2019年7月号のニュースレターで取り上げる予定ですので、詳しくはそちらをご覧ください。



  第二部は、第36回燮会以来となる、1級会員の末永正司さん。今回はタイミングよく、「交渉現場で交渉理論がどう使われているか-実践から交渉理論へ、交渉理論から実践へー」と題して、架空企業の調達を巡る「交渉者のディレンマ」状況についてお話しいただきました。

【参考:過去の末永さんの回】
第8回燮会:分配型交渉における定跡と統合型交渉への移行について-交渉テーブルの向こう側-
第11回燮会:剣豪に学ぶ交渉
第18回燮会:駆け引きと交渉について
第24回燮会:ロールプレイング・ゲームの研究
第33回燮会:交渉における親密度について~物理的距離と心理的距離~
第36回燮会:『交渉テーブルの向こう側』~ 苦悩する購買担当者たち ~

  ケースは、架空のロケットメーカーとエンジンメーカー二社(既存/新規参入)を巡る、高性能エンジン調達の話。三社の立場から書かれたケースを読み、それぞれの担当者から見た「交渉者のディレンマ」状況と、現実に起こり得る事例を交えながら担当者はゲーム的にどのように考えるのかを検証しました。



  ゲーム理論は非現実的な様々な仮定が置かれているので、しばしば「現実の役には立たない」ということも言われます。確かに、「ゲーム理論がこうだから、現実も同様である」ということはできません。しかしながら、現実に起こり得る購買交渉をつぶさに見ていきますと、そこには確実にゲーム的要素が現われています。今回のケースでも、意識しているか否かにかかわらず、担当者は合理的に相手の支配戦略を見抜いて、自分の戦略を決めたり、繰り返しゲームに持ち込んだり、あるいは第一部のテーマであった「ゲームを変え」たりといった行動をとっていました。発達心理学者のカート・フィッシャーは、「能力の成長とは、自分の知識や経験を抽象化し、自分の言葉で言語化、持論を形成する能力を高めることをいう」といった類のことを述べていますが、そこに末永さんのおっしゃる「実践から交渉理論へ、交渉理論から実践へ」の意義があるように思います。

  今回は初めて参加された新1級会員の方もおられましたが、積極的にご質問やご意見をいただいたおかげで、学びの多い会になったと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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ようやく本家シャンウェイに-東京・青山

2019年04月19日 | 食べ歩きデータベース


  人気店でなかなか予約が取れないと聞いていたので、普段は大手町、新丸ビルにある系列店の水蓮月(ロータスムーン)に行っているのですが、このほど遂に本店シャンウェイにお邪魔しました。

  カウンター席と6人掛けのテーブル席3つほどの小さなお店ですので、予約が取りにくいのも分かります。ひっきりなしにお客さんが訪れていましたが、常に満席で入れず。こと夜に関しては予約なしでの来店はなお難しそうです。

  今回は水蓮月でも味わえる、『孤独のグルメ』に登場した人気メニューの他、お店のお勧めでメニュー外の料理もいただきました。因みに恐らく一番人気の「毛沢東スペアリブ」(冒頭写真)もメニューには載っていません。余談ですが、個人的には水蓮月の「毛沢東チキン」もお勧めです。



  毛沢東スペアリブのイメージから、湖南料理のお店だと思っていたのですが、メニューを見ると上海や蘇州の料理が多かったように思います。お酒はビールを控えめに、今回は古越龍山という紹興酒と料理という組み合わせにしました。注文すると、入口外の甕から紹興酒を持ってきてくれます。



  早速メニュー外のお勧めなのですが、「和牛ステーキの山椒ソースがけ」。柔らかいイチボを使った絶品です。これは新たな定番に加えたいですね。



  こちらも番組に登場し、毛沢東スペアリブと並ぶ人気メニューだと思うのですが、骨までほろほろと崩れる「やわらかヒナ鶏の特製ねぎ醤油」。しかも今回は人数がいたので、一羽でいただきました。温かい醤油のたれとネギ、箸で簡単にほぐれるほどの柔らかい鶏の相性が素晴らしい。鶏が好きな人は外せないでしょうね。



  見た目も美しい、新鮮な甘えびを紹興酒と自家製たれで漬け込んだ「甘エビの紹興酒漬け」。さっぱりとしていて、紹興酒が薫る一品。素材が良いためだと思いますが、殻をむいて食べるのも苦になりません。



  こちらも水連月で定番にしている、「鉄板太餃子」。巨大餃子で肉の旨味たっぷり。醤油をつけずそのまま行けます。



  番組では小さな陶器のポットで出てきましたが、「麻辣湯」。一般にイメージする真っ赤なものと違い、どちらかというとトムヤムクンに近い印象でした。



  最後もメニュー外のお勧めで、「白ハマグリとニラの炒め物」。これ素晴らしい!大きな蛤とニラをニンニク風味で炒めたものですが、蛤の旨味がたっぷり出た汁。こちらも放っておいてはもったいないです。明日お客さん先でプレゼンという友人、ニンニク多くてごめんね!でも、ここのは大丈夫だと思いますよ。

  一つ学びましたが、お店の人にお勧めを聞くというのがコツですね。次回はもっと定番外を積極的に行きたいと思います。

鉄板中華 青山シャンウェイ



東京都渋谷区神宮前3-7-5



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インタビュー動画が公開になりました

2019年04月17日 | リサイクル(しごと)の話


  昨年弊社のドキュメンタリー番組「循環型社会の機先を制す~ものづくりを支える資源再生人」を作成していただいた、株式会社カウテレビジョン様より去る3月5日、「社長室101」という対談番組のインタビューを受け、その動画が公開になりましたのでご連絡申し上げます。

  弊社独自の役職名についてや締めの音頭について、初めて公にお話しさせていただきました。よろしければ是非ご覧ください。

【ナカノ株式会社(1)】リサイクル×商社 「循環型社会」のリーディングカンパニー


【ナカノ株式会社(2)】環境と経済を「哲学」で繋ぐ ナカノの理念「エコソフィー」とは


【ナカノ株式会社(3)】会社組織の幸せは「相互作用」から始まる


【ナカノ株式会社(4)】中国古典をモチーフにした肩書き その背景とは


【ナカノ株式会社(5)】日々の仕事を見つめ直す ナカノ流「締めの音頭」


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薫る漆黒の向こう側-第106回YMS

2019年04月11日 | YMS情報


  桜満開、ようやく春らしい暖かな陽気が訪れたと思った矢先、しまいかけていたコートを慌てて引っ張り出すような、真冬逆戻りの寒さとなった4月10日。mass×mass関内フューチャーセンターにて、第106回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  今回のテーマは、「コーヒーは楽しい!〜まだまだ広がるコーヒーの楽しみ方〜」。ひょっとすると、今やお茶よりも身近かもしれない飲み物でありながら、意外と知られていないコーヒーの入口についてお話しいただきました。



  かく言う僕も、コーヒーの知識は皆無。確かに毎日浴びるようにコーヒーを飲んではいますが、上の写真の通りインスタントがメイン。強いて言うなら、22年前福岡で仕事をしていた時、今はなくなってしまった近所の「今泉珈琲店」の中煎りコーヒーが好きで、福岡土産にコーヒー豆を買って帰っていたということぐらいです。お茶は多少の心得があるので、今回はお茶と比べるという意味でも興味がありました。



  さて、講師は寺澤孝史様。何と言っても経歴が異色で、元歯科医。学生中にコーヒーに目覚め、2003年に本物のエスプレッソに出会い、エスプレッソの修業を積まれました。現在はコーヒーに合わせた抽出法や人それぞれに合った楽しみ方を追求し、カフェなどのコンサルティングや出張バリスタ、様々な場所に応じたコーヒースタイルの提案、イベントの計画など「コーヒーデパートのコンシェルジュ」として活動の幅を広げておられます。



  今回のYMSは特別です。始まる前から部屋の中がコーヒーの良い香りに包まれているのです。弥が上にもこれからの好奇心を高めてくれました。

  講義の初めはまず焙煎から。焙煎は浅煎りから深煎りまで大まかな分類がありますが、明確な規定はないそうです。僕が好きだった中煎りも今泉珈琲店の焙煎基準だったのかもしれません。簡単に言うと、浅煎りの方が酸味が強く、深煎りになるほど苦みが出てくるそうです。コーヒーの酸味というのは、豆が酸化することによって起こるのではなく、果物と同じように、焙煎することによって現れるコーヒーが持つ本来の味だそうです。この焙煎により、コーヒーの酸味と苦みのバランスが決まります。まず、自分好みの焙煎度合いを見つけることがスタートだそうです。
 
  因みに、昔の横浜は良質のコーヒーが入手できず、質の低いコーヒーを少しでも美味しく飲もうと深煎りして熱いものを出す文化になったそうです。それで横浜では今でも深煎りを好む人が多いのだとか。かつてサイフォン式が主流だったのも、最も高い温度で入れられるというのが理由の一つだったようです。



  つづいて産地について。コーヒーは、赤道を中心とした北緯25度と南緯25度の間の地域、いわゆるコーヒーベルトと呼ばれる地域60か国以上で生産されているそうです。昔は豆の品質を問わず生産国で一括りにされていたそうですが、ここ20年位で生産国ではなく農園レベルでの取引が広がっているそうです。つまり、良質な豆が流通するようになったと言えますが、それにより豆の個性に合った抽出法なども発達するようになったそうです。しかし、僕のような初心者はまず大まかに好みの生産国を捉えることから始めるのが良いようです。

  第三は、豆の品種について。コーヒー豆も、ワインのブドウや日本米のように品種による味わいの違いがあります。後述しますが、今回は「カトゥーラ」、「アビシニカ」、「ブルボン」、「ティムティム/アテン」という四種の豆の違いを体験しました。



  第四は、標高と風味の関係について。ウィスキーは熟成中の樽の位置によって味が変わりますし、ワインのブドウも土壌や気候の特徴が出たりますが、コーヒーも同様に標高、日照、降水量、気温など栽培条件による違いが出るそうです。標高について言えば、標高が高いほどコーヒーチェリーの生育が遅くなるため、それが香り、甘み、酸味などに影響を与えるのだそうです。因みに今回体験したのは、全て一番上のカテゴリでした。

  第五は、精製方法について。コーヒーチェリーを剥いて、豆にする工程です。大きく分けて、水を使い、生のまま剥くウォッシュドとチェリーを乾燥させてから剥くナチュラルとに分かれるそうです。ナチュラルはチェリーを乾燥させる過程で多少発酵が進むため、それも味に影響を与えるそうです。なお、後で出てくるスマトラ式というのは、チェリーが生乾きの段階で剥いてしまうそうです。それがスパイシーな味わいに影響を与えているのだとか。



  さて、一通りコーヒーの基本知識を学んだあと、カッピングと呼ばれるテイスティングに移りました。今回カッピングしたコーヒーは以下の通りです。焙煎元は横須賀のTsukikoyaさんというお店です。



  初めに、挽いたコーヒー豆のにおいを嗅いで、違いを感じます(ドライ)。正直なところ、それぞれの違いははっきり分かるのですが、それをどう表現したらよいかが分かりませんでした。ただ、④だけはカレーのような、非常にスパイシーな香りがしました。



  続いてお湯を注ぎ1分後、香りの違いを確かめます(クラスと)。さらに4分後にスプーンで攪拌し、また香りの違いを確かめます(ブレイク)。また豆の時とは全く異なる香りがしました。

  最後にスプーンで上澄みをすくい、一気に吸い込みます(テイスティング)。



  本来は、写真のようなカップリング・スプーンと呼ばれる深めのスプーンを使うそうです。

  またこれが豆の時とは全然違うイメージになりました。唯一④だけが相変わらずスパイシーだったという位です。この変化には正直驚きました。例えば①などは豆のときは非常にマイルドな香りだったのに、味わってみると渋みと言うのか妙な個性を放っていました。②は豆の時も味わった時も、デイリーで楽しめそうなまとまりの良さを感じました。③はやや酸味を強く感じました。

  因みに、このカップリングには世界大会もあるそうで、その世界大会で2位になられた天野五月さんという方が、来る4月18日に横浜中華街でカッピングイベントを開催されるとのことです。



  最後に、コーヒーのグレードについて。一番下は、生産国消費やインスタントコーヒーに使われるもの。頂点のスペシャルティは毎年80点以上の品質を維持できることが条件の最高級グレードで、日本では沖縄県国頭村安田(あた)の徳田泰二郎さんという方のコーヒーが、2017年に初めてスペシャルティコーヒーに認定されたそうです。また、日本が真ん中のコモディティコーヒーを淹れる技術に優れており、アジア人初の世界チャンピオンとなった千葉県船橋市にある株式会社Philocoffeaの粕谷哲さんの技法が、現在世界の標準となっているそうです。



  ワインも少しでも知っているのと全く知らないのとでは大違いですが、これを機会にまずは自分好みの焙煎と産地を探すところから始めたいと思います。なお余談ですが、今年の麻布中学入試問題にコーヒーの淹れ方が出題されたのだそうです。

コーヒーは楽しい!
チュング‐レング トラン セバスチャン・ラシヌー
パイインターナショナル


過去のセミナーレポートはこちら

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大岡川の花見と欧風料理みーしゃで

2019年04月08日 | その他


  新年度がスタートし、新元号も決まった4月5日。ここ数日の花冷えにより、今年の桜は長く楽しむことができました。この日、ようやく気温が上がり、会社近く大岡川の桜はまさに見ごろを迎えました。



  身近にありながら、意外と川を眺める機会は少ないもので、久しぶりに景観として見た大岡川は、昔に比べると随分きれいになったと思いました。第88回YMSに講師として来ていただいた、冒険写真家の豊田直之様を始めとする有志の方々の地道な努力のおかげで、こうして美しい桜を楽しむことができます。


 
  桜見物の後は、以前このブログでもご紹介した、近くの「欧風料理店みーしゃ」へ行ってきました。今回もとても美味しいお料理を出していただき、楽しい時間を過ごすことができました。シェフおまかせのお料理は下のフォトチャンネルにまとめましたので、ぜひご覧ください。実は今日4月8日が、開店20周年だそうです。



欧風料理店みーしゃ



横浜市南区南吉田町4-40-23 ポートハイム第五吉野町



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手打ち工房 凌駕-甲府市・国母

2019年04月07日 | 食べ歩きデータベース


  弊社は、福島県はいわきと郡山に営業所があります。にもかかわらず、実は今まで「白河ラーメン」を食べたことがありませんでした。今週、山梨県中央市にある、弊社山梨営業所へ行った機会に、白河ラーメンの元祖「とら食堂」で修業されたというご夫婦が営んでおられるという、「凌駕」へ寄ってきました。



  実は、この日は花冷えのする寒い一日で、昼は本社近くの味噌ラーメン屋「山道」で激辛味噌ラーメンを食べたばかりだったのです。昼夜ラーメンになってしまいましたが、たまには(?)いいか…



  ラーメンが出てくるまでの間、「ワンタン皿」を注文。これが実に美味しかった、つるりとしたのど越しに、何と言ってもたれが絶妙。車なので呑めませんでしたが、これにビールがあれば言うことなしでしょう。
 
  頼んだのは、チャーシュー・ワンタン麺。醤油ベースのスープはやや濃い目、しかし、そこに先ほどのつるつるの雲吞と、白河ラーメンの特徴である、幅広の縮れ麺がよく絡み、全体として実に優しい味に仕上がっています。昼もラーメンだったことを忘れさせる優しさ。手打ち麺の食感はモチモチで、期待通りでした。海苔が香りを添え、チャーシューは主張し過ぎることなく、ラーメンと調和を保っています。あくまでも食べやすく、繰り返し訪れたくなる味でした。

  「山道」の激辛味噌ラーメンも、非常に好みの味です。

凌駕



山梨県甲府市国母5-6-5



麺や 山道

神奈川県横浜市南区睦町1-6-4



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マゼランの上陸海洋博物館

2019年04月06日 | その他


  スービック出張時に大きなハンバーガーを食べに行く「バスコス」という海岸のレストラン(弊社の紹介動画の10分29秒あたりは、ここで撮影されたものです)に、「マゼランの上陸海洋博物館」と呼ばれる、海底から引き揚げられた品々を展示する博物館が併設されていることを今回初めて知りました。「マゼランの~」とありますが、マゼランはスービックには上陸していません。

  今回は館内の説明を元に、少しご紹介したいと思います。



考古学上の発見によれば、フィリピンと中国との大洋間貿易は10世紀、唐(618-907)末期から宋(960-1126)の時代に始まったとされます。中国の貿易商人はその先進技術と富で海上貿易を支配し、この地域全般にわたって中国製品に対する莫大な需要を生み出しました。最初の記録は982年に遡り、麻逸(ミンドロ島にあったと信じられている国)から貿易商人が広東にやってきたと記されています。フィリピンと中国との貿易は、明(1368-1662)の時代、福建商人がルソン島に入植した時、頂点に達したと言われています。

  マゼランと彼の部隊はフィリピンと周辺諸国との貿易が非常に盛んであることに気づきました。彼らが停泊した至る所で、シャムからの金を運んだ船、ボルネオやスマトラからの王族の来訪、莫大な量の最高級の中国の品々を目撃しました。



  1521年のスペインによるフィリピン諸島の植民地化により、フィリピンは貿易の戦略上の要衝となりました。やがてフィリピンは当時作成された地図のほぼ全てに見られるようになり、ポルトガルもインド、マラッカ、モルッカを通ってこの地域の交易にアクセスしようとしました。バルトロメ・デ・レトナ神父は、「マニラとその周辺に見られる人々は、世界で最も多様に満ちている…ここを表せるような王国、地方、国は世界のどこにもない」とその繁栄ぶりを記しています。

  1565年、フィリピンを征服し、初代フィリピン総督となったミゲル・ロペス・デ・レガスピは、商業活動の盛んなセブを出帆し、リマサワ島に上陸。そこから貿易商人で賑わう港があるブトゥアンに向かいました。スペイン人は現地人にヨーロッパの品物を与えましたが、タガログ人の仲介業者たちは、「トストーネ」と呼ばれたスペインの銀貨に夢中になり、それ以外のものは受け取らなかったそうです。



  これ以降、それまでの腕輪やパイロンシトと呼ばれる粗雑な硬貨を媒介とした物々交換から、貨幣による貿易へと移行しました。

  イギリス東インド会社のエージェントだったアレクサンダー・ダーリンプルは、1759年、この地で富み栄える貿易に参入するため、フィリピン群島の一部をイギリスの植民地として併合する青写真を描きました。



  ヨーロッパでは7年戦争(1754‐1763)が起こり、1762年10月、イギリスのジョージ三世はマニラを奪取するため、すかさず遠征隊を派遣しました。この短い支配の間に、マニラ港はさらに外国貿易、とりわけヨーロッパとの貿易に門戸を開きました。

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お洒落なお店で新鮮な焼き鳥を-鶏慶(都立大学)

2019年04月05日 | 食べ歩きデータベース


  恐らく都立大学駅で降りるのは初めてなのではないかと思います。2019年のプロ野球シーズンが開幕した、3月29日の花冷えの夜、「鶏慶」という素敵な焼き鳥屋さんをご紹介いただきました。

  朝しめの南部どりを使用しているそうですが、上の鳥刺しの写真も見るからに新鮮そうです。



  鮮度が良いとなると、食べたくなるのが、上のササミ、レバー、砂肝の三種。個人的にこれらは鮮度の違いが大きく表れると思っているからですが、期待に違わず美味しかったです。



  さらにだんご(つくね)ともも(ねぎ間)。



  野菜も食べなきゃということで、トマトサラダ。



  そしてお勧めは、締めの親子丼だそうです。そもそも卵と肉が良いということもありますが、変な甘さがなく、本当に美味しかったです。

鶏慶



東京都目黒区柿の木坂1-32-16



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和風ビストロ ことの葉ー太田町

2019年04月04日 | 食べ歩きデータベース


  ちょうど1年前になるのですね。小さいけれども一品一品が美味しい居酒屋として、「たらふくちゃん」と「たか」をご紹介しましたが、今回やはり一品一品が美味しいお店としてご紹介するのは、その「たらふくちゃん」の隣にある「ことの葉」です。マニアックですが、店長さんは武道家の日野晃さんに似ていると思います。



  例えばこのナスの粒マスタード炒め。ニンニクが効いて予想外の味わい。



  もつ煮もお酒がすすみます。



  クリームチーズの醤油漬け。蜂蜜とよく合う。



  チーズたっぷりキッシュとカニクリームコロッケ。実は僕はキッシュもカニクリームコロッケも好んでは食べないのですが、とても美味しかったです。

  そして冒頭の写真。食べ応えのあるハラミステーキ、これは大満足!

ことの葉



神奈川県横浜市中区太田町1-16



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初めてのバスク料理・ビオッツアー長者町

2019年04月03日 | 食べ歩きデータベース


  実際にスペインのバスク地方で修業されたという方が経営されているバスク料理のお店、「ビオッツア」で初めてのバスク料理を堪能してきました。大西洋のビスケー湾に面し、フランスと国境を接するバスク地方。ピレネー山脈の西端に位置する山がちな地形は、バスク人たちによって独特の食文化が育まれてきました。きっかけは忘れましたが、多分アンダルシアの方と間違えたのだと思います。何であれ、とても美味しく満足でした。

  唐辛子とニンニクを多く使うというバスク料理ですが、早速前菜にオリーブと唐辛子のピクルスのようなものが出てきました。思い切って口に放り込んだのですが、意外にも辛くなく拍子抜け。しかし、お酒とよく合いました。



  食前酒ですが、バスク料理ならシードル(リンゴ酒)ということで、「アスティアサラン」を頼みました。注ぎ口に専用のポアラーがついていて、シェリー酒と同じように高い位置から注ぎます。こうすることで、リンゴの風味が立ち、シードル独特の酸味がまろやかになるのだそうです。アルコール度数は6%位ですが、意外にもすっきりとした辛口でした。



  チャングーロ。バスク地方のタパス蟹のほぐし身と蟹味噌をトマトで煮込んだものです。これをパンにたっぷりのせて食べます。素材の旨味を活かした、日本人好みの味わいだと思います。



  タラのアホアリエロ。「アホ」はニンニク、「アリエロ」は荷車を引く人という意味で、山がちなバスク地方で保存のきく料理として編み出されたものらしいです。タラもバスク地方ではポピュラーな魚。



  続いて白ワインは、ポンテジョン・アルバリーニョ2001。こちらはスペイン北西部、ポルトガルとの国境に近い、ガリシア州、オ・ロサルのワイン。擬人化されたフクロウのエチケットが印象的ですが、これは畑近くの林に生息しているといわれる、畑の守り神であるフクロウをモチーフにしているのだそうです。フルーティさと酸味を併せ持った、食事に合わせやすいワインでした。



  こちらもバスク地方の名物、イカの墨煮。コクのある味わい深いイカ墨を麦や粟を混ぜたご飯と一緒に食べます。これはお勧め。



  前日飲み過ぎのため赤ワインは避けましたが、最後は牛ほほの赤ワイン煮込み。柔らかなほほ肉がごろっと入った、食べ応えのある一品です。

  まだまだ奥の深そうなバスク料理。バスク語で「心」を意味するという、ビオッツア。とても気持ちの良いお店でした。ぜひまた近いうちにお邪魔したいと思います。


Bihotza(ビオッツア)



神奈川県横浜市中区中区中区長者町5-85



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