窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

リサイクルデザインフォーラム2009①

2009年10月31日 | リサイクル(しごと)の話


  今年で10回目を迎える「リサイクルデザインフォーラム2009」が去る10月25日、大桟橋ホールにて開催されました。

  10年前に初めて開催された同イベント、2年目の入場者数は300人ほどでしたが9年目の昨年は実に6,000人を超える一大イベントに成長しました。

  今年は生憎の雨模様にインフルエンザの影響もあってか、入場者数は4,500人と前年には及びませんでしたが、それでも同じく今年で10回目を迎える「環境得日記」の応募は実に10,000枚を超え、過去最高となりました。

  「リサイクルデザインフォーラム2008」の模様はこのブログでもご紹介しておりますが、今年はより詳しくイベントの模様をご紹介しようと思います。



  最初に話がそれてしまいますが、この日の大桟橋埠頭は前日から海上自衛隊護衛艦の一般公開が行われており、朝行くとまだ船が停泊していました。写真左は「イージス艦」と呼ばれる護衛艦「こんごう」、右は輸送艦「おおすみ」です。

  閑話休題。今年のリサイクルデザインフォーラムのテーマは「未来をつくるリリサイクル」、僕の勝手な分類ですが、今年のイベントは大きく分けて以下の3つに特徴づけられるかと思います。

横浜市資源リサイクル事業協同組合の活動紹介、啓発活動
②リサイクルに関する、楽しいイベント
③地産地消(食環境)に関する、フードイベント

 全てを網羅できるわけではありませんが。以上の分類に則って計3回にわたりイベントの模様をご紹介しようと思います。



  まずは何と言ってもイベントの中心である「環境絵日記」。前述のように今年で10年目を迎えます。最初に絵日記に応募した当時の小学生達はもう17歳から22歳になっているわけです。



  子供達が地球環境や生活に関する願い事を紙の葉っぱに書いて大きな木に貼り付ける「希望の葉っぱ」。昨年は平面の木でしたが、今年はダンボールで作った立体的な巨木になりました。なお、今年の環境絵日記の掲示や「希望の葉っぱ」に使用したダンボールは全てリユース可能な構造になっています。



  リサイクルデザインオリジナルグッズ販売。再生資源を目的とする業者が集まった組合ですので、再資源化したさまざまな商品を組合オリジナルグッズとして販売しています。出前講師で人気の「リサイクルデザインじゆうちょう」やトイレットペーパー、新聞紙の分別回収時に欠かせない紙ひも「小結くん」などです。



  小中学校などへの出前講師で大人気、当組合副理事長でもある栗原清剛講師による「移動リサイクル教室」。普段目にする機会のない、資源の行方を資源の種類ごとに分かりやすく解説していました。前日の巨人CS突破で忙しく、ほとんど寝ていなかったのだとか。



  穏やかな語り口調の栗原講師とは一転、その独特のリズム感と松岡修造ばりの熱いトークで子供達をリサイクルの世界に引き込む、当組合企画室長、戸川講師による「資源とごみの分別体験」。横浜市は非常に分別の種類が細かく、意外と知られていない分別の盲点や、分け方のコツを分かりやすく解説します。分別の「なぜ」が分かれば、分ける種類が多くても理解しやすいですよね。なお、この戸川講師の『資源とごみの分別体験』はDVDにもなっています。



  こちらも毎年恒例、小学生による「子ども環境会議」。今年のテーマは「未来のリサイクル・未来の横浜」。おばあちゃんの服で洋服を仕立ててもらい、それが自慢の女の子がいました。はにかみながらも嬉しそうに話す様子が印象的でした。洋服にはおばあちゃんとお孫さん双方の計り知れない愛情が詰まっています。衣類のリサイクルに携わる者として、身の引き締まる思いがしました。

  さて次回は子ども達が参加して楽しく、しかもためになる様々なリサイクルイベントをご紹介していきたいと思います。11月2日更新予定です。

 繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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ハードゲイナー?

2009年10月30日 | ダイエット日記


  体脂肪を減らすという目的はこれまで順調に達成してきていますが、一方で思うような結果が出ていないこともあります。それは、もう一つの目的である「太りにくい体質を作るために筋肉量も同時に高めていく」ということです。

  冒頭のグラフはトレーニングを開始した4月半ばから9月頭までの4ヵ月半の体脂肪と骨格筋の変化率を表したものです。トレーニング開始時点を100とした時、9月頭の時点で体脂肪は75と25%減少しています。ところが、骨格筋の方も、9月頭の時点で98と数字の上ではむしろ減少しているのです。日々の水分量などによって数値がブレるということはあるにせよ、全体の推移を見てもわずかな減少傾向を示しています。

  最初の2ヶ月ぐらいはそう簡単に結果の出るものでもないだろうと思っていたのですが、その後現在に至るまでほとんど変化がありません。「ハードゲイナーなのかな?」と思ったりもしました。体の成長する10代に全く運動をしていないので、そうかもしれません。僕はトレーニングについて知識を持っているわけでもないので、あれこれと試行錯誤してみました(この試行錯誤が結果的に挫折することなくフィットネスクラブに通うきっかけとなりました)。フォームを気にしてみたり、ネガティヴワークを重視してみたり、スピードを遅くしてみたり。色々試しましたが、今のところこれといった原因は分かっていません。

  オーバーワークによる筋肉量の減少とも考えられません。体の見た目はそれなりに変化してきていますし(脂肪の外套がなくなったということもありますが)、体が慣れるに従って、レジスタンストレーニングのウェイト重量も上がっているからです。体重体組成計による測定値は水分量の変化による誤差の域を出ていないと考えるのが妥当だと思います。

  そもそもトレーニングによって増える筋肉量は年間で1kg程度、良くて2.5kgと聞いたことがあります。要するに体脂肪のように目に見えて結果が現れるというようなものでもないようなのです。この疑問に対する結論を得るには、体にある程度の負荷をかけつつ、引き続き地道に検証していく必要がありそうです。

  僕個人の体質の問題である可能性も否定できませんが、もし筋肉と言うのは層簡単に太くなるものではないのだとすれば、「筋トレをすると体型が筋肉質になるから嫌だ」という理由でレジスタンストレーニングを敬遠するのも杞憂ということになります。少々筋トレをしたところでボディビルダーのようにモリモリ筋肉がつくわけではないのであれば、特に女性の場合は女性ホルモンの働きで皮下脂肪を蓄えるようにできているということもありますし、よほど本格的なトレーニングをするのでもない限り「体型が筋肉質になる」心配をする必要はないのではないでしょうか。それよりも、無酸素運動により成長ホルモンの分泌を促し、体脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、消費しやすくするという、レジスタンストレーニングのプラス面を評価した方が良いと思います。



  話がそれましたが、レジスタンストレーニングの頻度についても同様で、果たして2日空けるのが良いのか3日空けるのが良いのかを数値から導き出すことはできていません。自分の体と相談し、調子の良い間隔をベストと考えるしかなさそうです。体重体組成計によって測定する数値としては、基礎代謝についても同じことが言えます。一般に基礎代謝の高い方が消費カロリーが多く太りにくいと言われますが、体重体組成計で弾き出される基礎代謝は体重が減れば、減った要因が体脂肪であれ筋肉であれ減少します。逆に体脂肪だけで肥え太ったとしても、体重が増えさえすれば基礎代謝も増えるわけです。しかし、上の体重と基礎代謝の変化率を比較したグラフを見ると、ダイエット開始当初は体重と基礎代謝が同じような割合で変化していますが、時間が経過するにつれ、両者の変化率が乖離してきていることが分かります。この結果は、体脂肪の減少によって体重を減らすことができているという、ある程度の目安になるのではないかと思います。

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月刊リサイクルデザインに掲載されました

2009年10月29日 | リサイクル(しごと)の話


  横浜リサイクル事業協同組合が発行する「月刊リサイクルデザイン」11月号に記事が掲載されました。今年は5月号に続いて2回目になります。

  今回の内容は、当ブログの記事「繊維リサイクル促進とグレシャムの法則」をもう少し簡潔に、分かりやすく書き改めたものです。

  日頃頻繁に発生する、リサイクルについてのさまざまな疑問。それにお答えする「月刊リサイクルデザイン」は横浜市内各所で無料配布されております。 

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博多もつ鍋 和楽

2009年10月28日 | 食べ歩きデータベース


 福岡では恐らく知らない人はいないという位有名な、もつ鍋屋「やま中」で修行した店主が東京世田谷にオープンした「博多もつ鍋 和楽」に行ってきました。

  いつもなら40分もあれば着く所なのですが、運悪く事故渋滞が3件も重なり、2時間40分かけてようやく到着しました。勿論大幅な遅刻で、到着した頃には終了時間15分前という有様でした。



  それでも友人が気を利かせて準備してくれていたので、非常に短い間ではありましたが、もつ鍋から〆のちゃんぽん麺まで一通り食べることができました。本当に感謝しています。

  もつ鍋ですが、本場博多のもつ鍋ほどニンニクが強くなく、坦坦麺のように練り胡麻の甘みが効いて食べやすく仕上がっています。もつも新鮮で脂身に嫌味がなく、見た目よりもあっさりした食感です。この歳になるとこれくらいあっさりしている方が美味しく感じます。

  唯一難点を言えば、お店の場所は交通の便があまり良くありません。最寄の上町にしても経堂にしても少し離れています。それでも既に相当な人気店のようで、この日も予約客が大勢いらっしゃいました。

  幸い帰りは空いており、30分程度で帰ることができました。


博多もつ鍋 和楽

東京都世田谷区桜3-8-16
ユートピアハイツ1F



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PPRでワイン会

2009年10月27日 | ワイン・日本酒・ビール


 記事を書くのが遅くなってしまいましたが、いつものPPRでソムリエ&フードコーディネーターの井出玲子さん(写真右端)によるワイン会が催されました。



 今回のワインは、

①ASDA EXTRA SPECIAL CHENIN BLANC 2008
②MOREAU-NAUDET PETIT CHABLIS 2007
③LA ROSEE DE MONBOUSQUET 2005
④LES ALLEES DE CANTEMERLE 2004



 合わせたお料理は酸味を効かせたドレッシングのサラダとお刺身三種類(サーモン、鯛、まぐろ)。後で赤ワインに合わせお肉も出たのですが、写真を撮る前に食べてしまいました。



 まずは「アズダ・エクストラスペシャル・シュナンブラン 2008」。南アフリカ、パールのワインです。爽やかな青リンゴや蜜のような香りがしますが、口に含むと何だかブドウの蔓のような渋み、アルコール度数は12.5%位と思われますが余韻は短く、しっかりとした酸味がある辛口です。何でも西友で598円で売っているワインらしいです。

 フライングで説明を受ける前に鯛のお刺身をつまんでしまいましたが、このワインの酸味が鯛のもつコクを上手に引き立てます。

 因みにシュナンブラン、食べても美味しいブドウだそうです。



 続いて「モロー・ノーデ・プティシャブリ 2007」。一般にサラダはワインに合わないとされるそうですが、この酸味の強いワインに同じく酸味の強いドレッシングをかけたサラダを合わせると、それなりに合います。

 空気を含ませると徐々に果実香が出てきます。強いミネラルを感じますが、これは硬い石灰岩土壌であるプティシャブリの特徴なのだそうです。個人的にはシャルドネはいつも物足りなさを感じてしまうのですが、サーモンのお刺身と合わせるとお互いが引き立ってきます。サーモンの持つ脂身がシャルドネの物足りなさを補う感じです。



 「ラ・ロゼ・ド・モンブスケ」。変換したら「文部輔」と出ました。ボルドーサンテミリョン地区のロゼワイン、メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニョン30%です。よほど僕の鼻が変なのかもしれませんが、純度の高い氷水の匂いがしました。しかし、口に含むとシェリーのような優雅な果実の香りがパッと広がります。甘みと苦味がバランスよく混在した感じです。

 ロゼワインは料理を見つけるのが難しく、見た目は綺麗なのですがとかく敬遠しがちでした。しかしこの日、麻婆豆腐に結構合うということを学びました。



 最後に「レ・ザレ・ド・カントメルル 2004」。オー・メドック、カベルネ・ソーヴィニョン60%の赤ワインです。前述したように写真を撮り忘れてしまったのですが、わさび醤油のステーキ、そして塩とレモンでいただくトンカツに意外と良く合いました。

 次回は11月19日に同じくPPRにて「ボジョレー・ヌーヴォーとボジョレー地区のワインを楽しむ」 会が開催される予定です。

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緑十字展2009~エコソフィーのナカノ株式会社~

2009年10月26日 | リサイクル(しごと)の話


  10月21日から23日、さいたまスーパーアリーナにおいて「緑十字展2009」が開催されました。



  毎年出展させていただいているこの展示会ですが、今年は創業75周年ということで、このブログでも何度もご紹介させていただいていますが、当社を貫くアイデンティティである「ECOSOPHY」(エコソフィー)をテーマに設定させていただきました。

  

  主な展示品は、繊維リサイクルを一貫して手掛けて75年、「ECOSOPHY」の発想から生まれた繊維リサイクル商品の数々。勿論これらは一例に過ぎませんが、左から「よみがえり」をはじめとする特殊紡績手袋やリサイクルミトン、油吸着マット、耐切創手袋ノンカットなどです。



 3日間に渡り、大変多くの皆様にご来場いただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げますと共に、今後とも「エコソファー・ナカノ株式会社」に変わらぬご支援賜りますようお願い申し上げます。

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古布のお月見うさぎ

2009年10月25日 | ひろがるエコソフィー(古布作品集)


  日中は比較的暖かい日が続いていますが、ようやく秋らしくなって参りました。

  いつも歳時に合わせた古布の作品をご提供いただいているFRN(ファイバー・リサイクル・ネットワーク)さんから、秋の作品が届きました。いつもありがとうございます。

  今回の作品はお月見をするうさぎですね。お団子に秋を感じさせる椎茸やススキまであります。この可愛らしい作品は当社本社事業部の玄関に飾ってあります。

  これまでご紹介した作品は、以下をご覧ください。

春:土筆に柏餅

夏:風鈴に金魚

その他:小人たち

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クリスタル・ミュージアム

2009年10月24日 | その他


 帰りがけ(この帰りが大渋滞で大変な目にあったのですが)、甲府のクリスタル・ミュージアムに立ち寄りました。

 光り物は僕も好きですが、それは鯖やら鰯の話で宝石については見ても何が何だかさっぱり分かりません。ただし水晶については多少その石がもつパワーに関心があります。

 上の写真など、なかなか良いと思ったのですがいかがでしょう?因みに、お土産品で92万円也。

 

 展示室は入口で巨大なアメジストが迎えてくれます。拡大するとこんな感じ(写真右)。

 

 1階は貴石類(写真左)、2階はクリスタルやガラス工芸(写真右)の展示になっています。これらをYou Tubeデジブックに納めましたのでご覧ください。

クリスタルミュージアム



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体重体組成計

2009年10月23日 | ダイエット日記


  体脂肪率の測定には、オムロンの体重体組成測定器「カラダスキャン」を使っているということは以前お話しました。「カラダスキャン」は手のひらと足裏から微量の電流を流し、その抵抗値によって体内の脂肪量を「推定」しようという機械です。抵抗値は体内の水分量によってかなり変化しますから、測定はなるべく毎日決まった時間に行うのが理想です。僕の場合は、毎朝起床時に測定するようにしています。しかし、それでも前日の状態により値はかなりブレます。これは経験則ですが、呑み会の翌日などは異常に良い数値が出ることが多いですし、少しきつめのトレーニングをした翌日は体重は減るものの、体脂肪率は高く出る傾向にあります。したがって、日々の値の増減を以って一喜一憂することはほとんど意味がありません。傾向を見るものとしてある程度の期間を以って判断した方がよさそうです。

  例えば、上のグラフは4月16日以降、9月初め頃までの体脂肪量(体重×体脂肪率)の変化を表したものです。ご覧になってお分かりのように、短期で値はかなりブレます。しかし数ヶ月のスパンで見ると、概ね「体脂肪量は減少傾向にある」ことが読み取れると思います。

 

  尤も、写真で見ると4月16日時点(左)と9月10日時点(右)では明らかに体つきが変化してきており、体脂肪の減少は実感を伴ってきていますので、確実に脂肪を落として痩せてきていることだけは間違いないでしょう。

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旧開智学校

2009年10月22日 | 史跡めぐり


 恐らく皆さんも歴史の教科書などでご存知だと思いますが、明治5年(1872年)に学制が発布され、直後の明治6年(1873年)に建てられた旧開智学校は、松本城の北すぐ近くにあります。文明開化時に建てられた小学校の面影を現在に伝える、貴重な史料です。

 

 旧開智学校は昭和38年(1963年)まで実際に使われていましたが、現在は別に開智小学校というのがあります。校舎が少し旧開智学校を意識したつくりになっていますね。

 旧開智学校はその開智小学校の校庭の裏に資料館として保存されています。



 旧開智学校(以下、開智学校)は、地元の大工棟梁、立石清重によって建てられました。立石は松本に文明開化の雰囲気を伝えるため、東京の開成学校(現東京大学)などを参考に、ステンドグラスなどを多用した洋館風の小学校を考案しました。



「洋館風」といったのは、一見純西洋風に見える建物ですが、随所に伝統的な日本式の彫刻や和瓦などが使われているためで、実際には和洋折衷の建物になっているためです。これは開智学校の大きな特徴です。

 単に西洋を模倣するのではなく、伝統的文化も織り交ぜて設計したところは立石の優れたバランス感覚と言えますが、一方でこの当時は「廃仏毀釈」などに代表されるように、西洋文化に憧れ伝統文化を軽んじるあまり多くの貴重な伝統的建築物が失われた時期であったということも見逃せません。事実、かの松本城も危うく廃城と化すところだったのです。



さて開智学校の内部ですが、先ほども申し上げたように昔の教室の雰囲気や実際に使われていた教科書などを伝える資料館となっています。教室の机には習字に使われた小さな石板もあり、実際にチョークで字を書いたりもできます。

 石板というとモンゴメリの「赤毛のアン」でアンがギルバート・ブライスの頭を石板で叩くという有名な場面を思い出します。



 机は上蓋のようになっていて、開けると教科書などが入れられるようになっています。

 

 2階の講堂の様子(写真左)。写真右は石炭ストーブです。ストーブの上に昭和二年に尋常二年の鬼頭君という男の子が書いた「私はストーブです」という作文が展示してあるのですが、とても可愛らしい文章で思わず笑ってしまいました。



 明治天皇御座所。明治天皇が行幸された際、休憩室となった部屋です。その日は運悪く雨模様で、体操が中止になったと史料に書かれています。

 その他、「開智学校生徒心得」、つまり当時の校則が掲示されていましたが読んでみるとなかなか面白く、今も昔も子供は変わらないなと思わされます。この生徒心得はお土産品として200円で購入することができます。機会があれば改めてご紹介したいと思います。



 最後に。お昼もかなり過ぎてしまい、せっかく信州ですから蕎麦を食べて帰ることにしました。写真は「何だ、撮るな!」みたいな顔をしていますが、お願いして撮ってもらったのです。



 のれんにうでおし。

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