窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

交渉アナリスト-第6回燮会(やわらぎ会)に参加しました

2012年07月29日 | 交渉アナリスト関係


  7月27日、NPO法人日本交渉協会の6月燮会に参加してきました。

  今回は、交渉アナリスト教育の運営を行っている、株式会社トランスエージェントの安藤雅旺専務理事より、「中国交渉研究」と題した事例紹介がありました。

  多くの日本企業が進出しながらも、難しいとされる中国人との交渉。それは、企業間交渉だけでなく、企業内の労使交渉や日常的なビジネスコミュニケーションまで全般を含みますが、歴史的に密接な関係にありながら、日本人とは全く違う中国人の特徴は、僕も仕事で関わることがあるだけに、なるほどと思うところが多々ありました。

  まず日本人との最大の違いは、中国人は組織やルールよりも個人の利益と関係性を優先するということ。特にこの関係(Guanxi)は、非常に大きな意味を持っており、この関係の軽重次第で、同じ中国人であっても相手に対する交渉スタイルが全く違ってくるということです。

  その中国人の関係性は、「外人・熟人・自己人」の三段階があると言われます。日本的に言えば、外人が普通の対人関係、熟人が知人関係、そして自己人が親友関係といえるでしょうか。ただ、最後の自己人は日本人が考える親友関係よりもずっと深い、ほとんど自己と他者との境界線がないほどの密接な関係のようです。



  そして各段階における中国人の交渉スタイルですが、外人・熟人に対しては、いわゆる性悪説に基づく、韓非子や商鞅(しょうおう)変法や兵法三十六計を地で行くようなスタイルとなります。畢竟、「中国人はずる賢い」といわれる所以です。

  ところが、仮に相手が外国人であれ、一度自己人として認知すれば、そのスタイルはまさに『論語』の仁の世界。古来、管鮑の交、刎頚の交、水魚の交など色々言われますが、それこそ一度難あらば、友のために私財を投げ打ち、知人を総動員してでも助けてくれるという、逆に日本人では考えられないような関係になるようです。

  問題は日本人が考える親友、信頼関係は、中国人にとってまだ熟人のレベルで、この温度差を見誤ってしまうが故に、「中国人に裏切られた」ということになってしまうのだそうです。この点については、僕も身に覚えがあり、もっと早くこの話を知っていたらと思いました。

  さて、社会の変化が著しい中国にあって、そのような関係性重視のあり方が実際にあるのかについて、アンケートによる調査結果がありました。結論を言えば、世代による様々な違いはあるものの、基本的に関係重視社会は顕在であるということのようです。



  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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