嘘の吐き方(うそのつきかた)
人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。
 



ハードウェアよりも硬いもの
ソフトウェアよりも柔らかいもの

僕は、それらに名前をつけようとは思わなかった。
また、名前を付けたいとも思わなかったし、
名前を付けるべきではないとさえ、感じた。

だけど僕は、そのことを、とても知りたいと思った。
あるいはまた、そのことについて、ぼくなりに考えたり感じたりしてみたいと思った。

それは許されるならば、
とても硬い、堅い、固い、わかりづらい心の奥にある気持ちを呼び起こし
難解な、懸命な、どうしようもなく儚い他者の心に触れようとする行為に似ていた。
でも僕は、それを忘れようとさえ、思うことなどできなかった。

伝えるということは、ほどくということに似ている
似ているけれど、とてもおかしなくらい違う行為にも思える。

強く強くエネルギーを結んだ固い糸だけが、
物質になることを許される観念であるかのように。

不思議な気持ちがあった。
誰にもほどけないほど頑丈な結び目があった。
僕はそれを、ほどくことも、忘れることも、めんどくさがることも出来はしない。
けれど決して、触れることも出来ない。

今にして思えば、信用とか信頼とか言われる糸は、
強い心の紐に似ていて、引っ張ったり、契れたり、押しほどいたりする権利のような変化がある限り
それは残酷の名のもとに、忘れる事を許されるかのようであるとさえ、
僕には時々思えてしまう。

だけど僕は、
誰にも言えない、契れそうな細い糸だけを、
切実に、誰にも言えない場所で千切るように切断したいと思った。

僕によって踏み潰された、価値ある命の数を殺すことであざけり笑うように。

僕はまた、ときどき自分が、どうしようもない、
愚かしい妄想の中でしか、存在を許されない幽霊のようだと思うことがあった。
それは恥ずかしさや悔しさの類に似ていて、
けれど決して恥ずかしくも悔しくも愚かしくもない、
ただどうしようもない決定や運命であるかのように
ひたすら内側に向けて呑み込まれていく深淵に似てた。

僕はそれを
まるで外から教わった。
かなり異なる、キチガイのための言葉として、
君の名を、与えられました、という報告のように。

たぶん、気が狂っている時だけが、
許されてる時間なんだと思う。
他は全部、許されない時間なんだと思う。

だけど僕は、
そこで君の名前を呼んだら駄目ですか?
どうしようもない壊れた記憶の中で、
まだ遭ったこともない、君の名を叫んだら駄目ですか?

僕はそのことを、知りたいと思ったら駄目ですか?
僕によって殺される、君のことを考えないと駄目ですか?

僕は。

死にたいと思った。
ただどうしようもなく、
変化と永遠の板挟みで苦しみ続ける牢獄の中で、
餓死していきたいと思った。

思い出すことだけが、僕の最初の立ち位置に似ている。
限りある生の中で、限りある死を選ぶ行為が、
とても何かに似ている。

君の心が砕け散って、
さっさと僕だけが、
誰からも忘れ去られてしまえばいい。


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