ベトナムの正月は「テト」と言って、日本でいうところの旧正月で今年は今月の26日になっている。年によって日が違うが、これは太陽暦に換算すると日がずれてくるというだけで、概念的にはずれるという感覚のものではない。ベトナムでは1月1日は一応祝日にはなっているが、日本みたいに天皇杯の決勝が行われたり初詣に行ったりということはなくて2日からは普通に仕事に行く。一方、このテトのときは、今年の場合は24日から休みに入って3月1日くらいまで国中が休みになる。ハノイあたりは町中がガランとして、あのバイクの騒音もなくなるらしい。
で、この版画は正月に飾る縁起モノ?というか、厄除け、家内安全などのお守り的に家の中に飾るものとして発達し、17~8世紀に最盛期を迎えたものらしい。「年画」とも呼ばれる。大きく分けて2種類あって、ハノイの北部にあるドンホー村で作られていたものが「ドンホー版画」で、ハノイ旧市街のハンチョン通りで作られてきたのが「ハンチョン版画」と呼ばれている。
この2つは作り方が正反対で、ドンホー版画は3,4種類の版木を使った多色刷り版画で、色の版を全部刷った後に黒の線画の版を刷って完成する。一方、ハンチョン版画は黒い線画を最初に刷ってそのあとは手で彩色する。だから見た感じは色の混じり具合とか濃淡があって鮮やかな感じがする。ハノイの富裕層が買っていたからそういう方向に発展したんだろう。
この前ハノイに行ったときに版画の店を見つけて3枚買ってきたんだがそれらは全部ハンチョン版画。ガイドブックではドンホー版画の店、って書いてあったんだが、店の中にあった数少ないハンチョン版画のほうに惹かれたということだ。
ただ今回の展覧会でドンホー版画の面白さもわかったような気がする。共産主義の下での政治的、教育的なものとか男女関係のものとか、庶民的な感覚で描かれているような感じがする。今度行ったらよく見てこなくっちゃ、ということで収集癖がうずいてきた。
2009.1.10 伊勢丹新館の上の吉祥寺美術館にて。
で、この版画は正月に飾る縁起モノ?というか、厄除け、家内安全などのお守り的に家の中に飾るものとして発達し、17~8世紀に最盛期を迎えたものらしい。「年画」とも呼ばれる。大きく分けて2種類あって、ハノイの北部にあるドンホー村で作られていたものが「ドンホー版画」で、ハノイ旧市街のハンチョン通りで作られてきたのが「ハンチョン版画」と呼ばれている。
この2つは作り方が正反対で、ドンホー版画は3,4種類の版木を使った多色刷り版画で、色の版を全部刷った後に黒の線画の版を刷って完成する。一方、ハンチョン版画は黒い線画を最初に刷ってそのあとは手で彩色する。だから見た感じは色の混じり具合とか濃淡があって鮮やかな感じがする。ハノイの富裕層が買っていたからそういう方向に発展したんだろう。
この前ハノイに行ったときに版画の店を見つけて3枚買ってきたんだがそれらは全部ハンチョン版画。ガイドブックではドンホー版画の店、って書いてあったんだが、店の中にあった数少ないハンチョン版画のほうに惹かれたということだ。
ただ今回の展覧会でドンホー版画の面白さもわかったような気がする。共産主義の下での政治的、教育的なものとか男女関係のものとか、庶民的な感覚で描かれているような感じがする。今度行ったらよく見てこなくっちゃ、ということで収集癖がうずいてきた。
2009.1.10 伊勢丹新館の上の吉祥寺美術館にて。