まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

心房粗動アブレーション エピソード4 オペレーション

2010年05月20日 | 日常
 二日目の朝は五時半過ぎに起きた。病院の夜は遅く・・、病院の朝は早い・・。つまりは・・病院は眠らないってことで、大声を出す患者さんもいれば、訳のわからない機械音が鳴ったり止まったり、廊下を歩きまわるスリッパの音やワゴンの走る音がやむことがない。だから・・・眠ったものが勝ちなのだが、眠りからさめてしまうと・・、もう、朝でしかない・・・。

 だから・・朝からラジオを聞いたり、テレビを見て所在ない時間を過ごす・・。朝食は朝の八時・・。それまでは全くの用事も予定もない・・。

 

 この日の昼食はないので、じっくりと味わって食べるが、心臓食というか病院食だから塩気がまるでない・・。でも、これしか食べるものがないので仕方がない・・。一階の売店で野菜ジュースやらトマトジュースのパックを買って飲んだ。まさか、あんパンやお菓子を食べる訳にもおにぎりを買って食べる訳にもいかない。ほぼ・・1日はトイレにはいけないのだ。食事が終われば戦闘準備・・・。食後のはみがきが終われば入れ歯を外し、指輪を外し、めがねを外し・・、薬を飲んで左手に点滴開始・・・。

 その後は・・・テレビを見ながら時間待ち。12時前頃からオペの直前準備。下着などを脱いで素肌となり手術着に着替え、足の付け根、そけい部といわれる部分の除毛。電機バリカンで除毛してガムテープで清掃・・。足の動脈にマーキング、尿管を挿入・・。血栓防止のストッキング装着など・・。

 

 12時半に点滴台ともにベッドごと移動・・。エレベーターで一階へ移動し、血液造影室に向かうが、看護師二人とも場所を知らない・・。ようやくに造影室に到着・・。ベッドから手術台へ移動。これは腰をずらし、足をずらして自分で移動・・・。手術台の上には黒い大型のCRTが三台ずつ二列に六台が並んでいる。私の手術が第一号らしくてメーカーの若い技術者が二人・・・かいがいしく準備している。体格の立派な人が教授だろうか、きびきびと指揮をしている。その人と担当のドクターが入ってきて、手術の準備が進められる。不思議と恐怖心とか緊張感は全くない。内視鏡の場合とまるで同じ・・・。室内にはメーカーの機械技師が二人と、教授と担当医師、それに担当看護師の五人。

 これらの大型ディスプレーは、血管の中を見るために、造影剤を静脈中に混入させて、その中を動くカテーテルという機材の影をディスプレーに映し出して制御しようとするもの。それを複数の位置から映していて三次元から監視しているみたい・・。さらにそれらは映像処理されて録画される。

 

 担当ドクターが右足の付け根部分を消毒して局部麻酔注射。ついで、右首にも消毒・局部麻酔・・・。こうした様子はモニター室で病院長や研修医、麻酔医師などが監視をしていて、不測の事態に備えている。当然、血圧・脈拍なども担当の看護師が監視をしている。

 13時過ぎ・・。準備ができたところで、睡眠導入剤の注射・・・。これは必要がないものだが、私が特にお願いしたもの。胃カメラ検査の時にもこれでお願いしている。二・三回ほど呼吸をすれば・・・もう・・あとは夢の世界だ。なにをされているのかさえわからない。絵本に出てくるようなかわいいおうちがあって、きれいなお花が咲き乱れている夢と、その下側に闇の世界があって、そこからは不気味な音が響いてくる・・。それが身体を通じて感じる現実の世界なんだろうと思う・・・。

 この下の図では左肩からカテーテルを挿入しているが、私の場合は右肩からとなっている。

 

 ただ・・心臓をもまれているような重苦しさは何度か感じられたが、それも夢であったのかもわからない・・。ただ・・暗号のような・・・25ワット・・・30ワット・・・というような声が聞こえていたかも知れない。「25ワット・・6秒間、50度・・かな・・。もっとあげようか・・・。あ、切れた・・。」みたいな声・・・。

 「もう、終わるかな・・・」という担当ドクターの声と「もしもし、わかりますか?もうすぐ、終わりますからね・・」という声で・・・夢から覚めたら・・、もう、おしまい。

 不整脈を正しい脈拍に直すために、電気パッドで左右の胸に電極を当て、高電位をかけて心臓にショックを与え、脈拍を正常にして置いて、漏電をしている箇所を破壊して筋肉のダムを作って電気の漏電を遮断させるもの。これで電気漏れが遮断されたら手術はおしまい。手術は13時過ぎに始まり、14時半には終わったからほぼ一時間あまり・・。

 今度は数人でベッドに移されて、あとは病棟看護師二人によって元の病室へ。その前に心電図測定と心臓エコー検査・・。異常のないことが確認できたらOKだ。

 

 しかし、問題はそれから後・・・。治療後は静脈を使った場合は3時間、動脈を使った場合は6時間絶対安静だ。絶対安静とは、仰向けのままにじっとしておくこと。これはこたえる。寝返りをうちたいが、それが出来ない。ぴくりとも動くことができないように砂袋が載せられていて動くに動かせない。身体を動かせば血管が裂けてしまうらしい・・。

 一時間を経過すれば水やお茶は飲んでもいいが、頭を動かせない。だから、寝呑みという・・・長い口の着いた容器でお茶を飲むが、これが案外と呑みにくい・・。介護をやってるけいこばぁのはずだが、こぼしてしまう。夕食はおにぎりとミンチボールの串刺しで、寝ていても食べられるようになっているが、こういうものはおいしくない。六割ほどしか食べられない。食べたら食べたで歯磨きをしないといけないし、トイレのことも気にかかる。それだし、寝たまま・・食事をした経験がないから、どうやれば咀嚼(そしゃく)できるのか、飲み込めるのかがわからない・・。



 左足や上半身は動かしてもいいと言われたのが、午後6時前であった。約3時間の同じ態勢で寝ていた。だが、まだ、右足は曲げてはいけない。もう起き上がろうとしても起き上がれない。どうも、ぎっくり腰になったみたいだ。六時間後の18時過ぎには横向きになってもいいと言われたが、尿管や点滴コード、心電図モニターコードがからまって動けないし、手術着のマジックテープがからまって身動きできない。だから・・上半身は裸同然・・・。ふとんが外れてもなおせない。これで・・翌朝まで・・半裸状態で寝ていたのだから・・今度は風邪気味になってしまう・・・。

 まだ、左手には点滴があるし、尿管は接続されたままだからトイレにはいけない。歯磨きにもいけない・・・。

 安静解除が出たのは三日目の朝の九時過ぎ・・。担当ドクターが忘れていたのだろうか。そのままでは朝食が食べられない・・・。ようやくに各種の保護テープが外され、安静解除。尿管も外されたが、まだ点滴コードが残るが、これは点滴台を押してでも移動できる。ようやくに上体を起こしてもらって朝食の味噌汁が飲めた・・・。

 洋式トイレに座り込むのも苦しいし、身体を運動させても腰や肩が痛いし、足も痛い。何度も屈伸運動をするものの快方に向わない。ベドから起き上がる・・、上体を起こすだけに10分はかかる・・・。それでも安定しない・・。

 朝食が終わると看護師さんが身体や手術中に飛びついた血の飛沫などを引き取ってくれ、絆創膏やらテープ類をはがし、尿管を引き抜き、手術着を外し、下着を着せてくれて、入院着に着替えさせてくれた。これで一段落・・・。ようやくに生きた心地に戻ったものだ。

 

 これでやれやれと思った矢先・・・。連日の温寒の温度差やら、はだかで寝たことや、手術中に大汗を流したことなどが影響したものか、退院直前になって体温がぐんぐんと上昇をはじめ、四日目の夜中には・・38度九分まで上がって大騒ぎ・・。急遽、氷で冷やしてもらったりして風邪騒動に発展してしまった。

 なお、気になることは医療費だろうと思うが、。今回は手術費等はくわしく知らないが、入院費用、差額ベット代を含めての医療費であったし、もちろん、3割自己負担だから、本人支払額は約12万円となった。思ったよりも安かったように思う・・・。

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。


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2 コメント

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Unknown (はるさん)
2010-05-20 19:07:41
もちろん高額医療の請求もわすれずに 一ヶ月6か7万円以上は戻ってきますよ
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高額医療費・・ (まほろば自然博物館)
2010-05-21 15:51:33
はるさん・・どうもです。

 昨年には三週間以上も入院したもので、どっさりと医療費がバックされたし、保険屋さんからのバックもあったんだけれど、今回もそんなにあるかなぁ・・。8万以上やったら・・少ないと思うけれど・・。
 今回の明細書・・よく意味がわかっていない・。カテーテルの100万円はいらんかったんやろうか・・。わからん・・。
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