まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

とあるガテン系のイベントで思うこと

2006年08月10日 | 自分の仕事に絡めて
昨日、リクルートの「ガテン」が協賛する、音楽イベントに行って来た。
音楽イベントっていう言い方自体、自分に不慣れな内容だって、感じ?
そういう訳でもないんだけど、その集団の中では、明らかに浮いているよなぁ。
自覚もあったりして。

メインのバンドは、とび職の方が着用している作業着を身に包み、
まぁ、もの凄いハードなロックを演奏してくれました。
このチームは、もともと工務店?かな、その若い社長さんがリーダーで、
従業員がメンバーといった感じで、エネルギーが全開。

配られた、「軍手」をシンボルにして、多くのバンドが、
メイドインジャパンを掛け声に、演奏をされておりました。

ブラザートムが進行役を務められていて、やや年齢層が上の観客と
うまくシンクロしていたように思えます。
ええ、非常に楽しかったです。

最後にメインのバンドのリーダー社長さんが、コメントを述べました。
このイベントの主旨に関して。
物づくり日本を再興させよう!メイドインジャパンを復興させよう!
簡単に言うとこんな感じですが、
その危機感は、結構深刻で、何しろ、20代が、どんなに広告を打っても
集まらない。
「職人」のほとんどが、30歳以上という現実。
これを切々と訴えていました。

「ガテン」という求人誌は、職人さん専用の媒体で、あのバブル当時、
ビーイングやらトラバーユなどの求人誌が、注目を集めた時期に発刊されました。
とび職など、1現場、1日日当2万円とか、建設ラッシュ時には、相当の
引き合いもありましたが、どのように、このジャンルのイメージをあげていくか、
そういうことに、随分「腐心」していた感じがありました。

現在では、壊滅的に、人が集まらない。
先日も書きましたが、車の修理、エンジニアも、この系統の職種ですが、
親子2代に渡って経営されているところが、多いのも事実です。

特に、20代の人間が、どう逆立ちしても集まらないというのは、
飲食、工場、建設、さらに技術が必要な職種全般にわたって、深刻です。
リーダー社長は、ニートと言われている方々にも、
「すでに親の代で貯めていた、日本の貯金は底をつき始めているんだ」
と、訴えます。
結構、納得できる話です。

「人間国宝」と呼ばれている方々の後継者も、まるでいない。
そういう時代に、そういう流れの中で、確かに、この国には、仕事は
全員に行き渡るくらい「ある」のか「ない」のか。

あるとすれば、ミスマッチが起こっているのか、企業の恣意的な選り好みなのか、
労働者の努力不足なのか、福祉国家の面目躍如なのか。
ないとすれば、国の産業振興政策が間違っているのか、やたらと多い、
役所の公益法人が何を見ているのか、マスコミはある特定の業界を、
偏向的に報道しすぎていないか、ある特定の業界のイメージをダウンさせていないか、
そもそも、この国の人間は、のんびりとしすぎてはいないか。

もの凄く難しい話しだと思う。
規制緩和が良いことなのか、それともある程度の護送船団が平和なのか、
どうバランスをとっていったらいいのか、自由経済は、どんな「哲学」なのか、
僕も多くは知らない、まだまだ、学んでいる途中なんである。