「なぜ「話」は通じないのか―コミュニケーションの不自由論」 仲正昌樹著
晶文社刊
最近、会社法関係、債権審査、調査、保全に関する本を読んでいたので、
特に、この場で紹介することはいたしませんでした。
そんな中で、半年以上も前に購入していた本ですが、ようやく読むことができました。
これは、意外にも、お奨めでした。
哲学・思想を総動員した、コミュニケーション論、を想定していたんですが、
中身は、仲正ワールド。哲学・思想の「エッセイ」です。
考えてみれば、哲学にしろ、思想論にしろ、人間が構成する「社会」というもの、
それをどういう風に、理解するか。
もっと言えば、個々の人間の生き方から、複数の人間関係に生じる様々な
利害関係、その大枠としてのコミュニティーから社会に至るまで、
どういう「理解」ができるのか、ということなんですよね?
当然、起こったことに対して、これから起こることへに関して、
利害がそこにあるから故に、コミュニケーションが生じるわけで、
この本は、それこそ、古から、最新の「論」を、様々にちりばめながら、
かといって、「高尚」ではなく、身近な、「低俗?」な出来事を通して、
本当に、本当にわかりやすく、書いてくださっております。
もう、弁証法ってこういうことなんだ、とか、ポストモダンってこういうことなんだ、
とか、構造主義って、そういうことなんだとか、
それこそ、事例が、身近な事なんで、想像以上に、理解が進みます。
あれですよね、いい加減な「使い方」をしている人たち、自分を含めて、
良くわかった風にして、意味を正確に相互で理解もせずに、論争をし合うと、
こじれますよね。
喧嘩になりますよね。
誹謗中傷合戦になりますよね。
人格攻撃になりますよね。
その当事者になってしまった仲正さん。
もう、全編を通して、論理的に、解説をしていかれます。
実名入りです。
右翼、左翼といった、なんだか不毛になっている論争も、2項対立といった
観点を通して、もう、なるほどなぁ、と理解できます。
意外に、我々って、当事者になってしまうと、冷静になれない。
人の話を聴く、言葉の意味を正確に知っている、さらに、相手が使っている
言葉の意味を、相互で確認しあう。
そういう作業を通して、初めて、建設的で、実効的な会話が成立する。
なんとも身も蓋も無いことなんですが、
現在、こういうことが、ちゃんとできなくなっている。
話が通じないのは「当たり前」である。
頭の問題ではなく、そもそも、謙虚な誠実な心構えからして、
すでに崩壊している。
みたいな、言葉がかみ合ってないことに、いい加減気づけよ!
という、楽しい、罵詈雑言も、ちりばめられていて、一気に読めます。
学生にも、研究一筋で、一家言ある方にとっても、必読でしょうか?
様々な局面でのコミュニケーションに関して、
こんな言い方は、失礼でしょうが、
まったくもって、最良の事例集。そして解説書です。
僕は、とても参考になりました。
晶文社刊
最近、会社法関係、債権審査、調査、保全に関する本を読んでいたので、
特に、この場で紹介することはいたしませんでした。
そんな中で、半年以上も前に購入していた本ですが、ようやく読むことができました。
これは、意外にも、お奨めでした。
哲学・思想を総動員した、コミュニケーション論、を想定していたんですが、
中身は、仲正ワールド。哲学・思想の「エッセイ」です。
考えてみれば、哲学にしろ、思想論にしろ、人間が構成する「社会」というもの、
それをどういう風に、理解するか。
もっと言えば、個々の人間の生き方から、複数の人間関係に生じる様々な
利害関係、その大枠としてのコミュニティーから社会に至るまで、
どういう「理解」ができるのか、ということなんですよね?
当然、起こったことに対して、これから起こることへに関して、
利害がそこにあるから故に、コミュニケーションが生じるわけで、
この本は、それこそ、古から、最新の「論」を、様々にちりばめながら、
かといって、「高尚」ではなく、身近な、「低俗?」な出来事を通して、
本当に、本当にわかりやすく、書いてくださっております。
もう、弁証法ってこういうことなんだ、とか、ポストモダンってこういうことなんだ、
とか、構造主義って、そういうことなんだとか、
それこそ、事例が、身近な事なんで、想像以上に、理解が進みます。
あれですよね、いい加減な「使い方」をしている人たち、自分を含めて、
良くわかった風にして、意味を正確に相互で理解もせずに、論争をし合うと、
こじれますよね。
喧嘩になりますよね。
誹謗中傷合戦になりますよね。
人格攻撃になりますよね。
その当事者になってしまった仲正さん。
もう、全編を通して、論理的に、解説をしていかれます。
実名入りです。
右翼、左翼といった、なんだか不毛になっている論争も、2項対立といった
観点を通して、もう、なるほどなぁ、と理解できます。
意外に、我々って、当事者になってしまうと、冷静になれない。
人の話を聴く、言葉の意味を正確に知っている、さらに、相手が使っている
言葉の意味を、相互で確認しあう。
そういう作業を通して、初めて、建設的で、実効的な会話が成立する。
なんとも身も蓋も無いことなんですが、
現在、こういうことが、ちゃんとできなくなっている。
話が通じないのは「当たり前」である。
頭の問題ではなく、そもそも、謙虚な誠実な心構えからして、
すでに崩壊している。
みたいな、言葉がかみ合ってないことに、いい加減気づけよ!
という、楽しい、罵詈雑言も、ちりばめられていて、一気に読めます。
学生にも、研究一筋で、一家言ある方にとっても、必読でしょうか?
様々な局面でのコミュニケーションに関して、
こんな言い方は、失礼でしょうが、
まったくもって、最良の事例集。そして解説書です。
僕は、とても参考になりました。