若いころ(30歳くらい)の苦い思い出・・
当時、私は某家電メーカーの系列会社(兄弟会社)
で働いていました。
電化製品を保管する大きな倉庫に配属になった時期がありました。
この倉庫の責任者は・・
T所長というお方でした。
T所長・・当時50歳位のお方で、
100人以上の従業員を陣頭指揮する
現場主義の管理者でした。
T所長、いつも怒っている事がありました。
広い倉庫な中には時々、
小さな紙屑、不要なラベル・・
梱包用のビニールの破片などが落ちています。
多くの従業員は知らぬ顔で通り過ぎます。
所長は腹に据えかねて、
朝礼などで声を荒げて言いました。
ゴミが落ちていたら拾え!!!
当たり前のことじゃないか!!!
どうして見ぬ振りして素通りすんだ!!!
それでも一向に改善しません・・・
言われたその日は守りますが、
次の日になれば元通り、
過半数の従業員は、
ゴミが落ちていても見て見ぬ振り・・
私は考えました・・・
どうして、ごみを拾わないのか???
答えは明白でした・・
ゴミ箱がないから
野球グラウンドくらいの大きな面積の
倉庫の中に、
ゴミを捨てる場所は4か所くらいしかない。
もし、拾っても、近くにゴミ箱がないから、
ごみ箱があるところまで遠回りして
持って行かなければならない。
それが面倒だったり、
忙しくて余裕がなかったりしたら、
拾ったゴミをポケットに入れるしかない。
ゴミ箱の近くに行くまでは
持ち歩くしかない。
誰もが気づいたら直ぐにゴミを拾うは方法は???
簡単なお話です。
ゴミ箱を増やせばよい
たぶん・・・
誰しもが私と同じことを思っていたと思う。
ただ、、、サラリーマンや組織には暗黙の
ルールがある。
正論を大きな声で言うと災いの元になる・・
誰も所長に意見する人はいなかった・・・
当時、私は若かった・・・
「自分が所長に言うしかない!!」
会議の席で発言した・・・
「ゴミを拾っても、ごみ箱が少ないので、捨てるのが大変だから拾わない」
「ゴミ箱の数を5倍に増やせば・・それだけで解決するはずです」
T所長な顔が歪んだ・・
言ってはいけないことを言ってしまったような気配を感じた。
「何を言っているんだ!! ゴミが落ちていたら拾う、
当たり前のことじゃないか!!」
血気盛んな私は反論した・・・
「大多数の人間が、
何度注意されてもゴミをを拾わない・・
どうしてそうなるのか?
その原因を分析することが第一ではないですか??」
T所長・・・さらに怖い顔付きで言った・・
「そういう問題ではないだろう・・・
心掛けの問題だ!!」
T所長には、
私の言っていることの意味がまるで理解できないようだった。
若しくは・・
理解する必要はない・・・
と思っていたのかも知れない。
もう、これ以上言っても無駄だと思い、
「はい、わかりました」
と言って引き下がった・・・
私は腹の中で思った・・
「そんな精神論が日本の発展を阻害しているのだ!!」
「だから、日本は戦争に負けたのだ・・」
当時、血気盛な私としては、
その日は、腹が立って夜も眠れなかった・・・
同時に学習した・・
「正論は小声で言うべし・・大きな声で言うべからず」