5年以上前の話です・・
ある日、
当時、仕事上の知人だったW子さんから、ランチの誘いを受けました・・
W子さんは、直前になって、
友達を連れて行っても構わないか?
と聞いてきた、
「はい、歓迎します」と答えた。
何のために友達を連れてくるのか???
不思議に思ったが・・
あれこれ聞くのも野暮と思えて、
あえて聞かなった。
その日がやっ来た・・・
W子さんの友達とは・・
Y子さんという女性だった
歳は42歳、独身、老人介護施設で福祉関係の仕事をしている方だった。
小柄で可愛らしく、愛想が良い女性だった。
「こんにちは」
Y子さんと挨拶を交わした瞬間、Ý子さんがどんな人なのかが、分かった。
真面目
純粋・清廉
心が優しく親切
よく働く
人の嫌がる仕事も嫌な顔をせず
素直に引き受けるタイプ。
困っている人を見るとほっておけない性質。
人から何か頼まれれると、嫌とは言えなない性質。
人情深く、義理堅い。
マイナス思考の言葉や、人の悪口を吐かない。
経済的に、あまり裕福ではない。
貯金がない。
なるほど・・・・
そうだったのか・・
もう、この時点で、
面識のないY子さんがどうして、
私の前に現れたのかが分かった・・
3人は雑談を交わしながら、楽しく食事をした。
食事が終わると・・・・
Y子さんがさりげなく、
今、自分が熱中していることを語りだした・・
未来の為の確実な投資
多くの会員を持つ、
X会という会らしい・・
毎月3千円の会費
病気やケガ、万が一のとき、
見舞金や援助が受けられる。
その他、困ったことがあれば何らかの支援が受けられる。
保険ではないが、なんとなく保険に似たシステム。
要は、マルチ商法みたいな
連鎖商法の話。
彼女の目的は、
会員の勧誘だった・・・
私は、「素朴な質問」をするような語り口で、
さりげなく矛盾点を突いてみた。
理論的な回答は帰ってこない・・
肝心な質問には答えず、
笑顔を浮かべ、
美談を語ることによって
話をすり替える。
(宗教屋さんと同じ手法)
助け合い・・
感謝・・・
親切・・・
共存共栄・・・
夢と、美談と人情話の連発・・
具体的な数字や、データーは一切口にしない。
そういう質問をさせないような雰囲気に持ち込む。
(たぶん、会の先輩の話術を見て
無意識のうちに会得した防衛手段、善意が前提であり、積極的な悪意はない)
私が
この会のシステムを理論的に説明するなら・・
2割の人間(幹部)が、
全体の収益のなかから、8割の利益を独占する。
会員の3割が
全体の収益の2割のお金を分け合う。
会員の5割の人間が損失を被る、
2割の人間(幹部)を除く、
8割の人に共通することは、
最終的に「信用と友達を失う」
彼女は、人を騙そうという意図はまるでない。
自己本位の貪欲でもない。
「世のため、、人のために貢献したい」
という立派な気持ちを持っている。
そして、
彼女は、X会のことを信じ切っている。
よく働くが、銭勘定が苦手・・
Ý子さん・・まさに・・・
マルチ商法や、新興宗教にハマりやすい人間の典型。
「悪意のない罪」・・
人に与える被害は大きい。
心優しく、清廉潔白な人間ほど、
騙され、利用されやすい。
彼女は、大真面目に、
「世のため、人のため、それがやがて自分の利益にも繋がる」
と・・・・純粋な気持ちで信じている。
それを具現化するのがX会・・と信じている。
真面目
純粋・清廉
心が優しく親切・・・・
彼女の「人格」と、
彼女の「信用」は、
別問題。
彼女は「悪い人」ではない、
常に、善意の人である・・・
しかしながら・・
「世間知らず」
「妄信的な楽観主義」
「善意は必ず自分に帰って来ると信じている」
「自分が純粋であるがゆえに、他者に対して、
警戒する術を知らない」
私が思うに・・・・
何よりも大切なのは、
「信用」
私は、彼女の純粋で優しい気質、
真面目な性格に対しては好感を持つが、
「信用」は持てない。
彼女と会ったのは、その時が最初で最後だった・・・