2022･4･9

新宿から小田急線と京王線が出ているのと同じように、蒲田駅からも東急池上線と東急多摩川線が出ている。池上線の終点は五反田駅、多摩川線は昔は目蒲線と言ったように終点は目黒だった。今日は蒲田を起点に池上線の次の駅、蓮沼と多摩川線の次の駅、矢口渡をまわる小さな旅をしてみる。二つの駅とも見知らぬ町ではない。何十年も昔、ちょうどその二つの駅の中間に住んでいた俺は、どちらの町にも馴染みがある。でも、その頃街の真ん中を流れていたどぶ川は国道に変わっていたし、蒲田の歓楽街で働いていた同居人が深夜に歩いて帰ってきた暗い物騒な道は明るい商店街に変わっていた。この二つの町ばかりじゃない。蒲田駅から別の私鉄である京急線沿いに歩いてみれば、再婚を決めた時に彼女の実家のある梅屋敷に挨拶に出向いたことがあるし、その人は別の男と結婚していまもその町にいる筈だ。更にもう少し先の馬込にも俺は住んだことがある。こうしてみると蒲田は俺にとってまさに「蒲田行進曲」だ。出来たら一日中蒲田にいてみたいと思ったりもする。暮れていく町の中にどっぷり浸かってビールを飲んでいたいとも思ったりする。でも、男シンデレラは母との老老ディナーの支度があるので4時までには自宅着。メニューは昨日買った明太子と紫蘇を使った和風うどんにもずくと茗荷のお吸い物。因みに老老ブレックファーストは鰺の干物WITHカイワレ、納豆、海苔、なすの糠漬け、かぶの味噌汁だった。6時過ぎ乃木坂時代のスタッフだったHkが広尾にある山種美術館でやっていた上村松園・松篁展を見た帰りに寄ってくれる。体調を崩しているみたいで、あんなにお酒好きの彼女が薄いカシスソーダしかのめない。彼女と最初に出会ってもう15年か?色々あったような、何もなかったような15年だ。健康であればそんな15年がこれからも続くけど、俺はその時90歳。好色エロ爺になってHKにセクハラ出来たらどんなに幸せだろう。そういえば次回公演「音楽劇ロバくんとポニーちゃん」の初演の時のプロデューサーはHKだった。時は流れる★テアトロジャージャン次回公演 再演シリーズ2「音楽劇 ロバくんとポニーちゃん」作演出・桃井章 音楽・荒木真樹彦  出演・棟里佳＋荒木真樹彦  2022年7月5日～10日