新しい仕事場にひかり電話をひくことになって、10日には工事が行われて、もうとっくに開通している筈なのに、未だに電話が使えない。先日来た工事の人に聞いたら、このビルにはひかりのケーブルが届いているのに、仕事場には何故かトイレの一隅につながっていて、パソコンなどを使うスペースまでひっぱって来るには天井を通したりする工事が必要とのことで、今日になったのだけど、午後一番に始まった工事が夕方七時までかかってしまったのは、どんな問題があったのかいくら説明されても理由がよく分からない。母とは工事が始まる前に仕事場で新しく買った炊飯器でご飯を初めて炊いてタラコ、玉子焼き、かいわれと新タマネギのサラダ、まいたけの味噌汁で食べる。夕飯は工事が終わった後に、母の部屋で昨日一番下の弟がお土産に持ってきた穴子ご飯が半分冷蔵庫に残っていたので、温めてから穴子と昼の残りの玉子焼きを細かく刻み、ワサビと刻みネギをたっぷり加えた櫃まぶし風ご飯にリフォーム。そして今日もまたじゃがいもとハムと白菜と昼間の残りのまいたけでカレー風味のスープ。残飯整理にしてはかなり美味で充実。持ち帰る荷物が多かったのでタクシーで帰って、ちょうど始まった「相棒」の最終回スペシャルを見る。数シリーズ前に殉職した小野寺官房長(岸辺一徳)絡みの話だと聞いていたので期待して見たけど、先週の作品に比べると月とスッポンの差と云うのは言い過ぎだろうか?勿論今週がスッポンで先週が月。サブタイトルは忘れたけど、「月」はストーリー的にもテーマ的にも演出的にもシリーズ物の刑事ドラマの一篇とは思えない程の質を持っていた。そんなことをちょうど録画で「月」を見た直後に感激して電話してきたSちゃんと盛り上がる。「スッポン」はまだ見てないらしく、これから見ると云うので、今夜は「月」だけにしておいたら?とアドバイス。普通なら「スッポン」は美味しいかも知れないけど、「月」を見た後ではいただけない。
認知症予防にカレーパウダーが効果的と云う週刊誌の記事を読んでから母との老老ランチにカレー料理が多くなった。ニ三日前にもカレーライスだったのに今日もメインはコリアンダー味の豆腐をステーキ。これじゃいかにも母のことを心配しているみたいに見えるけど、実は心配しているのは自分の認知症度だったりして、というかこの調子じゃ母より先に惚けてしまいそうで、かなり怖くなっているのだ。帰りは目黒まで20分歩いてJR。五反田駅のブックファーストで「サバイバル宗教論」(佐藤優)を買う。このタフな作家は月一度ペースで新作を出す。そして俺も月に一度彼の新作を買ってしまうタフな読者だ。帰りは遠回りして大崎まで目黒川沿いの道を歩く。ここは春になるとサクラが満開になって、夜なんか一昔前は悪臭を放つどぶ川だった川面が幽玄の世界に変わってしまう。でも、そんな日本的情緒に浸りながらも俺の頭の中は目黒川の先にあるリスボンのテージョ川に向かっていく。