この花の名前は何でしょうか?
前回の記事を憶えていらっしゃいますか?
そうでした、イタドリの花を紹介したのでした。
こちらも同じくイタドリだろうと仰るあなた、見る目がありますね。
イタドリではありませんけどね。
実はですね、今回の花を紹介したいがばかりに、直前記事にイタドリを持ってきたとのミエミエの経緯があります。
でも然り、見れば見るほどイタドリによく似た花ですよね。
イタドリが雌雄異株であるのに対し、こちらは雌雄同株異花(同じ株に雌雄それぞれの花が咲く)なのが、違うところかな。
なるほど花はそっくりですが、姿は大きく違います。
ご覧の通りです。
こちらは蔓性の植物なんです。
驚きがありますでしょう?
蔓性でイタドリに似た花を咲かせる植物か・・・
ならばです、ならば自ずとこの植物の名前が推測できますよね?
「蔓性」で「イタドリ」に似た花・・・
「ツルイタドリ」 これしか無いでしょう!
正解なのかどうかは、しばしのお時間を。
この花をgoro’s 花 Diaryで紹介するのは勿論初めてですが、おじさんはこの2年の間に数回見かけたことがあります。
40数年振りにセンニンソウに出会ったあと、1ヶ月ほど経ってからでしたかね。
新宿御苑の裏道を通っていたら、白い塊りが樹上高くにありました。
花時期から判断するとセンニンソウの花はすでに終わっているし、ああ、そうか髯が暴れているのかなと思って見上げましたが、どうも様子が違うようなのです。
カメラを向けてみましたが、悲しいかなマイデジカメでは姿を詳細に捉えることは出来ませんでしたのでね、?マーク満載ではありましたが諦めました。
これが最初の出会いです。
昨年も2度ほど見かけました。
一昨年以上遠目からしか見ることが出来なかったので、はっきりした姿を捉えることは無理でした。
オニドコロの雄花かとの思いがよぎったこともあります。
センニンソウ以上に花時期が違い、蔓性とはいえオニドコロは4~5mも蔓を上に伸ばすことが出来るのかとの思いもありました。
そこまでのものを、見たことがなかったものでね。
秋になってからです、つい最近のことですが、花検索していてこの植物らしきものをネット上で見つけました。
くすぶっていた思いが、ストンと腹に納まりました。
そんなことがありましたので、是非ともこちらとの出会いを果たしたいと願っておりましたところ、ひょんなことで実物と至近距離で出会うチャンスが巡ってきたというのが、この植物とおじさんとの3年にわたる物語です。
紹介しますね。
名前には特にご注目くださいね。
【ツルドクダミ・蔓毒溜】タデ科ツルドクダミ属
ねえ、びっくりでしょう?
まさか「ツル」のあとに「イタドリ」ではなく「ドクダミ」がくっ付いているとはです。
「ツルドクダミ・蔓毒溜」の名前は、葉っぱがドクダミに似ているところから命名されたんだそうですよ。
確かにね、似てはいなくもないけど、この手の形をした葉の植物は、他にもたくさんあるよね。
ドクダミの葉っぱを確認してみてください。→「’08のドクダミたち」
「ツルドクダミ」はタデ科ですのでイタドリと同じです。
ドクダミ科のドクダミとは名前以外は何の縁もありません。
なお、今回は属名を「ツルドクダミ属」としておりますが、
「タデ属」「ソバカズラ属」「ミチヤナギ属」などと記されていることもあります。
「ツルドクダミ・蔓毒溜」は中国原産の蔓性の落葉多年草です。
日本には享保5年(1720)、八代将軍吉宗の時代に薬用植物として導入されました。
大きな根茎は精力旺盛な強壮剤としての効果が期待され、長生きの不老長寿の薬草として全国の大名がこぞって栽培したと言われています。
それがいつしか野に逸脱して日本の風土に適合し、野性化したものが各地に自生するようになっています。
もともとが栽培種ですのでね、自生しているのは市街地周辺など、人間の生活場所周辺がほとんだそうです。
東京でツルドクダミが見られる場所は、元大名屋敷があった近辺が多いとの記述には、思わずニンマリしてしまいますね。
権力に近い人間ほど不老長寿を願う傾向があるのは、古今東西、耳に目にする話です。
北の独裁者とか、宗教系のあのかたとか、きっと望んでいることでしょうね、不老長寿を。
目の前の生活に汲々としている庶民は、いかにして周りの人間に迷惑をかけないようにして死ぬかを考えることはあっても、不老長寿など思いも及ばなかったでしょうね。
そういえば永遠の生命を与えられた少年たち、エドガーとアランは21世紀をどこで過ごしているんでしょうか。
四季折々、赤い薔薇の咲き乱れる楽園で愛に満ちた幸せな生活を送っていると、そう信じていますよ。
初めての花に出会った直後に続けての出会いがあることは過去に何度も経験していることですが、今回もまさにその法則が当てはまりました。
あきれるような光景を見つけましたのでね、ご覧になってください。