goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

銀の香りの物語

2008年10月20日 | 08 花たち



【ギンモクセイ・銀木犀】モクセイ科モクセイ属

バンザ~~イ!
ようやっと見つけましたよ、ギンモクセイを!
出会いましたよ、ギンモクセイの花に!


探し続けておりました、この3年間。
恋焦がれ会いたい一心で、恋愛中毒患者のように街を彷徨ったことも数知れず。

どれだけおじさんがギンモクセイに出会いたいと思い続けていたかは、goro’s 花 Diaryの読者のかたなら、ご理解いただいてますよね?
つい最近もgoro’sで、今年も出会えないで終わっちゃうんだろうと、愚痴話を聞いていただいたところでした。

先週末の土曜日、やっと願いが叶いました。
40年振りの再会を果たし、ひとしきり感慨に耽った次第です。


「金モクセイ」があるなら、「銀モクセイ」もあるのですかとの質問を時折受けることがあります。
ありますよ、「銀モクセイ」は、残念ながら「銅モクセイ」はありませんけどねと、顰蹙物の一言を付け加えて、乾いた笑いで場を白けさせたことも何度かありました。

おじさんはキンモクセイとギンモクセイには、高校1年のとき同時に出会いましたのでね、「銀」があるのかとは一度も考えたことがありません。
せめてもう少しだけギンモクセイが身近な植物になれば、上記のような疑問を持つかたは少なくなるんじゃないかと、白花好きのおじさんは思う訳ですよ。

ひとつの花は、キンモクセイよりも一回り大きいように思われます。

ギンモクセイは中国原産の常緑小高木で、他のモクセイ科のお仲間同様、雌雄異株です。
キンモクセイのときにも触れてきましたが、日本には雄株しか導入されなかったため、実を付けることはありません。

キンモクセイは、姿が見えなくとも香りで存在を教えてくれるほど強い香りを放ちますが、ギンモクセイはそこまでではありません。
近づいて嗅ぐと甘い香りがするなという程度の、控えめさがあります。

日本では圧倒的な数のキンモクセイが植えられていますので、モクセイと言ったらキンモクセイを思い浮かべるかたが多いでしょうが、本来は単に「モクセイ」と言えば「ギンモクセイ」を指します。
モクセイの原種は「ギンモクセイ」で、「キンモクセイ」はギンモクセイの変異した姿なんだそうです。
「ウスギモクセイ」もギンモクセイの変種です。
「金」「銀」と並べると、どうしても銀は金に準ずるものと思いがちですが、本家は「ギンモクセイ」のほうなんですよね。

「ギンモクセイ・銀木犀」の名前は「白い花の咲く木犀」という意味ですが、漢名の「銀桂」には「旧暦8月(10月初旬)に咲く白い花」の意があります。
旧暦8月のことを中国では「桂月」というんだそうです。

これでマイ花マップ「ギンモクセイ・銀木犀」の項目は完璧です。
余程のことがない限り、このギンモクセイが切り倒されることはないでしょう。
そう言いきれる場所で、おじさんはギンモクセイと出会いました。

「篤姫」人気で観光客が押し寄せてきている皇居東御苑に、こちらのギンモクセイは存在しています。