「ホタル~飲もう! 私が美味しいおつまみ作るから! どうせあんたの旦那は帰ってくるの遅いんでしょ! 後でフタちゃんも来るからね」
「はーい」
「おかわり!」
「姐さん、ピッチが早いです~」
「うんうん」
「機嫌悪そうですが、なんかあったんですか?」
「今日の入札・・・」
「私、今日は直帰だったんですけど・・・駄目だったんですか?」
「そうよ! 負けたのよ! あんたの旦那・高野部長にね! たく~いきなり最終入札に来るなんて、ずるい! 部長がくるんならもう一捻りすればよかったわ!」
「ずるいって言うのは違うだろ(^^;」
「わかってますよ! 私の力不足ですよ! フン」
「まあまあおひとつどうぞ」
「たくね~干物女とはいえ、見た目はこんなに若くて可愛い奥さんがいるのに、仕事大好きの仕事人間なんだから! 蛍は不満はないの?」
「社長さんが入院したからしばらくは忙しいって聞いてますから」
「ならいいけどね」
*
「まあ確かに高野は仕事大好き人間だな、前の離婚の原因もやっぱそこにあると思うし」
「あの二人に限ってそんなことはないと思うけど」
「うん、ないない」
「そうそう今の蛍の担当してるクライアント、蛍の元カレなのよ」
「へぇ~」
「別になんかあるって訳じゃないけどね」
「高野に話そうかな~」
「えっ?」
「ちょっと脅かしておこうか、あんまり蛍ちゃんをほったらかしにしないようにさ」
「そうそうそれがいいわ(るん) あっ別に入札のこと根に持っている訳じゃないわよ」
「うん、わかってる(^^;」
*
「では壁紙の変更確かに承りました」
「わざわざ来てもらって悪かったね」
「いえ、お忙しいんでしょう?」
「うん・・・」
「キャッ 先輩!」
どっどうしよう・・・先輩にソファに押し倒されてしまった。何故? 落ち着け蛍!
グ~グ~グ~
なんだ、寝てるのか・・・ きっと疲れてて眩暈がしたんだろうな。
こんなことぶちょおには話せないな、そもそもクライアントが元カレで初めての人なんて(^^;
なんでもなくてもやっぱ話せないことってあるよね。
「あれっ?蛍ちゃん・・・俺いつの間に寝ちゃったんだろ?」
「きっと疲れているんですよ」
「うん・・・それもあるけど、実は奥さんに家出ていかれちゃって、ちょっと・・・いや大分参ってる」
「そうだったんですか・・・」
「俺実はバツ1でさ、再婚なんだ。一度目の結婚で学習して、2度目は絶対にそんなことにはならないって思っていたのにな。俺は結婚には向いてないのかな・・・ホント駄目な男だよ」
「先輩は駄目な男なんかじゃないですよ。実は私の主人もバツ1なんです」
「えっ?!」
「でもとても素敵な旦那様です。ちょっと不満があるとすれば、しいていえば仕事大好きなところかな(笑)」
「そっか・・・。 まだ間に合うかな」
「間に合いますよ。素直な気持ちで奥さんと向き合って沢山話せば大丈夫ですよ。想いは言葉にしなければ伝わりません・・・て主人が言った言葉なんですが(笑)」
「ありがとう蛍ちゃん。俺行くわ、ちゃんと話して土下座してでも戻ってもらう。」
「先輩、ファイトです!」
あの先輩が土下座してでもか~どんな奥さんなのかな、 上手くいくといいね。きっと上手くいくね。
あっ・・・あれはぶちょおと、ぶちょおの元妻の深雪さん。。。
あっタクシー拾った。タクシー乗ったのは深雪さんだけか、よかった~一緒に乗ったら立ち直れないもん。
そもそも偶然バッタリ会っただけかも知れないし、元夫婦なんだから会わなきゃいけないよんどころじゃない事情があるのかも知れないし。
はて? 元夫婦だからって会わなきゃいけないよんどころじゃない事情なんてあるのか? うん、偶然バッタリ会ったんだ、そうに違いない。
私だってクライアントが元カレなんてたまたまの偶然だった訳で。
きっとぶちょおはこのこと話さないだろうな、私だって話せないもん。何でも話そうと思っても、話せないってことあるよね。
*
「たらいま~」 なんだよっ ご機嫌な声で(フン)
「飲んでるんですか?」
「ああ、ちょっと二ッ木と飲んできた」
「そうですか」
「なあホタル、俺たちも子供作ろうか?」
「はあ?」
「ホタルちゃ~ん
」
「嫌っ!」
「えっ?」
「そんな酔っ払いと・・・」
「ああそうだな、ごめん・・・」
一気に酔いが醒めたような顔してたな~ぶちょお。だってなんかやなんだもん・・・なにもなくても会ってたのは嫌。。。
そもそも、俺たちって? たちってなんなのよ!?
それに・・・それに見られたくないの! 昨日うっかり窓開けたまま寝てたら蚊に沢山刺されてお腹が跡だらけなんだもん。
白くてすべすべのお腹は私的に一番のチャームポイントなんだから、こんなお腹見られたら100年の恋も覚めるっての。
ぶちょおはそんな小さい人間じゃないけどね(^^;
「最近仕事どう?」
「まあぼちぼちです・・・今日も遅いんですか?」
「そんなに遅くはならないけど・・・あのさ・・・」
「今日早出なんです」
「そっ ホタルも忙しいの?」
「ぶちょおほどではないです」
なんかギクシャクしてるな~よしっ!
「あの・・・今日は真っ直ぐ帰ってきてね」← 精一杯可愛く言ってみる(^^;
「うん、帰ってくる! 帰ってくる」
が・・・今日も真っ直ぐ帰ってこれなかったぶちょおなのでした
部長なんて・・・部長なんて引き受けるんじゃなかった
*
「ただいま・・・ん?どうしたんだ? 旅行バックなんか出して」
「私、実家に帰りますんで」
「行くな・・・」
「へっ?」
「ホタル・・・行かないでくれ! 俺が悪かった! お願いだから何処にも行かないでくれ!」
「ぶっ・・・ぶちょお!
どうしたんですか!? 土下座までして私に隠れて浮気でもしてたんですか!?」
「それは君の方だろ?」
「はぁ~!?」
「ちがうの? じゃあその荷物は?」
「お祖母ちゃんが入院したっていうから様子みてこようと思ったんですが、実家に帰るのは明日の朝にします。」
「えっそうだったんだ、じゃあ早く行かなきゃ」
「そんなに悪い訳じゃないそうなんで明日にします。それに今はぶちょおとちゃんと話すことの方が大事だから」
「うん」
*
「二ッ木さんになんか吹き込まれました?」
「うん」
「やっぱりね(^^; でもだからといってぶちょおにしては余裕が無さ過ぎですよ。それに私のこと疑っていたなんてちょっと、ううん大分ショックです」
「ごめん、ホントごめん。君のいうとおりホント余裕が無さ過ぎだな(苦笑)実際二ッ木にそんなに吹き込まれた訳じゃないんだ。だけどこないだ凄く嫌な顔して拒まれたし、約束は守れなかったし、少し不安になっていたところに実家に帰りますって言われたもんだから、頭にカーッと血が登って気がついたら君に行かないでくれっ!て土下座してた(苦笑)」
「穴があったら入りたいですか?(笑)」
「いや、むしろ自分の気持ちがよくわかってスッキリした。 みっともなかったけどな・・・」
「いつも冷静でクールな高野部長がね~」
「イメージダウン?」
「私にだけ見せてくれる顔、可愛いーです~」
「可愛い?」
「ますます誠一さんのこと好きになりました~エヘッ」
「そっ(照) で、俺も聞きたいんだけど・・・」
「すみません、私は小さな人間で・・・」
「小さな人間?」
「あの日偶然見ちゃったんです。ぶちょおと元の奥さんの深雪さんが一緒にいるとこを。それでザワザワ~と胸にさざ波がたちました」
「深雪がエステサロンを開きたいってことでうちの会社に来てたんだ。担当は俺じゃなかったけど、あの日店をやれなくなったって断りにきてて、担当のものが出てて俺が対応したんだけどなんか具合が悪そうでそれでタクシーをひろった。子供ができたそうだ。おめでとうと言ったら笑顔でありがとうと言った。俺が見たことないくらい幸せそうな顔でね。心底良かったなと思うんだけど、なんていうか・・・」
「ゴロゴロしたくなりました?」
「うんそういう感じだ。その後二ッ木に呼び出されて、まあ驚かされたというか説教されたというか(苦笑)美しい友情ってやつだけどな」
「でも先輩が元カレとか初めての男だったとか言わなかったのに、相変わらず姐さんはカンが鋭いですね」
「はっはっ はじめての男なのか?
」
「えっ?聞いてませんでした?
」
「聞いてない・・・そんなことまで聞いてないもん」
「いやーこりゃウッカリとおけつを掘ってしまいました~」
「それをいうなら墓穴を掘るだろっ!」
「あっそうでやんした(笑)」
「笑い事じゃないよ・・・」
「ぶちょお? そんなにしょげなくても、昔のことですから」
「男心はデリケートにできてるの(拗ねるぶちょお)」
「あのね、私を女にしたのはぶちょおですよ。 実質私にとって初めての男はぶちょおです
」
「そう? じゃあそういうことで(機嫌回復)」
「よかったです~」
「けど・・・参ったな。 お互いのことが大好きで信じているのにさ、さざ波が立ってしまうのは人間の弱さかな」
「ですね、人は弱くて・・・だから人は愛し合うんでしょうね」
「出会った頃スーパー干物女だった君が、こんなこというようになるなんて、ちょっと感動したぞ」
「アホ宮も成長しました~(笑) さざ波ついでに言うと、ちょっと引っかかっていることがあって」
「なに?」
「その・・・深雪さんは私よりずっと長くぶちょおと一緒に暮らしていた訳でそこが・・・あっすみません」
「いいよ。それは変えられない事実だし、でも後何年かすれば君と暮らした時間のほうが長くなるんだよ」
「あっそーか、そうですね、そこに気が付かない私はやっぱりアホタルです~」
「でもさ、それで俺に触れられるのも嫌なくらいブルーな気持ちになったの?」
「女心はデリケートなんです」
「そっ(^^; じゃああのときのリベンジ
」
「駄目です! 駄目!」
「なんで?」
「だって・・・」
「言わないと無理やり襲っちゃおうぞー」
「キャッ」
「なんなんだ? この赤い跡は? まっまるで・・・」
「これは蚊に刺された跡です!」
「蚊?」
「窓開けて寝てたら沢山刺されてしまって、大分薄くなったけど、あのとき酷くて見られたくなかったんです」
「なあーんだ、そんなことか・・・て、窓開けて寝ちゃ駄目だろ!」
「すみませ~ん。 なんか胸がざわついた日々が続きましたが、只今ぶちょおへの愛が倍増してます」
「俺も改めて思うよ、君のことがこんなにも(土下座するほど)大切だってこと」
「私たちも子供作ります?」
「いや子供は授かりもんだから。 そうじゃなくて愛し合おう
」
「はい
」
*
「はぁ~」
「どうしたんだ? 溜息なんかついて」
「だって今日は8月31日ですよ、8月31日というと夏が終わっちゃうって気がして寂しくなるんです。大好きな夏が終わるのは切ないです」
「確かにな、でも君の場合それだけじゃないだろ? まだできていない山のような宿題を眼の前にして泣きそうになってた子供の頃を思い出すんじゃないのか?(笑)」
「見てきたようなこと言いますね~その通りですけど。 ぶちょおは余裕で宿題終わっていたんでしょうね」
「当たり前だ、宿題は7月中に済ませ自由研究の計画をたて、1学期の復習、自主学習、へちまと朝顔の観察日記に、ラジオ体操は皆勤賞で、学校のプールは誰よりも多くの出席のハンコを貰い・・・」
「はいはい」
「8月中頃には自由研究を完成させ、毎年市のコンクールに出したもんだ。そして31日は2学期に備えて予習をする」
可愛くない子供だな~
賢そうで生意気な男の子の顔が目に浮かぶわ・・・やっぱ可愛いかも(^^;
「私は毎年8月31日には泣くことになったけど、いいんです~楽しかったから。ぶちょおは夏休み楽しかったですか?」
「勿論だ。俺にとって楽しいというのは如何に充実したかであって」
「人それぞれの夏休みがありますよね(^^;」
「おっ韓国焼肉フェアか、今夜久々に焼肉でも行かないか?」
「あー私ちょっと今朝は胸がムカつくから焼肉はいいです」
「そういえばあんまり朝御飯食べてないな。なんか悪いもんでも食ったのか?」
「それはないと思うんですが」
「夏の疲れが出たのかも知れないな、具合が悪かったらメンドクシャがらずに病院にいくんだぞ」
「はーい」
*
えーと蛍は今日直帰だったわね。ん?蛍からメールがきてる。
「姐さん Helpです! M病院より蛍」
「どうしたの蛍! メールにHelpなんて書いてあるからビックリしたわよ。何処か悪いの? 深刻な病気? なら私じゃなくて旦那に言わなきゃ」
「病気じゃなくて・・・」
「ん?」
「三ヶ月だって言われました」
「えーーー! やったわね! おめでとう!蛍」
「すみません、なんか先越してしまって」
「そんなこと気にしないで。私はフタちゃんにもうちょっと待ってって言ってるしね。だったらなお私じゃなくて」
「なんかテンパッテしまって。落ち着こうと思ったら姐さんにメールしてました」
「そうね、二人でテンパルよりいいかも(笑)」
「でもメールはしましたから」
「あらっこういうことは直接言ったほうがいいのに」
「そっか、私って気がきかないですね(^^;」
*
「蛍ちゃんおめでとう~高野がどんな顔して帰ってくるのか見たくてきちゃったんだ」
「ごめんね~顔だけ見たら私たち直ぐに帰るから」
「高野のことだから山のように育児書抱えて帰ってくるんじゃないのか」
「あのクールな顔がどんな顔になるのか見物よね~ ガラガラ持ってたりしてね(笑)」
「花束とか抱えてたりな」
「もう~二人して面白がってるでしょ」
「遅いわね」
「抜けられない仕事でもあるんじゃ・・・」
「こんなときにそんなこと言ってたら俺は高野と絶好するぞ」
「なんか軽いもんでも作るわね」
「今朝から食欲なかったんですけど、これは美味しいです。」
「にゅーめんよ。喉越しよくて食べ易いでしょ。簡単に作れるし卵や野菜いれて栄養もばっちりよ」
「なるほど~」
「ただいま」
「あっ帰ってきた」
「あれっ手ぶら?」
「二人ともきてたのか」
「蛍ちゃんからのメール見たんだろ?」
「あああれか、随分季節外れだけど親戚の誰かが受験でもしたのか? あっ鈴虫(蛍の弟)くんが内定もらえたとか」
「ホタル! あなた一体どんなメールしたのよ」
「桜 咲く です」
「はぁ!?」
「だってお目出度いときに桜咲くって言うでしょ、昔からそういう電報あるじゃないですか」
「アハハ蛍ちゃんには参ったな~」
「天然というかトンチンカンというか(^^; でもこれでちゃんと自分の口から言えるから良かったわね。」
「怪我の功名ってやつだな、じゃあ俺たちお邪魔虫は帰るわ」
「じゃあね蛍、又明日」
「今日はありがとうございました」
「なんか全然話が見えてこないんだが・・・」
「えっと・・・縁側で話します。あっ汗かいたでしょ、先にお風呂どうぞ」
「うん」
*
「8月も終わりとなると少し涼しくなってきたな。まだまだビールは美味いけどな。ホタルも飲むだろっ(ビールをホタルに差し出すぶちょお)」
「私はいいです」
「そっ珍しいね。 そういえば話って?」
「えーと、キスしてから話そうかな」
「いいよ・・・そういえば前にもそんなことあったな」
「チュッ
あのね、ぶちょお・・・スーハー」
「なに深呼吸してるんだよ(笑)」
「私子供ができたんです」
「へぇ~ ・・・えっ? 今なんて言った!?」
「なんか具合悪くて仕事の帰りに病院行って、最初は内科に行ったんですけど、産婦人科で診察するように言われて、そしたら妊娠してますよ、おめでとうございますって言われて、今3ヶ月ですって」
「・・・・・・・・・」
「ぶちょおー! 大丈夫ですか!? ちゃんと息してます?」
「えっ あっ 大丈夫だ。 ビックリし過ぎてちょっと息するの忘れてたけどな」
「今の固まり具合は、私が縁側でぶちょおにプロポーズされたときの自分のようでしたよ(笑)」
「ありがとう・・・ホタル・・・ありがとう」
「ぶちょお? 泣いてるの?」
「妻に涙を見られるなんて男子一生の不覚といいたいところだが・・・だって嬉しいんだもん。嬉しくて嬉しくてたまらない」
「私ぶちょおの涙初めてみました。とても綺麗な涙で感激で・・・わっ私も眼から大量の汗が止まりませ~ん」
「あっあんまり興奮するとよくないんじゃないのか、落ち着こう」
「いいんですよ、これは幸せの涙なんですから」
「そっか。 俺も40過ぎて父親になるか(感慨無量)」
「この子が20歳になったらぶちょおは還暦(こら)・・・を過ぎてますね
」
「かっ還暦・・・
」
「大丈夫ですよ~ぶちょおなら20年経ってもきっと若々しい素敵なパパですよ(笑)」
「元気で頑張らないとな」
「私も干物女返上で頑張ります」
「俺も君も初めてのことでわからないことだらけだけど、出産て病気じゃないし、皆普通に生活したり仕事しながら子供生む訳で。だけど無理は禁物、頑張り過ぎるのもよくないと思うよ。気持ちは大らかにゆったりと」
「気持ちは大らかにゆったりと・・・さすがぶちょお、いいこと言いますね」
「そして何よりも子供のことを優先に考えよう」
「はいっ 光! 新米パパとママだけどよろしくね」
「光?」
「お腹の中の子に話し掛けるのに名前つけたんです。光なら男の子でも女の子でもいけるし」
「なるほど」
「それに・・・今は蛍の光くらいに小さな光だけど、皆の優しい光に見守られながら大きな光になって生まれてきて欲しいなって思うんです」
「うん」
「生まれてから又他の名前考えればいいしね」
「高野 光」
「え?」
「いい名前じゃないか、決めたっ! 君は今日から高野光だ(ホタルのお腹に手を置いて)」
「もうちょっと考えてあげたほうが(^^;」
「お母さんの愛情のこもったいい名前じゃないか。」
「ありがとうぶちょお・・・じゃなくて誠一さん、そしてお父さん
」
「お父さんてなんだかくすぐったいな(照)」
「パパの方がいいですか?」
「僕は恥ずかしいよっ・・・て言いたいところだが、ちょっと考えさせてくれ(^^;」
「はい(微笑) 今迄8月31日って好きじゃなかったけど、いい日になりました」
「うん、 あっだから今日はビール飲まないって言ったのか」
「授乳のこと考えると最低でも2年はビール断ちです」
「そんなに我慢できるの?」
「はい、子供が出来たって聞いてから急に身体がビールを欲しなくなりました」
「へぇ~凄いな、もうお母さんなんだ」
「ぶちょお、さっき私に有難うって言ったけど、私の方こそありがとうです。誠一さんが旦那様だから私は母になれるんです」
「俺も俺の妻がホタルだから俺は父親になれるんだよ。それ以外は考えられない」
「やっぱ私たちってビバベストカップルですね~(笑) あっ庭の向こうで光ってるの蛍
ですよね」
「ああ小さいけど綺麗な光だ。 特に今日は特別に綺麗に光って見える。 ホタルと光 俺は二人にありったけの愛情を注ぐよ(微笑)」
ねえ 光 いつか君に話すときがくるのかな?
お母さんとお父さんの・・・
ホタルとぶちょおの 縁側の恋の物語を。。。 end
私なりに思いを込めて書いたホタル2最終章「ホタルの光」楽しんで頂けたなら幸いです。
感想コメント(拍手コメント)等頂けるととても嬉しいです。そのときにぶちょおは、お父さん、パパ、父上、お父様etcとどう呼ばれるのがいいか書き添えて頂けたら尚嬉しいです。
「はーい」
「おかわり!」
「姐さん、ピッチが早いです~」
「うんうん」
「機嫌悪そうですが、なんかあったんですか?」
「今日の入札・・・」
「私、今日は直帰だったんですけど・・・駄目だったんですか?」
「そうよ! 負けたのよ! あんたの旦那・高野部長にね! たく~いきなり最終入札に来るなんて、ずるい! 部長がくるんならもう一捻りすればよかったわ!」
「ずるいって言うのは違うだろ(^^;」
「わかってますよ! 私の力不足ですよ! フン」
「まあまあおひとつどうぞ」
「たくね~干物女とはいえ、見た目はこんなに若くて可愛い奥さんがいるのに、仕事大好きの仕事人間なんだから! 蛍は不満はないの?」
「社長さんが入院したからしばらくは忙しいって聞いてますから」
「ならいいけどね」
*
「まあ確かに高野は仕事大好き人間だな、前の離婚の原因もやっぱそこにあると思うし」
「あの二人に限ってそんなことはないと思うけど」
「うん、ないない」
「そうそう今の蛍の担当してるクライアント、蛍の元カレなのよ」
「へぇ~」
「別になんかあるって訳じゃないけどね」
「高野に話そうかな~」
「えっ?」
「ちょっと脅かしておこうか、あんまり蛍ちゃんをほったらかしにしないようにさ」
「そうそうそれがいいわ(るん) あっ別に入札のこと根に持っている訳じゃないわよ」
「うん、わかってる(^^;」
*
「では壁紙の変更確かに承りました」
「わざわざ来てもらって悪かったね」
「いえ、お忙しいんでしょう?」
「うん・・・」
「キャッ 先輩!」
どっどうしよう・・・先輩にソファに押し倒されてしまった。何故? 落ち着け蛍!
グ~グ~グ~
なんだ、寝てるのか・・・ きっと疲れてて眩暈がしたんだろうな。
こんなことぶちょおには話せないな、そもそもクライアントが元カレで初めての人なんて(^^;
なんでもなくてもやっぱ話せないことってあるよね。
「あれっ?蛍ちゃん・・・俺いつの間に寝ちゃったんだろ?」
「きっと疲れているんですよ」
「うん・・・それもあるけど、実は奥さんに家出ていかれちゃって、ちょっと・・・いや大分参ってる」
「そうだったんですか・・・」
「俺実はバツ1でさ、再婚なんだ。一度目の結婚で学習して、2度目は絶対にそんなことにはならないって思っていたのにな。俺は結婚には向いてないのかな・・・ホント駄目な男だよ」
「先輩は駄目な男なんかじゃないですよ。実は私の主人もバツ1なんです」
「えっ?!」
「でもとても素敵な旦那様です。ちょっと不満があるとすれば、しいていえば仕事大好きなところかな(笑)」
「そっか・・・。 まだ間に合うかな」
「間に合いますよ。素直な気持ちで奥さんと向き合って沢山話せば大丈夫ですよ。想いは言葉にしなければ伝わりません・・・て主人が言った言葉なんですが(笑)」
「ありがとう蛍ちゃん。俺行くわ、ちゃんと話して土下座してでも戻ってもらう。」
「先輩、ファイトです!」
あの先輩が土下座してでもか~どんな奥さんなのかな、 上手くいくといいね。きっと上手くいくね。
あっ・・・あれはぶちょおと、ぶちょおの元妻の深雪さん。。。
あっタクシー拾った。タクシー乗ったのは深雪さんだけか、よかった~一緒に乗ったら立ち直れないもん。
そもそも偶然バッタリ会っただけかも知れないし、元夫婦なんだから会わなきゃいけないよんどころじゃない事情があるのかも知れないし。
はて? 元夫婦だからって会わなきゃいけないよんどころじゃない事情なんてあるのか? うん、偶然バッタリ会ったんだ、そうに違いない。
私だってクライアントが元カレなんてたまたまの偶然だった訳で。
きっとぶちょおはこのこと話さないだろうな、私だって話せないもん。何でも話そうと思っても、話せないってことあるよね。
*
「たらいま~」 なんだよっ ご機嫌な声で(フン)
「飲んでるんですか?」
「ああ、ちょっと二ッ木と飲んできた」
「そうですか」
「なあホタル、俺たちも子供作ろうか?」
「はあ?」
「ホタルちゃ~ん

「嫌っ!」
「えっ?」
「そんな酔っ払いと・・・」
「ああそうだな、ごめん・・・」
一気に酔いが醒めたような顔してたな~ぶちょお。だってなんかやなんだもん・・・なにもなくても会ってたのは嫌。。。
そもそも、俺たちって? たちってなんなのよ!?
それに・・・それに見られたくないの! 昨日うっかり窓開けたまま寝てたら蚊に沢山刺されてお腹が跡だらけなんだもん。
白くてすべすべのお腹は私的に一番のチャームポイントなんだから、こんなお腹見られたら100年の恋も覚めるっての。
ぶちょおはそんな小さい人間じゃないけどね(^^;
「最近仕事どう?」
「まあぼちぼちです・・・今日も遅いんですか?」
「そんなに遅くはならないけど・・・あのさ・・・」
「今日早出なんです」
「そっ ホタルも忙しいの?」
「ぶちょおほどではないです」
なんかギクシャクしてるな~よしっ!
「あの・・・今日は真っ直ぐ帰ってきてね」← 精一杯可愛く言ってみる(^^;
「うん、帰ってくる! 帰ってくる」
が・・・今日も真っ直ぐ帰ってこれなかったぶちょおなのでした

部長なんて・・・部長なんて引き受けるんじゃなかった

*
「ただいま・・・ん?どうしたんだ? 旅行バックなんか出して」
「私、実家に帰りますんで」
「行くな・・・」
「へっ?」
「ホタル・・・行かないでくれ! 俺が悪かった! お願いだから何処にも行かないでくれ!」
「ぶっ・・・ぶちょお!

「それは君の方だろ?」
「はぁ~!?」
「ちがうの? じゃあその荷物は?」
「お祖母ちゃんが入院したっていうから様子みてこようと思ったんですが、実家に帰るのは明日の朝にします。」
「えっそうだったんだ、じゃあ早く行かなきゃ」
「そんなに悪い訳じゃないそうなんで明日にします。それに今はぶちょおとちゃんと話すことの方が大事だから」
「うん」
*
「二ッ木さんになんか吹き込まれました?」
「うん」
「やっぱりね(^^; でもだからといってぶちょおにしては余裕が無さ過ぎですよ。それに私のこと疑っていたなんてちょっと、ううん大分ショックです」
「ごめん、ホントごめん。君のいうとおりホント余裕が無さ過ぎだな(苦笑)実際二ッ木にそんなに吹き込まれた訳じゃないんだ。だけどこないだ凄く嫌な顔して拒まれたし、約束は守れなかったし、少し不安になっていたところに実家に帰りますって言われたもんだから、頭にカーッと血が登って気がついたら君に行かないでくれっ!て土下座してた(苦笑)」
「穴があったら入りたいですか?(笑)」
「いや、むしろ自分の気持ちがよくわかってスッキリした。 みっともなかったけどな・・・」
「いつも冷静でクールな高野部長がね~」
「イメージダウン?」
「私にだけ見せてくれる顔、可愛いーです~」
「可愛い?」
「ますます誠一さんのこと好きになりました~エヘッ」
「そっ(照) で、俺も聞きたいんだけど・・・」
「すみません、私は小さな人間で・・・」
「小さな人間?」
「あの日偶然見ちゃったんです。ぶちょおと元の奥さんの深雪さんが一緒にいるとこを。それでザワザワ~と胸にさざ波がたちました」
「深雪がエステサロンを開きたいってことでうちの会社に来てたんだ。担当は俺じゃなかったけど、あの日店をやれなくなったって断りにきてて、担当のものが出てて俺が対応したんだけどなんか具合が悪そうでそれでタクシーをひろった。子供ができたそうだ。おめでとうと言ったら笑顔でありがとうと言った。俺が見たことないくらい幸せそうな顔でね。心底良かったなと思うんだけど、なんていうか・・・」
「ゴロゴロしたくなりました?」
「うんそういう感じだ。その後二ッ木に呼び出されて、まあ驚かされたというか説教されたというか(苦笑)美しい友情ってやつだけどな」
「でも先輩が元カレとか初めての男だったとか言わなかったのに、相変わらず姐さんはカンが鋭いですね」
「はっはっ はじめての男なのか?

「えっ?聞いてませんでした?

「聞いてない・・・そんなことまで聞いてないもん」
「いやーこりゃウッカリとおけつを掘ってしまいました~」
「それをいうなら墓穴を掘るだろっ!」
「あっそうでやんした(笑)」
「笑い事じゃないよ・・・」
「ぶちょお? そんなにしょげなくても、昔のことですから」
「男心はデリケートにできてるの(拗ねるぶちょお)」
「あのね、私を女にしたのはぶちょおですよ。 実質私にとって初めての男はぶちょおです

「そう? じゃあそういうことで(機嫌回復)」
「よかったです~」
「けど・・・参ったな。 お互いのことが大好きで信じているのにさ、さざ波が立ってしまうのは人間の弱さかな」
「ですね、人は弱くて・・・だから人は愛し合うんでしょうね」
「出会った頃スーパー干物女だった君が、こんなこというようになるなんて、ちょっと感動したぞ」
「アホ宮も成長しました~(笑) さざ波ついでに言うと、ちょっと引っかかっていることがあって」
「なに?」
「その・・・深雪さんは私よりずっと長くぶちょおと一緒に暮らしていた訳でそこが・・・あっすみません」
「いいよ。それは変えられない事実だし、でも後何年かすれば君と暮らした時間のほうが長くなるんだよ」
「あっそーか、そうですね、そこに気が付かない私はやっぱりアホタルです~」
「でもさ、それで俺に触れられるのも嫌なくらいブルーな気持ちになったの?」
「女心はデリケートなんです」
「そっ(^^; じゃああのときのリベンジ

「駄目です! 駄目!」
「なんで?」
「だって・・・」
「言わないと無理やり襲っちゃおうぞー」
「キャッ」
「なんなんだ? この赤い跡は? まっまるで・・・」
「これは蚊に刺された跡です!」
「蚊?」
「窓開けて寝てたら沢山刺されてしまって、大分薄くなったけど、あのとき酷くて見られたくなかったんです」
「なあーんだ、そんなことか・・・て、窓開けて寝ちゃ駄目だろ!」
「すみませ~ん。 なんか胸がざわついた日々が続きましたが、只今ぶちょおへの愛が倍増してます」
「俺も改めて思うよ、君のことがこんなにも(土下座するほど)大切だってこと」
「私たちも子供作ります?」
「いや子供は授かりもんだから。 そうじゃなくて愛し合おう

「はい

*
「はぁ~」
「どうしたんだ? 溜息なんかついて」
「だって今日は8月31日ですよ、8月31日というと夏が終わっちゃうって気がして寂しくなるんです。大好きな夏が終わるのは切ないです」
「確かにな、でも君の場合それだけじゃないだろ? まだできていない山のような宿題を眼の前にして泣きそうになってた子供の頃を思い出すんじゃないのか?(笑)」
「見てきたようなこと言いますね~その通りですけど。 ぶちょおは余裕で宿題終わっていたんでしょうね」
「当たり前だ、宿題は7月中に済ませ自由研究の計画をたて、1学期の復習、自主学習、へちまと朝顔の観察日記に、ラジオ体操は皆勤賞で、学校のプールは誰よりも多くの出席のハンコを貰い・・・」
「はいはい」
「8月中頃には自由研究を完成させ、毎年市のコンクールに出したもんだ。そして31日は2学期に備えて予習をする」
可愛くない子供だな~

「私は毎年8月31日には泣くことになったけど、いいんです~楽しかったから。ぶちょおは夏休み楽しかったですか?」
「勿論だ。俺にとって楽しいというのは如何に充実したかであって」
「人それぞれの夏休みがありますよね(^^;」
「おっ韓国焼肉フェアか、今夜久々に焼肉でも行かないか?」
「あー私ちょっと今朝は胸がムカつくから焼肉はいいです」
「そういえばあんまり朝御飯食べてないな。なんか悪いもんでも食ったのか?」
「それはないと思うんですが」
「夏の疲れが出たのかも知れないな、具合が悪かったらメンドクシャがらずに病院にいくんだぞ」
「はーい」
*
えーと蛍は今日直帰だったわね。ん?蛍からメールがきてる。
「姐さん Helpです! M病院より蛍」
「どうしたの蛍! メールにHelpなんて書いてあるからビックリしたわよ。何処か悪いの? 深刻な病気? なら私じゃなくて旦那に言わなきゃ」
「病気じゃなくて・・・」
「ん?」
「三ヶ月だって言われました」
「えーーー! やったわね! おめでとう!蛍」
「すみません、なんか先越してしまって」
「そんなこと気にしないで。私はフタちゃんにもうちょっと待ってって言ってるしね。だったらなお私じゃなくて」
「なんかテンパッテしまって。落ち着こうと思ったら姐さんにメールしてました」
「そうね、二人でテンパルよりいいかも(笑)」
「でもメールはしましたから」
「あらっこういうことは直接言ったほうがいいのに」
「そっか、私って気がきかないですね(^^;」
*
「蛍ちゃんおめでとう~高野がどんな顔して帰ってくるのか見たくてきちゃったんだ」
「ごめんね~顔だけ見たら私たち直ぐに帰るから」
「高野のことだから山のように育児書抱えて帰ってくるんじゃないのか」
「あのクールな顔がどんな顔になるのか見物よね~ ガラガラ持ってたりしてね(笑)」
「花束とか抱えてたりな」
「もう~二人して面白がってるでしょ」
「遅いわね」
「抜けられない仕事でもあるんじゃ・・・」
「こんなときにそんなこと言ってたら俺は高野と絶好するぞ」
「なんか軽いもんでも作るわね」
「今朝から食欲なかったんですけど、これは美味しいです。」
「にゅーめんよ。喉越しよくて食べ易いでしょ。簡単に作れるし卵や野菜いれて栄養もばっちりよ」
「なるほど~」
「ただいま」
「あっ帰ってきた」
「あれっ手ぶら?」
「二人ともきてたのか」
「蛍ちゃんからのメール見たんだろ?」
「あああれか、随分季節外れだけど親戚の誰かが受験でもしたのか? あっ鈴虫(蛍の弟)くんが内定もらえたとか」
「ホタル! あなた一体どんなメールしたのよ」
「桜 咲く です」
「はぁ!?」
「だってお目出度いときに桜咲くって言うでしょ、昔からそういう電報あるじゃないですか」
「アハハ蛍ちゃんには参ったな~」
「天然というかトンチンカンというか(^^; でもこれでちゃんと自分の口から言えるから良かったわね。」
「怪我の功名ってやつだな、じゃあ俺たちお邪魔虫は帰るわ」
「じゃあね蛍、又明日」
「今日はありがとうございました」
「なんか全然話が見えてこないんだが・・・」
「えっと・・・縁側で話します。あっ汗かいたでしょ、先にお風呂どうぞ」
「うん」
*
「8月も終わりとなると少し涼しくなってきたな。まだまだビールは美味いけどな。ホタルも飲むだろっ(ビールをホタルに差し出すぶちょお)」
「私はいいです」
「そっ珍しいね。 そういえば話って?」
「えーと、キスしてから話そうかな」
「いいよ・・・そういえば前にもそんなことあったな」
「チュッ

「なに深呼吸してるんだよ(笑)」
「私子供ができたんです」
「へぇ~ ・・・えっ? 今なんて言った!?」
「なんか具合悪くて仕事の帰りに病院行って、最初は内科に行ったんですけど、産婦人科で診察するように言われて、そしたら妊娠してますよ、おめでとうございますって言われて、今3ヶ月ですって」
「・・・・・・・・・」
「ぶちょおー! 大丈夫ですか!? ちゃんと息してます?」
「えっ あっ 大丈夫だ。 ビックリし過ぎてちょっと息するの忘れてたけどな」
「今の固まり具合は、私が縁側でぶちょおにプロポーズされたときの自分のようでしたよ(笑)」
「ありがとう・・・ホタル・・・ありがとう」
「ぶちょお? 泣いてるの?」
「妻に涙を見られるなんて男子一生の不覚といいたいところだが・・・だって嬉しいんだもん。嬉しくて嬉しくてたまらない」
「私ぶちょおの涙初めてみました。とても綺麗な涙で感激で・・・わっ私も眼から大量の汗が止まりませ~ん」
「あっあんまり興奮するとよくないんじゃないのか、落ち着こう」
「いいんですよ、これは幸せの涙なんですから」
「そっか。 俺も40過ぎて父親になるか(感慨無量)」
「この子が20歳になったらぶちょおは還暦(こら)・・・を過ぎてますね

「かっ還暦・・・

「大丈夫ですよ~ぶちょおなら20年経ってもきっと若々しい素敵なパパですよ(笑)」
「元気で頑張らないとな」
「私も干物女返上で頑張ります」
「俺も君も初めてのことでわからないことだらけだけど、出産て病気じゃないし、皆普通に生活したり仕事しながら子供生む訳で。だけど無理は禁物、頑張り過ぎるのもよくないと思うよ。気持ちは大らかにゆったりと」
「気持ちは大らかにゆったりと・・・さすがぶちょお、いいこと言いますね」
「そして何よりも子供のことを優先に考えよう」
「はいっ 光! 新米パパとママだけどよろしくね」
「光?」
「お腹の中の子に話し掛けるのに名前つけたんです。光なら男の子でも女の子でもいけるし」
「なるほど」
「それに・・・今は蛍の光くらいに小さな光だけど、皆の優しい光に見守られながら大きな光になって生まれてきて欲しいなって思うんです」
「うん」
「生まれてから又他の名前考えればいいしね」
「高野 光」
「え?」
「いい名前じゃないか、決めたっ! 君は今日から高野光だ(ホタルのお腹に手を置いて)」
「もうちょっと考えてあげたほうが(^^;」
「お母さんの愛情のこもったいい名前じゃないか。」
「ありがとうぶちょお・・・じゃなくて誠一さん、そしてお父さん

「お父さんてなんだかくすぐったいな(照)」
「パパの方がいいですか?」
「僕は恥ずかしいよっ・・・て言いたいところだが、ちょっと考えさせてくれ(^^;」
「はい(微笑) 今迄8月31日って好きじゃなかったけど、いい日になりました」
「うん、 あっだから今日はビール飲まないって言ったのか」
「授乳のこと考えると最低でも2年はビール断ちです」
「そんなに我慢できるの?」
「はい、子供が出来たって聞いてから急に身体がビールを欲しなくなりました」
「へぇ~凄いな、もうお母さんなんだ」
「ぶちょお、さっき私に有難うって言ったけど、私の方こそありがとうです。誠一さんが旦那様だから私は母になれるんです」
「俺も俺の妻がホタルだから俺は父親になれるんだよ。それ以外は考えられない」
「やっぱ私たちってビバベストカップルですね~(笑) あっ庭の向こうで光ってるの蛍

「ああ小さいけど綺麗な光だ。 特に今日は特別に綺麗に光って見える。 ホタルと光 俺は二人にありったけの愛情を注ぐよ(微笑)」
ねえ 光 いつか君に話すときがくるのかな?
お母さんとお父さんの・・・
ホタルとぶちょおの 縁側の恋の物語を。。。 end
私なりに思いを込めて書いたホタル2最終章「ホタルの光」楽しんで頂けたなら幸いです。
感想コメント(拍手コメント)等頂けるととても嬉しいです。そのときにぶちょおは、お父さん、パパ、父上、お父様etcとどう呼ばれるのがいいか書き添えて頂けたら尚嬉しいです。
ぶちょおとホタルちゃんなら、きっと素敵なパパとママになれるんだろうなぁ
最終章となっていますが、続きは書いて貰えないのでしょうか??
私は、二人の子育て奮闘記も読んでみたいです
「ホタルノヒカリ 二次小説」でこちらにたどり着き、少し前から愛読させていただいていた、モモ花と申します。
最終章ということで思い切ってコメントさせてもらいました。
どれも素敵なお話で、放送が思ってからもホタヒカの世界に浸ることができました。
特にこのお話、ぶちょうに家族が増えることになって良かったなぁと思いました。
相思相愛の夫婦、ホタルとぶちょおの新しい「光」に感動です。
私的には「お父さん、パパ、父上、お父様」の中では、「パパ」ってぶちょうは呼ばれて欲しいですかね。
その方がいつまでも若くいられそうですし。
あとは、ダンディーなぶちょおなので「ダディ」「ダッド」もいいかなと思っています(笑)
ホタルも「マミー」「マム」って呼ばれるのも可愛らしい感じでいいのかなと勝手に想像してしまいました。
ホタヒカ映画化に伴って、ずっと考えていたFBIに入会しちゃいました。
好きな俳優さんの1人でしたし。
30代半ばで初ファンクラブ入会です。
これからも小説読み返し&まりりんさんのブログで楽しませてもらいます。
確かに甚平を着たぶちょおだとお父さんて感じですね。
ホタルとぶちょおなら素敵な可愛いパパとママになりそうです。
番外編でその後の話も書くかもしれません(^^;
感想ありがとうございます。
>ホタルとぶちょおの新しい光に感動です。
そう言って頂けてとても嬉しいです。
なるほど~ぶちょおならダディって呼び名もしっくりしますね。
でも縁側じゃシックリしないかな~(^^;
FBI入会おめでとうございます!
私も人生初のFCが直人でした。いろいろ見て楽しんでくださいね。
ありがとうございます。よろしければ又遊びにきてくださいね。
母としばらく一緒に暮らすことになったので鹿児島に迎えに帰ってました。
その間にupされてて嬉しいです~最終章楽しみに待ってました!
「ホタルの光」すごくいいです!
優しい光に包まれた二人のこれから、未来を想像することができて感動です!
私はやっぱりパパかな?
いつまでも若々しいぶちょおでいてもらいたいので
子煩悩なぶちょお~いいですね。
二人のパパママを妄想するだけで顔がにやけてきます。
まりりんさんのお話があったからホタルノヒカリ2が終わって淋しかった気持ちも癒されて
ホタルとぶちょおを思ってあたためてくることができました。ありがとうございます!
これから少し忙しくなりますがなるべく直人さん優先で
心のよりどころに直人さんを思って
そしてまりりんさんのブログを楽しみにしていますので
体調に気をつけて頑張って下さいね!
有難うございます。
仕事中だけど(こらっ)、夢中になって読んでしまいました。
何があっても、どう転んでも、やっぱりぶちょおとホタルは強~い絆で結ばれているんだな~と改めて思いました。
二人をみてるとあったかい気持ちになれますね。
そして「光ちゃん」
いいですね~。物語の終わり方も、まりりんさんの優しいお人柄を感じさせる本当に幸せな感じで・・・。
みなさんおっしゃってるようですが、私も「パパ」かな。
ぶちょお的には「父上」とか呼ばせたいのかもしれないけれど、ぶちょおとホタルの子どもって考えると「パパ」がしっくりくる気がしました。
今日は良い日になりました。
いつもありがとうございます。
(さて。いつからイタリアに旅立つんでしょうね・・・)
>優しい光に包まれた二人のこれから・・・
そう感じて頂けて嬉しいです~。
今迄いろいろと外伝書いてきましたが、こんなにも長く先のことまで妄想できるのは、最高のビバ・ベストカップルです。
生活してるといろいろありますが、直人さんに癒されて元気をもらって頑張れたな~と思うことが多々あります。
ありがとうございます。
yukiさんも忙しくなるとのこと、お身体ご自愛くださいね。
楽しんで頂けて嬉しいです。
私も仕事中に時々妄想してます(^^;
二人のこと考えているとほんわかと優しい気持ちになります。
「光ちゃん(君)」が既に可愛くて~です(笑)
今都内でホタルの撮影してるみたいですが、イタリアにはいつ行くのかホント気になります(^^;