読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「説文解字」の文字

2008-10-14 09:50:07 | 漢字

説文解字に納められる文字数は九千三百五十三文字である。その内、形成文字、つまり義符(意味を表した部分)と音符(音を示している部分)で構成された文字がその80パーセント以上を占め、会意文字(二つの義符で構成される文字)が12パーセント強を占める。漢字の殆どは形成文字と会意文字の構成法で作られている事になる。この事は漢字が驚くべき造語力を持っている事を示している。日本人は、特にこの会意の方法で多くの日本製の漢字(国字と言う)を作った。「上る(のぼる)」と「下る(くだる)」と「山」を合わせた「峠」。辵(しんにょう、歩く事を示す記号)と交差道路を意味する十の会意で「辻」。その他、裃、畑、凩(こがらし)、躾、匂など、海に囲まれた日本では魚偏の国字が多い。鱈、鱩(はたはた、雷が鳴ると浅瀬に集まるそうである。)、鮗(このしろ、冬が旬だとか。)