読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

甲骨文字と金文

2008-10-08 09:44:21 | 漢字

現在使われている漢字を遡ると今から三千数百年前、紀元前十四~十二世紀の中国殷墟(河南省安陽市小屯)から発見された甲骨文字になる。この文字は占辞とも言われるように政事を行う王が天候、祭祀、狩猟、大臣の任免にいたるあらゆる事柄を占い、その占いの内容を亀の甲羅や牛の肩甲骨に刻したものである。この文字は神の意思を問う王とそれを甲骨に刻む貞人(占いを仕事とする大臣)の独占するところであった。殷の後に登場した周では占朴で政治を行う事は無かった。周人の残した文字は青銅器に鋳込まれた金文と言うもである。金文の内容は青銅器などが恩賞として与えられたときのその功労を記したものが多かった。