読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「告」という漢字

2008-10-11 11:18:43 | 漢字

中国の紀元一世紀、後漢の許慎の「説文解字」は「告」と言う文字の成り立ちについて、牛が人に口をすりよせ、何かを訴えようとしているようすを形にしたものであると説いている。この文字の口の上の部分を牛の形と解しているがそうではなく。卜文では告の文字は牛に従う文字ではなく、牛のように見える部分は木の枝に書かれている。下の口の部分はものを食べる口ではなく、サイと言う祝辞を入れる入れ物である。つまり告と言う文字は神への祝辞、のりとを器に入れて木に掛けた形を示しているのである。「史」はその祝辞、のりとを入れた器を手に捧げている形、「使」はその入れ物を枝に付け外部へ人が持って行く形である。現在でも神社でお御籤などを木の枝に結びつける事があるが、その名残りではないかと思う。これは私見である。