ひさびさ「ホール落語」を観覧
いつも行く定席寄席ではとにかくいろんな演者が次々と、演目・演題のバラエティもあって「なにがでてくるか・・・」といったおもしろさがあります。
ホール落語は演者も事前にわかるので“安心感”はあり、しかも持ち時間も長くとられているんで、普段の寄席では出せない長講の演目も出されて、
「落語をじっくり楽しむ」(「寄席を楽しむではない)といった心持ちで楽しむ事ができます。
今回は芸協(落語芸術協会)主催のホール落語で、落語三題と講談、漫談(スタンドアップコメディ)の組み合わせ
開口一番は「牛ほめ」から「浮世床」「片棒」中入り後は「スタンドアップコメディ」「講談 名月若松城」までの2時間余り
どれもおなじみの演目で(漫談だけは初めて)噺の筋よりも演者がどのように噺を組み立てていくかを余裕をもって観る事ができました
なかでも桂米福師匠の「片棒」に見せられました。
主人が3人の息子に自分の弔いをどうするかと、たずねながらあれやこれやとやりとりを聴かせます。
いろんな演者の「片棒」を拝聴していますが、息子たちのありさまをいかにふくらませて聞かせるか、テンポとかウィット(くすぐり)をおりまぜるか
噺が途中ダレちゃう場合もあり、個人的にはあまりこの噺は好きではないんですが、今日の米福師匠の演目は余計なものを入れずに、うまく三人三様のやりとりを演じていました。
まさに「聴かせる片棒」を拝聴する事ができて、なかなかよかったですね。
スタンドアップコメディのナオユキさん、名前は知っていましたが初聴で、シュールでおもわずクスっとしてしまう笑いの世界、派手なアクションはありませんが
こういう崇高な話芸って、よほど話芸とともに普段からの情報・興味・収集・・・人間観察・洞察力といったセンスを持ち合わせていないと続けられないですよね、
たしか浅草・東洋館とか出演していると思います、ぜひ“通が集う観客”のまえでの芸を拝聴したいものです。
トリは松林伯知師匠(真紅さん)の三代目襲名以来の拝聴で「名月若松城」、ひさびさの講談でピシッと引き締めて今回のホール落語は終演となりました。