哲ノート

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お富与三郎 稲荷掘 -浪曲定席木馬亭三月-

2022-03-07 23:16:25 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
今月も浪曲定席を浅草・木馬亭から拝聴します。

お目当ての澤孝子先生がトリを務め、毎席まだまだ聴きなれない浪曲の演目を楽しみに・・・

   

開口一番は「出世定九郎」から、落語・講談でもおなじみの中村仲蔵・忠臣蔵五段目の演目。落語のように途中“くすぐり”を入れるとか、講談みたいに“しゃべくり”に徹するか…浪曲には

「節まわし」がこの演目を劇的に盛り上げることとなっていました。よく知っている演目であり、また違った味わいを感じました。

「吉良の仁吉」「青龍刀権次 召し捕り」「秋色桜」(この演目も講談でおなじみ)「開化鰻屋草紙」「はだしのゲン(講談)」「生きる悲哀」そしてトリの孝子先生は「お富与三郎から稲荷掘」を…

 

「お富与三郎」の悲哀と増悪を物語は講談では「与三郎殺し」を拝聴して、そこでお富と与三郎の物語と結末とを初めて聴かされ、非常におどろおどろしいものであることに興味が持てました。
(長丁場ですがすべてを聴いてみたいものです)

そんな思いをしていたので、今日の演目はもう興味津々で孝子先生の節と啖呵を一言一句聞き漏らすまいと、前のめりで拝聴させていただきました。

演目は人を殺めてしまう場面であり、そこにかかわるお富と与三郎はこの場面では悪党・悪女ではありますが、お富と与三郎の生涯をつづった大きな話の流れの中のひとつのエピソードとしてとらえると

その哀愁に満ちた悲喜こもごもとしたストーリーを想うに、たいへんドラスティックなものに聴こえてきて、それを坦々と謳いあげる孝子先生の気迫もすごいものでした。

節と啖呵・台詞の話を切らさずによどみない流れ、ごく自然な流れで織り込まれる話術は聴いていて気持ちの良いもので、聴く者を噺の世界にぐいぐいと引き込んでゆきました。(これだからまた聴きたくなっちゃうんですよね)

「あ~、お富与三郎」の話をまだまだ聴きたい・・・そんな余韻を残しながら、今月の浪曲定席を浅草木馬亭から楽しみました。
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