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クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

サニー雑感

2008年12月09日 01時11分11秒 | Weblog
細い路地を疾走する、前期型のB15型サニー。セダンらしいセダンが駆けていく姿はカッコいい。

いまとなっては結果論だが、サニーは、たとえヒョウロンカからは何といわれようと、B12型-B13型で築いた「日本の小市民的なるものを体現したセダン・オブ・セダン」というポジションを死守するべきだった。そして、高齢化するユーザーとともに死ぬべきだったと思う。そんなサニーの近年の歴史のなかで、ブランドとしての一貫性を欠き、販売的にも駄作扱いされているモデルが、B14型だ。B14型で、妙に欧州調のパッケージング重視主義を唱え、しかもサニーの良き伝統であった質実剛健さにつながるクオリティを軽視してしまっただけに、サニーというクルマの実像がぼやけてしまったように思われる(そんな風に、妙に新しがってカッコつけて、見事に失敗するところも日産のかわいいところなんだけど)。

一説によれば、B14型サニーを発売前に見せられたサニー系販売会社の幹部は、「これをこれから4年も売るのか。俺たちを殺す気か!」とメーカー開発陣に食ってかかったらしい。それほどまでにB14型は、問題提起をふくむモデルだった。あくまでサニーのわりには、だが。

B14型でそんな大風呂敷を広げて失敗し、早々に誤りを認める形で登場したB15型サニーだが、日本市場の売れ筋がコンパクトカーとミニバンにシフトし、セダンの全高がどんどん高くなるという周囲の環境の中、モデルチェンジのタイミングが遅れたことを逆手にとって、独自の地位を占めたモデルでもあった。

僕はこのクルマを運転する機会にはついに恵まれなかったが、このサニーと車台を共有するティーノのほうは、東京~三重県鈴鹿を往復した経験がある。サニーとティーノ(SR20DE車)では、エンジンもボディ質量も違うクルマなのでなんともいえないが、鈴鹿への往復1,000km超のドライブの中で、コシのあるサスと体が痛くならないシートに、日産の真面目なエンジニアリングの片鱗を感じることができた。

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