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まるで米国への挑発、習近平「国賓招待」の危

2019年12月12日 | 国際紛争 国際政治 





まるで米国への挑発、習近平「国賓招待」の危うさ
中国の人権弾圧に高まる非難、世界に逆行する日本
2019.12.11(水)
古森 義久
世界情勢 アメリカ 中国



中国の習近平国家主席(2019年11月27日、写真:ロイター/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 安倍政権が来年(2020年)春、中国の習近平国家主席を国賓として日本へ招待する計画を進めている。この計画が国際的に反発を買う見通しが強くなってきた。日本の対中融和政策が民主主義諸国の動きに逆行するとして非難の声が高まっているのだ。とくに米国の対中政策を阻害するとみられる危険性も高い。
国際社会で高まる中国への非難と警戒

 習近平主席の国賓としての来日計画は、12月9日の安倍晋三首相の記者会見でも問題視された。外国人記者が「中国による日本人の拘束や尖閣諸島の領海侵入が続くなかで習主席を国賓として招待することには、自民党内にも反対があるが」と安倍首相の見解を尋ねたのだ。

 安倍首相は「中国にも日本にもアジアの平和や安定に果たすべき責任があるから、その責任を習主席と話し合う」と答え、習氏の来日が、なぜ実質的な協議よりも友好や歓迎を前面に押し出す国賓扱いでなければならないのかについての説明はなかった。

 だが現在の国際社会では、日本の対中融和の動きとは逆に、中国への非難や警戒がますます高まっている。

 西欧諸国が多数加わる北大西洋条約機構(NATO)の29カ国も、12月上旬に開いた首脳会議で中国からの「挑戦」を初めて提起した。首脳会議の成果をまとめた「NATO宣言」のなかで、中国の最近の軍拡を含む影響力拡大を「挑戦」とみて、「正面から対峙」する必要性を初めて宣言したのだ。


同時に西欧諸国では、中国の国内での少数民族や香港での民主化運動への弾圧に対する非難も高まっている。

 日本にとってとくに気がかりなのは、同盟国である米国が中国との対決の姿勢を急速に先鋭化してきたことである。トランプ政権と米国議会の超党派の大多数が一体になって、中国の人権弾圧を糾弾し、制裁や報復の措置をとるようになったのだ。

 ごく最近も、米国の政府や議会では、香港人権民主主義法の施行、チベットやウイグルの人権弾圧に対する制裁措置、台湾の民主主義への賞賛、といった動きがみられた。そのすべてが中国共産党政権の人権弾圧への強い非難となっていた。
“中国の心臓部”への攻撃を始めた米国

 ここに来て米国の対中政策はついにルビコン川を渡ったといえるだろう。中国共産党政権の人権弾圧に対する糾弾は、“中国の心臓部”への攻撃となるからだ。共産党の独裁支配は人権弾圧なしに無期限には続けられない。共産党の人権弾圧を糾弾することは、共産主義を支える根本の教理、つまりイデオロギーを否定することになる。

 トランプ政権はなぜ最近、中国の人権弾圧への非難を激しくしているのか。10月末のマイク・ポンペオ国務長官の演説が、その理由を説明していた。

 ポンペオ長官は次のように述べた。「米国はこれまで中国共産党政権の人権弾圧とその基礎となるイデオロギーの民主主義陣営への敵対性を過少評価してきた。米中間の諸課題は、もはやそのイデオロギーの基本的な相違に触れずには論じられない」。


ポンペオ長官はさらにこんなことも語った。

「中国共産党のイデオロギーは、米国など民主主義諸国との闘争と世界制覇のために軍事力の行使や威迫をも辞さない。だから米国は全世界の民主主義国と共同で中国の脅威と対決する必要がある」

 この部分を読めば、米国が日本にも中国との対決の姿勢を求めていることは一目瞭然である。

 だが、軍事面で中国に対抗する力をほとんど持たない日本政府は、中国共産党の最高指導者である習近平氏を国賓として招くことを喜々として言明している。その態度は米国の政策とは正反対である。そんな日本の対中融和政策は、米国の対中姿勢への妨害ともなりうるだろう。

 実際に米国では、安倍政権の対中接近の姿勢が懸念を込めて指摘されるようになった。米国の対中政策を阻害するという反応も出てきている。日本の習主席の国賓招待は、米国が非難する人権弾圧の最高責任者への最大の厚遇となる。習主席の責任下にある中国当局の行動を是認していると受け取られてもおかしくはないだろう。
日本の対中融和策が失敗する理由

 米国には安倍政権の対中融和策は、米国の出方を問わず失敗するという厳しい見方も存在する。安全保障研究では米国で最大手の「ランド研究所」のジェフリー・ホーヌング研究員や、ワシントンの最古参の外交研究機関「ブルッキングス研究所」のマイケル・オハンロン研究員らが発表してきた論文がその代表例である。


両氏は、日本と中国の接近について、まず基本的な政治統治システムの相違を指摘する。中国が一党独裁体制であるのに対して日本は自由民主主義体制だという当然の指摘である。もちろん2つの国家がそれぞれ国内の政治システムを異にしていても、協力や友好は可能である。だが、人権意識に色濃く現れる根本的なイデオロギーの違いは、日中両国の真の融和には障壁となることが不可避だというのだ。

 両氏がさらに指摘するのは、日中両国間の基本安全保障戦略である。中国は、日米安保条約や日米同盟に反対する。一方、日本は一貫して対米同盟を国家防衛の最大支柱としている。

 また、国際秩序への姿勢をみても大きく異なる。中国は米国主導のアジアや世界の既存の秩序に変革を求める。だが日本は現行の国際秩序の保持を国家基本戦略の核心としている。世界をみる目が日本と中国とではまるで異なるのである。

 それほどの断層を抱えた日中両国が、習近平主席の1回の日本訪問で一気に固く手を握り合い、アジアの平和と安定を共通の立場から論じるようになるというのは、あまりに非現実的なシナリオだといえよう。

 日本としては、習主席を国賓として歓迎する日本の動きが米国に対する挑発に近いメッセージと受け取られないような考慮が必要だろう。



シャレにならない監視社会に突入した中国の悪夢
生活は便利だけれど、SNSの書き込みは当局に筒抜け
2019.12.10(火)
姫田 小夏
中国

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(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 今どきの中国人は「ウィーチャット(WeChat)」(中国名は「微信」)がないと生きてはいけない。中国では、今やありとあらゆるサービスをこのプラットフォームが提供する。名刺交換も、ウィーチャットのID交換にとって代わられるほどである。

 ウィーチャットとは中国IT企業大手のテンセントが提供するSNSアプリだ。アクティブユーザーは全世界で毎月10億人に上る(『2018ウィーチャット年度データ報告』)。

 ウィーチャットは、LINE(ライン)のようなチャット機能とFB(フェイスブック)のような情報発信機能を備えている。毎日450億の情報発信が行われるというチャット機能の拡散力はすさまじい。中国では、「反日ムードが友好ムードに一転したのも、このウィーチャットの力ではないか」と受け止める人もいる。

 ウィーチャットユーザーは自分のアカウントと銀行口座を紐づけることで、キャッシュレス決済も行える。テンセントが提供する「ウィーチャット支払(ウィーチャットペイ)」機能は、アリババの「支付宝(アリペイ)」とともに中国キャッシュレス決済の二大双璧を成している。
コンビニでの支払いもウィーチャットで(上海のコンビニで筆者撮影)
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もともとウィーチャットのサービスは1999年に「QQ」というチャット機能から始まった。当初はユーザーは匿名だったが、今では実名登録制となっている。住所、氏名、身分証の番号、会社名、仕事内容、銀行口座番号など、さまざまな個人情報を入力することで、初めて多種多様なサービスを享受することができる。
ウィーチャットをやらない老人は「切り捨て」

 上海では今、このウィーチャットアカウントを持っていないとパスポート申請もできない。上海在住の日本人女性・畠田瑞穂さん(仮名)は最近こんな光景を目撃した。

「その日、中国人の夫のパスポートを更新するために公安局の出入国管理事務所を訪れました。中に入ると、突然『老人は海外へ行くなというのか! 俺はスマホも持っていないし、ウィーチャットも知らないんだ!』という怒鳴り声を耳にしました。見ると、おじいさんが事務所の担当者と喧嘩していたんです。担当者は『家族か友人を呼んで出直して来い』と冷たく言い放って、相手にしない様子でした」

 畠田さんによると「そもそもパスポート更新を申請するとき、番号札を取るところから『ウィーチャット』がないとダメ」なのだという。現在、多くの企業や地方自治体が、ウィーチャットのアプリ上でサービスを提供している。上海市も、公安局がパスポート申請の際の予約や整理番号の配布に、ウィーチャットのアプリを利用しているのだ。畠田さんは「スマホを持たない人を誘導する係員がいるにはいるんですが、待っていても誰も来てくれません。態度も悪いので“IT弱者”はみんな困っていました」と言う。もはや中国は、ウィーチャットがないと、公的機関が交付する文書ですら手に入れられないという状況なのだ。

 筆者は、政府系企業に勤務し、ITソリューションに詳しい張帆さん(仮名)に、この状況をどう思うか意見を尋ねてみた。すると返ってきたのは、「高齢者を気にしていたら中国は発展しませんよ」というシビアなコメントだった。「人口の2割を切り捨てるのが中国のやり方です」と実にあっけらかんと言い放つ。スマホを使えない人のことなんて、かまっていられないというわけだ。
公安が即座にやって来て拘束された

 だが、強い抵抗感を抱いているのが在外の華人・華僑たちだ。


日本での生活が20年になる林麗麗さん(仮名、女性)は、すでに持っているウィーチャットのアカウントを作り直そうとした。クラウドサービスなどウィーチャットの新しい機能を使えるようにするためだ。しかし、あまりにも「個人情報」入力の要求が多いので途中で断念した。「便利になるのはわかっていますが、やっぱり怖くなりました」と言う。

 林さんは、「ウィーチャットを使って本音を発信すると、とんでもないことが起こる」とも指摘する。中国に在住する親戚の男性が、ある騒動に巻き込まれたというのだ。

「彼の住んでいる住宅の隣接地でマンションの建設が進められています。その開発事業者についてウィーチャット上でちょっと文句を言ったら、すぐに、彼の自宅に公安が飛んできたんです。そして、彼に向って『余計なことを言うな』と凄んだそうです。ウィーチャット上の情報発信は公安から見張られているんです。その話を聞いて、思わず背筋が寒くなりました」

 上海出身で日本在住の男性、王威さん(仮名)もこう語る。

「私のような海外での生活が長い中国人は、中国企業が提供する配車サービスやキャッシュレスサービスを中国で利用することができません。これらのサービスは基本的に、中国在住者および中国に銀行口座がある人を対象にしているためです。最近は状況が変わって外国人でも利用できるようになったようですが、私は手続きを進めていません。これ以上深く中国とは関わりたくないからです」
検閲は国境を超える

 中国政府がネット上の情報発信を厳しく監視していることは周知の事実だ。

 アメリカに本部を置く人権擁護国際NGO団体「フリーダム・ハウス」によれば、「習近平」「共産党」「天安門事件」「人権」などが“特定キーワード”として監視されているという。2013年の時点では、200万人を超える監視従事者がいる(『新京報』)とされていたが、2017年にサイバーセキュリティを強化するための法律「インターネット安全法」が制定され、さらに監視が厳しくなった。

 近年は市民のたわいのないチャットでさえも監視されるようになった。山東省では、若い女性が「疫病が発生したようだから豚肉や鶏肉を食べないようにしなければ」という内容をウィーチャットに書き込んだだけで、6~7人の公安局員が自宅に踏み込んできた。友人同士の会話だったが、「デマを流した」という罪を着せられ、当局に連行された。一部始終がスマホで撮影されており(その女性が自分から仕掛けて隠し撮りさせた可能性もある)、その映像が香港メディアのサイトに掲載されている。筆者も見たのだが、さすがにゾッとした。

拘束には至らないもののアカウントを凍結されるケースもある。「甥がウィーチャットのアカウントを凍結された」と話すのは、上海の大手商社(中国企業)に勤務する李小建さん(仮名)さんだ。「友人とのチャットで、彼はうっかり“特定のキーワード”を使ってしまったんです。案の定、即刻ウィーチャットのアカウントが使えなくなってしまいました。気の毒だったのはその先で、ウィーチャットペイにプールしているお金も動かせなくなってしまったのです」

 中国政府による監視は今や国境を越える。筆者は、中国以外の国でも使えるグローバル版のウィーチャットを使って、上海在住の日本人とメッセージをやり取りしているが、「中国の政治の話だけは送らないで下さいね」とクギをさされた。中国系アメリカ人がウィーチャットを使って「香港デモを支持する言論」を発信したところ、中国政府の検閲によってアカウントが停止されたケースもある。
中国は「地球上で最も不自由な国の1つ」

 中国では、友人と連絡をとるにも、支払いをするにも、デリバリーを頼むにも、何をするにもウィーチャットを使えば素早くできる。多くの市民はこれこそが「生活水準の向上」だと受け止めている。

 それに対して李さんは、「ウィーチャットがなければすべてが立ち行かなくなります。中国で生活するには、この状況を受け入れるしかないのです」という。

 フリーダム・ハウスは、中国は「地球上で最も不自由な国の1つだ」としている。その自由度は100点満点でわずか11点である(2019年、日本は96点)。しかし、中国の人々は「便利だ、便利だ」と言いながら、監視社会という大きな鳥かごの中に知らず知らずのうちに取り込まれている。人としての尊厳があるのかという思考の余地すら与えられないまま。



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