恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

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「ねじれ内閣」への問責決議

2008年06月11日 | 国会・政党・選挙
■ 首相「問責決議案」の可決

 野党は、何度も「封印」してきた問責決議案を11日、ついに参議院に提出し、可決しました。首相に対する問責決議案を可決した野党の姿勢を、私は評価したいと思います。

 メディアの多くは後期高齢者医療制度への、政府・与党の不誠実な対応への「問責」であるとしてしています。
 先の沖縄県議選での与野党逆転も、最大の原因は後期高齢者医療制度への批判票だと報じられていますが、私はそれだけではないと思いますし、そのように問題を矮小化させてはならないと考えます。

■ 福田内閣の260日間

 福田内閣が発足してから約260日が経ちます。ではこの間、福田内閣は一体何をしてきたのでしょうか。
 最初の約110日間は、アフガン戦争支援のための新テロ特措法の強行に血道を上げるばかりでした。違法なイラク戦争への転用などの疑惑をまともに解明しようともせぬまま、「大連立」で民主党の抱きこみを図り、それが頓挫すれば臨時国会の会期延長を重ね、再可決まで行いました。
 次の約120日間は、道路財源の暫定税率の維持・復活に没頭しました。結局は10ヵ年59兆円という中期計画の見直しなどを行うこともなく、ただ割高な税率を国民に課し続けるために、こちらも再可決を行いました。
 そして最近の福田内閣は、いかに小手先の運用改善だけで批判をかわしながら、後期高齢者医療制度を残すか、に専念するばかりでした。

■ 求めないことは強行、求めることには無策

 この間、多くの政治課題がありました。
 例えば、原油価格・原材料・物価の高騰が国民生活を直撃する中、福田内閣は何の対策も講じようとしませんでした。その間、野党からは定率減税の復活など緊急経済対策の提案がありましたが、福田内閣はこれを無視し続けました。
 また、3月末までを期限と設定した年金記録の照合について「公約違反と言うほど大げさなものなのか」と言い、紙台帳との照合など効果的な対策はいまだに打たれていません。

 国民が求めないことは強行し、国民が求めることは一切何もしない、というのが福田内閣の姿であると言えるでしょう。

■ 福田内閣の全てに「問責」を

 このような福田内閣に対し、支持率は約2割、逆に不支持の声は6割を超え、国民は既に「問責」「不信任」を突きつけています。山口2区補選での与党候補の惨敗、先に触れた沖縄県議選での自民党公認候補6名の落選などもその現われです。
 主権者である国民がこれだけ福田内閣に「NO!」を突きつけているときに、その代表者である国会議員が何もしないのでは、国民の負託に応えているとは言えません。
 後期高齢者医療制度「廃止」法案への対応だけでなく、今までの福田内閣の政治姿勢全般に対して、「問責」を行うのは当然であり、それこそが国権の最高機関である国会の責務だと思います。

■ 自民党すら見放した福田内閣

 与党はこの「問責」を無視するだけでなく、13日に衆議院で「信任決議」を通して対抗する構えですが、議員一人一人としては、福田内閣「信任」は決して本心ではないでしょう。

 先日、時事通信社が自民党の都道府県連幹部に対して「次の衆院選の顔にふさわしいのは」というアンケート調査を行いました。結果、「福田首相でたたかうべき」と答えたのは、47都道府県の内わずか9都府県しかありませんでした。わずか19%程度という数字は、内閣支持率をも下回るものでした。福田内閣は、自民党の地方組織からも既に見放されているのです。

■ 「ねじれ」

 このように、国民と野党から「問責」を受け、自民党からも「次の選挙までには辞めてほしい」という声が、福田首相とその内閣に突きつけられています。

 福田首相は、昨年9月の自民党総裁選に勝ったとき「貧乏くじかも知れんよ。」と笑いましたが、本当に「貧乏くじ」を引かされたのは、小泉内閣から安倍内閣、そして福田内閣という「政権たらい回し」によって、「望まない内閣」が続くことを強いられる国民です。

 昨年の参院選以来「ねじれ国会」などと言われてきましたが、本当にねじれているのは「国民の意識」と「政府の意識」であり、「ねじれ内閣」こそ問題があります。
 また、その「ねじれ内閣」を、衆議院が圧倒的多数で信任するならば、これも「ねじれ衆議院」と言わねばなりません。

 この国の主権は、あくまで国民にあります。こうした「ねじれ」の解消が必要ならば、民意を反映しない内閣や衆議院を再度、国民の側に「ねじり直す」ことこそ必要なのではないでしょうか。


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2 コメント

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全く同感です (美爾依)
2008-06-12 04:22:08
goo-needsさん、
はじめまして。Peace_CommunityのMLでこの記事を深くうなずきながら読ませていただきました。まさにおっしゃられるとおりだと思います。史上初の首相問責決議案だというのに、与党は全くどこ吹く風。まるで国民を無視するように無視するつもりです。

昨日私のブログで問責について書きましたが、こちらの記事を関連記事として紹介させていただきました。その際に、ねじれの部分だけ引用させていただきましたので、あしからず。

http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-942.html
返信する
ありがとうございます ( goo-needs)
2008-06-13 22:07:34
美爾依 様

こちらこそはじめまして。
コメントとTBをいただき、ありがとうございます。
また、ご賛同いただきましたこと、本当にうれしく思っております。
さて、与党は問責決議を「無視する」と言っていたのを「信任決議で対抗」に変え、しかも当初は13日に信任決議を通す予定だったのを、12日に繰り上げて可決させました。
メディアが野党に批判的な内に、一気に反転攻勢に出て野党を追い詰めたいという思惑が、露骨に出ています。

「民意を問え」という主張から逃げ回る福田内閣や与党は、私たち国民の声を聞く意思がないということを意味します。

与党は「問責」を無視することはありませんでしたが、ご指摘の通り国民に対しては無視を決め込んだのです。

13日に発表された時事通信の世論調査では、内閣支持率は19・1%でした。
国民の2割も支持しない内閣を、衆議院では7割が信任するというのですから、随分と「ねじれ」があるようです。

このたびは私の文書を引用していただき、ありがとうございます。
拙い文書で恐縮ですが、少しでもお役に立つのであればご遠慮なくお使いください。
今後とも何卒宜しくお願いいたします。

goo-needsより
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