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本当の「暴挙」 ~後期高齢者医療「廃止」法案をめぐる攻防

2008年06月07日 | 国会・政党・選挙
■ 「廃止法案」参議院を通過

 6日、後期高齢者医療制度「廃止」法案が、野党の賛成多数で参議院を通過しました。
 前日、参議院の厚生労働委員会では、採決を行うこと決めた委員長に与党が反発し、解任動議案を提出しました。これが否決されたことで与党は退席し、野党単独での採決となりました。
 これに対し、退席した与党議員は「暴挙だ」と、吐き捨てるように言いました。

■ 「暴挙」によって作られた制度

 さて、この後期高齢者医療制度をはじめとする健康保険法などの改定は、2年前に小泉内閣の退陣間際に行われたものでした。
 法案に反対する野党に対し、与党は衆議院厚生労働委員会で一方的に審議を打ち切り、採決を行いました。これもまた「暴挙」と呼ばなければなりません。
 その採決のあった日の議事録には、何度も「聴取不能」という言葉が登場します。つまり、乱闘騒ぎになるほど野党の反発は激しいものでした。

■ 「怒り」の対応

 この後、法案は参議院に送られました。野党はそこでも反対しましたが、衆議院での乱闘騒ぎのような激しいものではありませんでした。
 参議院の委員会採決の直前に行われた討論で、野党議員はこう語りました。

 「怒りを持って席を立ち、法案採決を欠席することもできるのですが、そうしたところでこの法案は通ってしまうでしょう。そうするよりも、国民の皆様にどれだけこの法案が国民生活に密接なかかわりのある重要な法案であるか、そして様々な問題点があるか、これを更に知っていただくために反対討論をすることといたしました。また、政省令や運用で歯止めを掛けていくためにも附帯決議を付けることを決意いたしました。」

 こうした野党の姿勢は、今回「怒りを持って席を立ち、法案採決を欠席」した与党の議員に、ぜひ見習ってほしいものです。

■ 「継続審議」は制度の放置

 今回の「廃止」法案の審議の舞台は、2年前とは反対に、参議院から衆議院に移りますが、そこでの与党の対応は、2年前の野党とは正反対のような姿勢です。
 与党は既に、ろくに審議もせずに会期末まで法案を引っ張り、「継続審議」に持ち込むことにしているのです。
 もしそうなれば、秋の臨時国会まで、この法案も制度も放置されてしまいます。「廃止」法案には、いま行われている保険料の年金からの「天引き」を、遅くとも10月1日までにやめさせることが盛り込まれていますが、臨時国会まで法案が放置されれば、その実現は不可能となり、10月以後も天引きは続けられることになります。
 いま政府は天引きの範囲の変更などを検討していますが、結局は制度はそのままにして、小手先の運用の改善で、国民の目先の批判をかわしながら、福田内閣の延命を図ろうとする政府・与党の思惑が透けて見えます。

■ 国民無視こそ本当の「暴挙」

 こうした与党の動きに対して、野党は今度こそ福田内閣への「問責決議案」を参議院で提出する決意を固めつつあります。
 福田内閣や与党はこれを無視する構えです。
 しかし、そこで無視されるのは、単に決議だけの話ではありません。この後期高齢者医療制度に反対する、高齢者やその家族、実際に医療に携わる多くの国民の声も、無視の対象です。
 さらに言うならば、福田内閣の支持率の低迷は、国民の福田内閣に対する「問責」の声ですが、これもずっと無視され続けてきたと言わねばなりません。
 ひたすら衆議院の解散を先送りし、政権と現在の衆議院での議席にしがみつき、国民の声を無視し続けることこそ、与党や福田内閣による本当の「暴挙」なのではないでしょうか。


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