呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

外資系病院参入の金額基準が引き上げか?

2012年06月06日 | 日記

 こんな本があります。

「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)

クリエーター情報なし
講談社

 サブタイトルが「医療は日本を救う輸出産業になる!」とありますが、ビジネスになるのではないかと思い買いました。まだ読んでいないのですが。ビジネスになるのではないかというのは中国に日本の病院が進出するというのをイメージしているわけですが、ここでちょっと中国における外資系病院に対する規制について見ていきます。

 今のところ外資系病院は2000年に公布された《中外合資、合作医療機構管理暫定弁法》に基づいて合弁または合作という形態に限られており、投資総額が2000万元、中方の出資比率は30%以上であることが要求されています。そして、香港・マカオ・台湾系については出資比率要件が一部緩和されており、直轄市と省都については独資での開設が、そして台湾系についてはこれに加えて福建省、広東省、海南省、江蘇省で独資行院の開設が認められています。日系に関しては個人的には開設した後に患者を集める必要があることを考えると独資よりも合弁の方がいいとは思っているので、この程度の制限は特に気にはなりません。

 ところが最近この《中外合資、合作医療機構管理暫定弁法》の改正が検討されており、この意見募集稿が発表されていますが、ここで投資総額を2000万元から1億元に引き上げられるという内容になっているとのことです。ちなみにこの2000万元という金額については香港・マカオ系については1000万元に引き下げられています。中国側からすると外資系の病院であれば1億元くらいの規模の先進的なものを持って来いということなのでしょうが、総合病院のような大病院であればいざ知らず、病院の形態によってはそもそもこんなに資金を必要としないものがあります。具体的に言われているのが歯医者や口腔科なんかがそうです。これらは一般的に大病院のような規模を必要とせず、現行の2000万元すら必要でなく1000万元もあれば十分です。そんな中で1億元とは大きく来たものです。外資の歯医者の類はもういらんと言っているようなものでしょう。それでなくても多くの外資の病院はまずはクリニックレベルで入ってきて、運営していく中で中国の医療に関する政策、状況、費用体系といったことについて勉強してからその次のステップとして本格参入を考えているところが多いです。それがいきなり1億元ともなるとリスクが大きいですよね。現時点で外資系病院は220が登録されていますが、実際に運営されているのは60余りだそうで、それら以外の多くはうまく行っておらず運営されていないようです。こんな状況で投資金額基準を引き上げられても外資系としては困りますよね。あくまで意見募集の段階ですが、果たしてどうなることやら。


カルフールがリベートの最低保証を一部で撤回

2012年06月05日 | 日記

 中国の小売業者がサプライヤーから入場料なるものを徴収していることを知っている人は少なくとも現場にいる人ならだれでも知っていることだと思います。棚に商品を置いてもらうためにこの入場料なるものを支払わないとそもそもスタートラインにすらたどり着けないというものです。これに加えてリベートが発生するのですが、このリベートも小売業者が要求する売り上げ目標を達成しなかったとしても最低保証のような感じであたかも目標を達成したのと同じ水準でリベートを支払わされます。しかしながら、少し動きが出てきました。

  

 5月20日にカルフールが20社のサプライヤーとの間で締結している契約に対する補充契約を締結したのですが、この中にサプライヤーが年間売り上げを達成しなかった場合、従来であれば達成したのと同じ水準でリベートを支払っていたものが、この補充契約により実際の売上高に応じたリベートを徴収するという内容に変更されたというのです。また、売り上げ目標に達しなかったサプライヤーから最低保証見合いで過剰に徴収していた、すなわち実際の売上高に応じたリベート以上に徴収していたリベートを返還することにも同意しました。従来の中国の小売業界の構造からするとあまりにも画期的な動きです。今のところこのような補充契約を締結したのは北京地区の20社に過ぎませんが、この動きが全国的に広まる可能性もあるようです。

 小売業者がサプライヤーからなんやかんやと費用徴収するのは問題だということで、この辺りの調査がずっと行われていますが、それを受けての措置といえるでしょう。カルフールとしてはこれにより利益率が下落してしまうのは言うまでもありません。そうでなくても賃料や人件費コストの上昇により利益率に影響する中、サプライヤーに対してこのような措置が取られるというのは非常に画期的であります。果たして今後カルフールはどの時点で同様の措置を全国的に適用するのか、また他の小売業者も今後同じような措置を取るようになるのか、このあたり非常に気になります。販売力のあるカルフールがこのような措置を取れば他の小売業者も追随せざるを得なくなるでしょう。中国の小売の構造が大きく変わるきっかけになるかもしれません。


ユニクロの郊外店舗に行ってきました

2012年06月04日 | 日記

 5月26日にユニクロが上海の郊外に店舗を開店しました。最初新聞で見たときは「Drive-in」とか「自駕購」(駕は運転するという意味です)と紹介され、まさかドライブスルーなわけないよなと思いながらよく記事を読んでみると要するに郊外店舗を開設するということでした。地下鉄で行けない郊外、自家用車で行きたい郊外、というロードサイドの立地での開設は、今までになかったタイプです。ということで、見に行ってきました。ちなみにバスか自家用車で行く人が多いのかと思いますが、タクシーで行くのはもったいないですし、自宅からだとバスで1時間近くで行くこともできるのですが、私はバイクで行ってきました。自宅から30分くらい運転したでしょうか、ただでさえ悪い運転マナーが郊外に行けばいくほど悪くなり、到着するまでの間だけで3回くらい轢き殺されそうになりましたが、この辺りは気合で何とかクリアしました

  

 自家用車での来店を期待していると思われるだけのことはあって、店舗が近づいてくるとロードサイドにのぼりが目立ち始めました。

  

 付近は郊外だけあってホームセンターやそれと同じようなものが多かったです。

  

 ここで昔カーテンを買ったことがあります。

 いよいよユニクロが見えてきました。

   

 そして到着です。郊外店舗だけあって駐車スペースがあります。

  

  

 店舗の中の写真を撮ると怒られそうなのであまり撮りませんでしたが、ほかのユニクロの店舗と全く同じ雰囲気でした。2階建てなのですが、2階から1回にエスカレーターで降りるところだけ撮りました。 

 オープンしてから約1週間ですが、個人的に思うにこんな辺鄙なところにしてはよくお客さんが入っているなあと思いました。レジに並んでいる人もいましたのでまずまずではないかと思います。それにしてもこんな場所に出店するというのは結構思い切った選択だなあと。かなり周辺をリサーチしたのだと思います。それをせずにここに出したらアホですからね。5年後にはこのような郊外店舗の比率を20%にまで持っていく計画とのことです。

 この日は天気が良くて、また適当な道を走っていたらたまたま車の通りが少ない道を走ることになり結構気持ちよく走れました。そしてたまたまハーレーダビッドソンのお店を見つけました!アメリカンタイプには乗ったことがありませんが、バイク好きなのでついついのぞいてしまいました。

     

      

 以前上海市内をバイクで走る場合125ccまでという制限があったのですが、とある展示会の会場で聞きましたところその制限はもう解除されているそうです。そうじゃないとハーレーみたいなバイクなんてさすがに売れないですよね。ちなみにハーレーの販売会社である上海現地法人は調べましたところ2009年に設立されています。125ccまでしか走れなかった時代はさすがに進出してなかったようです。いつか乗り回してみたいです。