先日の中国国家統計局が発表しないデータ(その1)の続きです。
中国では毎年の非正常死亡人数というのが320万人を超えているというものです。内訳を見ていきましょう。
(1)毎年の自殺死亡者は28.7万人
(2)毎年の薬物不良反応による死亡者約20万人
(3)毎年の医療事故による死亡者20万人(推定)
(4)毎年の肺塵症による死亡者約5000人(推定)
(5)毎年の結核による死亡者約13万人
(6)2005年に全国の甲、乙類伝染病3,508,114例、死亡13,185人
(7)毎年の道路交通事故死約10万人
(こちらもご参考ください http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/e/ac46acda0cff2fb5db890f45ba5db29b)
(8)毎年の内装工事汚染により引き起こされる死亡人数は既に11.1万人に達している
(9)毎年の労災事故死亡約13万人余り
(10)毎年の感電死約8000人
(11)毎年の火災の年間平均損失は200億元近く、2300人余りの民衆が死傷
(12)毎年1.6万人の小中学生、3000人の大学生が非正常死亡
(13)毎年の死刑執行はざっと1万
(14)各種刑事事件の死亡は年間平均7万人近く
(15)広州では毎年引き取り手のない死体が約1200
(16)毎年の不適切な使用による農薬中毒死亡人数は1万人に達する
(17)毎年の食中毒による死亡者数は数万人
(18)1986年のアルコール中毒による死亡者は9830人
(19)毎年の過労死による死亡者数60万人
(20)大気汚染による死亡者数38.5万人
(1)~(20)の合計が約230.5万人になります。
(21)注射の不注意による肝炎とエイズの感染により39万人が早く死亡、そして6890万寿命年の損失
(22)5歳以下の児童の死亡が毎年100万人近く
これもあわせると328万人以上になります。重複していると思われるものや統計が不完全な部分があることを考慮しても非正常死亡者数は300万人以上でmそのうち80%が過失による事故によるものだとのことです。
これらの数値が多いかどうかは比較論でしか語れないと思いますので、中国が特別ひどいかどうかはこれだけではわかりません。日本の調べ易そうなところだけデータを拾ってみました。
自殺者(2010年):31,690人・・・人口対比だと日本のが多いですね。
医療事故による(1998年):26,000~46,000人(推定)・・・これも人口対比だと日本のが多いですね。ただし、この数値はあくまで米国の数値を参考にした推定値です。
結核による死亡者数(2004年):2,328人・・・これは日本は圧倒的に少ないですねえ。
労災事故による死亡者数(2010年):1,195人・・・人口対比率で考えると中国も特別多いとはいえないですね。
食中毒による死亡者数(2008年):4人・・・めちゃめちゃ少ないです!
アルコール中毒による死者数ですが、これは果たして単なる中毒の数値なのか、急性アルコール中毒の数値なのかがわかりません。東京都レベルだと年間で一桁程度です。アルコールハラスメントという言葉があると知りましたが、日本でもありますが、中国はもっとひどいでしょうねえ。
過労死数(2009年):労災補償請求件数767件に対して支給決定件数293件・・・まあ、本当はこんなもんじゃないんでしょうね。中国の場合は炭鉱とかの過酷な状況での勤務による過労死が多いのかもしれません。
これを公表することにより特別混乱を招くとはあまり思えないですが、中国の場合はとにかく絶対数が多いのでそこをつつくことはたやすいでしょう。でも医療事故による死亡は現在の中国の医療レベルからするともっと多い可能性があるのではないでしょうか。治療に当たって前金を要求し、それを待っている間の手遅れになってしまうのは医療事故には入らないと思いますが、そういうケースも少なくないでしょうねえ。中国の場合は医療に関する保険制度が余り充実していないためにそうなっているということもあるでしょう。そう考えると日本の保険制度は利用する側からすると本当にありがたい制度だと思います。知り合いの医師に聞いたところ、日本みたいに患者に対して手厚い保険制度は世界的に見てもそれほど多くないそうです。ということは、保険財政もそれほど楽ではないということは容易に想像できます。最近は年金ばかりが話題になっていますが、そう遠くないうちに医療保険にスポットが当たる可能性もあるかもしれないですね。