呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

(12/21上海セミナー案内)中国における賄賂・キックバックのリスク

2011年12月06日 | 日記

 6月に一度上海で行ったことがあるのと同じ内容になるですが、もう一度同じテーマで掲題のセミナーをやってみようと思います。小規模で行いますので、参加者同士での交流も行うことができるような形でイメージしています。以下はセミナーの紹介分です。


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 中国で物事を進めるなかで賄賂やキックバックといった不透明なお金が話題になることがよくあります。しかしながら、そういったことがどれだけのリスクを持つものであるのかにまで意識をしたことがない人は多いのではないでしょうか。


 つきましては、こういったものが発覚した場合どういったリスクを含んでいるのか、どういった罰則を受けることになるのかを中心に紹介していきたいと思います。

 

 ご都合がつくようであれば是非ご参加ください。

 

日時:1221日午後2時~3時半

場所:拓知管理諮詢(上海)有限公司

(上海市長寧区仙霞路88号太陽広場西塔301D室・・・婁山関路×仙霞路)

講師:拓知管理諮詢(上海)有限公司

    総経理 呉明憲

費用:100/

定員:8

(定員が少ないため、同業者のお申し込みはご遠慮いただきます)

申し込み方法:参加者の以下の内容をgomeiken@tnc-cn.comにまでお送りください。

(1)お名前

(2)会社名

(3)メールアドレス

 

 

以上、お申し込みをお待ち申し上げております。


老人ビジネスはどの都市が狙い目か

2011年12月06日 | 日記

 中国は一人っ子政策の影響もあり高齢化が通常の国家よりも進んでいます。この辺りはいろんなところで紹介されていますよね。2010年には65歳以上の人口が8.3%に達し、こういうこともあって中国では老人ビジネスがチャンスだといわれています。ちなみに日本と中国を比較してみましょう。 

 

65歳以上の全人口対比率(%)

 

1980 

1990 

2000 

2005 

2010 

2025

2050

日本

9.0

12.0

17.2

19.7

22.5

29.5

37.3

中国

4.7

5.4

6.8

7.7

8.4

13.7

23.7


 

 中国の高齢化が進んでいることを紹介しようと思ったのですが、それ以上に日本の高齢化が激しいです。中国が今の日本と同じ水準になるのは2050年あたりになりそうです。とはいうものの、中国の場合は絶対数がとにかく多いので、そこを狙いたいところですが、外資にとってはこの分野のビジネスが決して活性化されているとは言えないのが現状ではないでしょうか。

 

 中国では仕事が忙しくなってきたことに加えて養老介護が専門化してきていることが老人産業を発展を推し進めてきているといわれています。自分で生活できる老人に対して提供する補助型生活社区から体力の弱い老人のための介護型養老院まで、年金を受け取っている人に対して食住を提供する民間機構のニーズが大幅に上昇してきています。少なからずの不動産ディベロッパー、保険会社、国内外の投資者が100億元にも上る資金を投入しています。

 

 ただ、どんなビジネスでもそうですが闇雲にやればいいというものではありません。投資をするからにはどれくらいのペースで回収できるか当然スタート時点で目標を設定しておく必要があります。《商業価値》という中国のビジネス雑誌が各地の一人当たり平均GDP、人口、老人扶養比率及び養老院の数をベースに全国の養老産業の地理分布を出していますが、老人ビジネスを行う上で参考にすることができます。


(クリックすると拡大できます)


 参入するに当たっては一人当たり平均GDPが高いことはビジネスを進めていく上では当然外せない要素でしょう。老人扶養比率が高いというのは潜在的な顧客が多いとも言えるでしょう。養老院が少なければ参入にあたっての競争が少ないということが言えるでしょう。最も養老院が少なすぎると逆に業界としての活性化が難しいということも考えられます。

 

 データを見ていきましょう。上海、四川、重慶、江蘇、湖南、遼寧、浙江、安徽、天津、福建が老人扶養比率のトップ10です。北京、天津、上海、江蘇、浙江、内蒙古、広東、遼寧、山東等の一人当たり平均GDPは比較的高いです。これらの省市の中で内蒙古、広東、山東、福建、四川、重慶、湖南、湖北の養老院の数量は明らかに不足しています。ここで紹介した都市が比較的チャンスが大きいといえるのでしょうが、図も見比べたうえで老人ビジネスを行うにはどのエリアがいいのかを見てください。実際に行おうとしている人にとっては参考になるデータかと思います。


中国国家統計局が発表しないデータ(その2)

2011年12月04日 | 日記

 先日の中国国家統計局が発表しないデータ(その1)の続きです。

 中国では毎年の非正常死亡人数というのが320万人を超えているというものです。内訳を見ていきましょう。

 (1)毎年の自殺死亡者は28.7万人

 (2)毎年の薬物不良反応による死亡者約20万人

 (3)毎年の医療事故による死亡者20万人(推定)

 (4)毎年の肺塵症による死亡者約5000人(推定)

 (5)毎年の結核による死亡者約13万人

 (6)2005年に全国の甲、乙類伝染病3,508,114例、死亡13,185人

 (7)毎年の道路交通事故死約10万人

(こちらもご参考ください http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/e/ac46acda0cff2fb5db890f45ba5db29b

 (8)毎年の内装工事汚染により引き起こされる死亡人数は既に11.1万人に達している

 (9)毎年の労災事故死亡約13万人余り

 (10)毎年の感電死約8000人

 (11)毎年の火災の年間平均損失は200億元近く、2300人余りの民衆が死傷

 (12)毎年1.6万人の小中学生、3000人の大学生が非正常死亡

 (13)毎年の死刑執行はざっと1万

 (14)各種刑事事件の死亡は年間平均7万人近く

 (15)広州では毎年引き取り手のない死体が約1200

 (16)毎年の不適切な使用による農薬中毒死亡人数は1万人に達する

 (17)毎年の食中毒による死亡者数は数万人

 (18)1986年のアルコール中毒による死亡者は9830人

 (19)毎年の過労死による死亡者数60万人

 (20)大気汚染による死亡者数38.5万人

 (1)~(20)の合計が約230.5万人になります。


 (21)注射の不注意による肝炎とエイズの感染により39万人が早く死亡、そして6890万寿命年の損失

 (22)5歳以下の児童の死亡が毎年100万人近く

 これもあわせると328万人以上になります。重複していると思われるものや統計が不完全な部分があることを考慮しても非正常死亡者数は300万人以上でmそのうち80%が過失による事故によるものだとのことです。


 これらの数値が多いかどうかは比較論でしか語れないと思いますので、中国が特別ひどいかどうかはこれだけではわかりません。日本の調べ易そうなところだけデータを拾ってみました。

 自殺者(2010年):31,690人・・・人口対比だと日本のが多いですね。

 医療事故による(1998年):26,000~46,000人(推定)・・・これも人口対比だと日本のが多いですね。ただし、この数値はあくまで米国の数値を参考にした推定値です。

 結核による死亡者数(2004年):2,328人・・・これは日本は圧倒的に少ないですねえ。

 労災事故による死亡者数(2010年):1,195人・・・人口対比率で考えると中国も特別多いとはいえないですね。

 食中毒による死亡者数(2008年):4人・・・めちゃめちゃ少ないです!

 アルコール中毒による死者数ですが、これは果たして単なる中毒の数値なのか、急性アルコール中毒の数値なのかがわかりません。東京都レベルだと年間で一桁程度です。アルコールハラスメントという言葉があると知りましたが、日本でもありますが、中国はもっとひどいでしょうねえ。

 過労死数(2009年):労災補償請求件数767件に対して支給決定件数293件・・・まあ、本当はこんなもんじゃないんでしょうね。中国の場合は炭鉱とかの過酷な状況での勤務による過労死が多いのかもしれません。


 これを公表することにより特別混乱を招くとはあまり思えないですが、中国の場合はとにかく絶対数が多いのでそこをつつくことはたやすいでしょう。でも医療事故による死亡は現在の中国の医療レベルからするともっと多い可能性があるのではないでしょうか。治療に当たって前金を要求し、それを待っている間の手遅れになってしまうのは医療事故には入らないと思いますが、そういうケースも少なくないでしょうねえ。中国の場合は医療に関する保険制度が余り充実していないためにそうなっているということもあるでしょう。そう考えると日本の保険制度は利用する側からすると本当にありがたい制度だと思います。知り合いの医師に聞いたところ、日本みたいに患者に対して手厚い保険制度は世界的に見てもそれほど多くないそうです。ということは、保険財政もそれほど楽ではないということは容易に想像できます。最近は年金ばかりが話題になっていますが、そう遠くないうちに医療保険にスポットが当たる可能性もあるかもしれないですね。


中国国家統計局が発表しないデータ(その1)

2011年12月02日 | 日記

 中国国家統計局が発表しないデータというブログ記事を見つけました。なかなか興味深かったので一部を抜き出して紹介したいと思います。ちょっと個人的なコメントも付け加えました。

1.犯罪比率

 1999-2003年の最高検察院と最高法院の報告等の関連データから推定される犯罪比率データは次のとおりです。

 中国一般民衆: 1/400
 国家機関人員: 1/200
 司法機関人員: 1.5/100

 国家機関人員の犯罪比率が一般民衆の2倍、そして司法機関人員の犯罪比率が一般民衆の6倍にもなります。

 

2.収入対比住宅価格

 合理的な住宅価格と家庭年収との比率を国ごとに比較しました。

 世界銀行の標準     5:1
 国連が制定する標準  3:1
 アメリカ     3:1
 日本       4:1
 シドニー     8.5:1
 ニューヨーク  7.9:1
 ロンドン     6.9:1
 ソウル      7.7:1
 東京       7.9:1
 シンガポール   5:1
 中国       20~30:1
 北京・上海・杭州等 40:1

 先進国や都会ほど年収対比住宅価格が高いという傾向が見られますが、そうなると中国は超大都会、と北京・上海・杭州等あたりはもう合えいえないレベルの大都会いうことになってしまいますね!

 

3.国有企業人員の収入

 電力、電信、石油、金融、保険、水電気供給、タバコ等の国有業種の従業員数は全体の8%に過ぎないながら、その8%の従業員が得る給与と給与外収入の総額は全国従業員給与総額の55%にものぼります。富めるものがどれだけ富を独占しているかという比率はたまに見かけますが、こういう観点ははじめて見ますね。でもこれを見る限り不満に思う人は少なくないでしょうねえ。国有企業とはいえ同じ勤め人、こんなに格差があるのは確かに不公平ですから。

 

4.日韓との収入比較

 1955年の中国の一人当たり平均収入は韓国の3.2倍、日本の1.1倍。
 2008年の中国の一人当たり平均収入は韓国の7%、日本の3%。

 これまたえらい逆転振りですねえ。でも日本と比べて本当にこんなに差があるのでしょうか。中国の場合は貧富の差が激しいので平均値をとるとこうなってしまうのかもしれません。

 

5.官民の比率

 時代ごとの民と官の比率です。これは昔の時代はかなり選ばれた人のみが官の地位にあったのが、現代ではそれが様変わりして官が多すぎるということをいいたいのでしょうかね。

 西漢 7945 : 1
 東漢 7464 : 1
 唐   2927 : 1
 元    2613 : 1
 明    2299 : 1
 清      911 : 1
 現代     67 : 1


6.生産総額対比率

 ここでいう生産総額が国内生産総(GDP)を指すのか、国民総生産(GNP)のどちらを指すのかよくわかりませんが、国別に比較していますので、比較論でイメージをつかんでもらえばいいと思います。

 (1)行政費用の生産総額に対する比率
 中国    :25.6%
 インド   :6.3%
 アメリカ  :3.4%
 日本    :2.8%

 日本の行政費用安いですねえ!

 (2)教育、医療費用の生産総額に対する比率
 中国    :3.8%
 インド   :19.7%
 アメリカ :21.5%
 日本    :23.3%

 日本も新聞やニュースでは色々ぐちゃぐちゃといわれてますが、これを見る限りではいい国ですよねえ。でもここでは教育と医療が混じっているのではっきりとわかりませんが、ゆとり教育でも結構お金がかかるんでしょうか。

 全体的に見ますと日本はやっぱり洗練されているといえるのではないでしょうか。明日はちょっと暗いのですが、中国の非正常死の死因について紹介します。それを見ると世相が問題点が浮かび上がってきますので、是非ご覧いただきたいと思ってます。(続く)