2011年9月6日付で《国家外貨管理局 国家税務総局 税関総署:貨物貿易外貨管理制度改革試点に関する公告》が交付され、12月1日より施行されることになりました。これに基づいて、試点期間において試点地区(江蘇、山東、湖北、浙江(寧波を含まず)、福建(廈門を含まず)、大連、青島等の省市)で本公告に基づいた取り扱いが行われることになります。本日はこれの大まかな内容について紹介したいと思います。
1.貨物貿易外貨管理方式の改革
本公告の付属文書として《貨物貿易外貨管理試点手引》と《貨物貿易外貨管理試点手引実施細則》が発表されています。これらにより企業は輸出外貨回収の核銷手続きを行う必要がなくなります。
2.試点地区企業に対する動態分類管理の実施
企業に対してA類・B類・C類の3つに企業を分類します。
A類 |
輸入支払いの書類を簡素化します。輸入報関単、契約または発票(インボイス)等のいずれかひとつの取引の真実性を証明できる書類に基づいて銀行で直接支払いができ、輸出回収支払いについてオンライン審査を行う必要がない。 |
B類 |
貿易外貨収支について銀行は電子データ調査を行う。 |
C類 |
貿易外貨収支は外貨管理局の個別登記後に処理しなければならない。 |
分類が高ければ高いほど支払・回収の事務負担が軽減されます。
3.輸出税額還付証憑の簡素化
輸出税額還付の申告に際して、あらためて紙ベースの輸出外貨回収核銷単の提出が不要となります。輸出外貨回収の核銷が不要となることによるものですが、税務局は外貨管理局が提供する輸出外貨回収の情報と分類の状況を参考に、輸出税額還付の審査を行うことになります。
4.輸出通関フローの調整
輸出通関に際して引き続き現行規定に従って輸出外貨回収核銷単の提出は必要です。項目1で輸出外貨回収核銷手続きを行う必要がなくなるとあり、これと矛盾するように見えます。外貨管理局と税務局は輸出外貨回収核銷単を不要としますが、税関ではいましばらく必要とされるからです。ただし、貨物貿易外貨管理制度改革が全国に普及した後、税関総署と国家外貨管理局は輸出通関フローを調整し、輸出外貨回収核銷単を廃止するとされています。
5.部門連合監督管理の強化
以上に上げた一連の政策は外貨管理局、税務局、税関が協同することではじめて実現するものといえ、この三部門は今後一段と連携していくことになります。なお、外貨管理、輸出税額還付、輸出通関等の具体的な内容については、関連部門が別途規定を制定することになります。
以上の精神に基づいて事務が簡素化されていきますと、企業・銀行双方にとって事務負担が大きく軽減されます。本日は大まかな内容について紹介しましたが、はたしてこれらがフィージブルなのか等も含めて、近々もう少し詳細な内容について紹介して行こうと思います。