呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

日中の交通事故保険の違い

2009年06月10日 | 未分類
 
  日本にも自賠責があるように中国にも自賠責がある。比べてみると結構面白い数字が出た。
 
 
保険料
(小型自家用車両)
保険金額
日本
13,850/
死亡
3000万円
後遺障害
4000万円
中国
950/
死亡障害
11万元
医療費用
1万元
財産損失
2000
                                           (1元は約15円)
  どう見ても日本の保険料のほうが割安で、中国の保険料が激高にしか見えない。あまりにも割高だ。そもそも中国ではどれくらいの賠償金が発生するのだろうか。自動車で死亡事故を起こした場合を想定してみた。参考までに日本の場合の計算方法もご参考。
 
 
賠償金計算方法
日本
交通事故で亡くなられた方の年収×(1-生活費控除率就労可能年数に対応するライプニッツ(新ホフマン)係数
中国
前年度の都市居住者平均可処分所得または農村居住者の平均純収入を基準に20年で計算(但し、60歳以上の場合、1歳加齢毎に1年減少させ、75歳以上の場合は5年で計算)。
 
  中国の平均可処分所得についてネットで調べてみたところ、上海市の2008年都市居住者平均可処分所得が26690元、農村居住者だと11400元だそうだ。ここで仮に上海市の35歳の都市居住者が交通事故でなくなった場合を考えてみよう。平均可分所得×20年ということなので26690×20533,800元(約8百万円)と出た。農村居住者だと11400×20228000元(約3.4百万円)と出た。金額が小さいのに驚くが、それでも自賠責だと全然足りない。日本の場合は一般的に自賠責以外にも任意で保険に加入して万一の場合に備える。特に人身事故に対しては金額無制限で付保している方が多いだろう。翻って中国の場合も(ここでは上海)どう見ても自賠責だけでは足らないだろうから、任意保険を付保する必要があるだろう。任意保険(商業保険)の補償内容は、一般的には第三者賠償(対人賠償・対物賠償)が20-50万元と極めて低いものになっているが、上海の都市居住者を例にとって見た限りでは、20-50万元の範囲であれば賄えなくもなさそうだ。結局任意保険でカバーするということは同じようだ。ただし、中国のような貧富の差が激しい国で賠償金をこのような一律計算で行うというのは問題といえるだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。