呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

上海高島屋に関する現地報道

2014年06月02日 | 日記

 2012年12月にオープンした上海高島屋、日本ではあまり注目されていないと思いますが、上海でもあまり注目されていません。いや、違う意味で注目されているかもしれません。聨商網というサイトで高島屋について紹介されていました。タイトルは、「上海高島屋の一部ブランドが店舗撤収、分析によると三つの誤りが存在」というものです。中国メディアが言うところの三つの誤りについてみてみましょう。

 

 

1.立地選択の誤り

 上海高島屋は海外で3つ目の店舗で、中国には初進出の店舗です。立地選択には時間をかけていたようですが、調査した人が報告を提出して社内で上げていくうちに、最後に決済する人の手元に到着した時にはデータが大きく違っていたとのこと(私じゃなくてメディアの報道で書いていたことです)。調査報告の結果、立地は現在の場所である上海古北地区に決定。この場所の周囲は住宅地で、ショッピングエリアはオフィスもそれほどない場所です。高島屋たる百貨店であれば南京西路や淮海西路のほうがふさわしかったでしょう。

 

2.商品ポジショニングの誤り

 上海高島屋で扱っているブランドは日本ブランドがメインで、知名度が高くなく、その割には価格も安くない。そのため、同じ条件(ここでは価格のことと思われる)であればちょっとしたブランドの商品を購入することになります。その後上海高島屋も商品の調整を行い、飲食に関しては日韓系ブランドを入れるようになったものに、店舗誘致に全体のポジショニングには変化が見られません。

 

3.内装、サービス等のソフトに特筆すべき点がない

 上海高島屋は日本の高島屋と比べると内装のスタイル、サービスともに大きく差があり、お客さんのリピートが難しい。

 

 

 そして、衣料品の比率を下げて、ポジショニングを日系の日用品、化粧品及び特色のある用品にすれば、業績を伸ばすことができるのではないかと締めています。

 

 以上です。繰り返しますが、私の考えではなくて現地メディアの記事に書いてあることです。私は上海高島屋を評価するほど行ったことはありませんが、立地については確かにちょっとなあと思います。これは上海在住の多くの人が同じように言ってます。そもそもあのエリアで買い物しようと思うと上海高島屋しかありません。例えば、新宿に行けばそれこそ高島屋があり、伊勢丹もあれば小田急もありと、選択肢がいろいろあるのですが、上海高島屋は本当にそこしかないのです。なので、ちょっと買い物に新宿に行くというお出かけスタイルはとることができず、上海高島屋に行くという明確な目的意識がある人だけが行くことになっているのではないでしょうか。周りは住宅地なのでスーパーだったらよかったのかもしれませんが。私ももちろん何度か行たことはありますが、地下のスーパーくらいにしか行ったことがなく、しかし価格があまりにも高くて。。。上のフロアーには最初のころに一度行ったきりですね。頑張ってほしいとは思いますが、果たして今のままで巻き返せますかねえ。


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