呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国で日系企業の破産は増えるのか

2008年10月17日 | 未分類
  今年に入って日本で倒産件数が増加しているという。そして米国金融危機の余波が全世界を駆け巡り、日本もその影響を受けるのは必至だろう。そうなると日本での倒産件数がさらに増加するかもしれない。これが中国にどのような影響を及ぼすだろうか。

  以前知り合いの日本人・中国人弁護士と話をしていたところ、中国において日系企業の破産が今後増加していくのではないかという話が出た。これには二つ原因があり、ひとつが上にあげた日本での倒産件数が増加していること、そしてもうひとつが中国の破産法が2007年6月1日より施行されたことだ。それまでの中国の《破産法(試行)》は国有企業の破産を対象としたものであり、外商投資企業の場合は《民事訴訟法》の破産に関する規定を適用することになり、結局のところこのような規定がありながら実務上の実行性がない等の理由から、実際に外商投資企業の破産が受理されたケースは非常に少なく、地方によっては最初から外商投資企業の破産案件を受理しないところもあったくらいだ。そのため、従来日系企業の撤退のひとつの方法として清算を選択する場合、債務をきれいにするために親会社からの増資等による支援を受けて債務を返済するという光景がまま見られた。返済できなかった場合、親会社の信用にも影響するからだ。しかしながら、今後は親会社自体の体力が落ちてきているため中国の子会社支援どころじゃない、加えて外商投資企業にも適用される《破産法》の施行により日系企業の破産が増加していくのではないかという見方だ。冒頭にも書いたように、米国金融危機が日本にも影響することは間違いないだろう。そうなるとこの考え方も決して間違いとはいえないだろう。

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