少し前の話になるが、上海アメリカ商会(商工クラブ)が《2010-2011年中国商業レポート》を発表している。調査対象となったのは346社。それぞれの項目についてみてみよう。
1.売上高
2010年の売上高については87%の企業が増加したという結果が出ている。次のとおり2008年・2009年と比べて大きく伸びていることがわかる。2009年対比の伸びが大きいのは金融危機により大きく落ち込んでいたことが原因であろう。
2009年比:+40ポイント
2008年比:+10ポイント
2.利益
79%の米国系企業が「比較的高い利益」または「一般的な利益」を計上している。これも次のとおり2008年・2009年対比増加している。
2009年比:+14ポイント
2008年比:+9ポイント
3.中国での売り上げ成長(グローバルベース対比)
金融危機からいち早く回復した中国であるが、2010年のグローバルでの売り上げ成長水準との比較は次のような結果が出ている。
「かなり高い」or「やや高い」:73.3%
「同じくらい」:18.8%
「やや低い」or「:かなり低い」:7.8%
ネガティブな結果が出ているのはわずか7.8%に過ぎない。
4.中国での利益成長(グローバルベース対比)
「かなり高い」or「やや高い」:49.2%
「同じくらい」:28.8%
「やや低い」or「:かなり低い」:22.1%
80%近くがグローバルベースと比べて同じかそれ以上との結果が出ている。
5.2011年の展望
(1) 売上高
成長:88.7%
10%以上成長:71%
「やや低い」or「かなり低い」:22.1%
(2) 対中投資
15%以上増加:41%(前年比倍増)
50%以上増加:8.5%
「やや低い」or「かなり低い」:22.1%
売上高、対中投資ともかなり強気に見ていることがわかる。ネガティブに見ているのが22.1%もいるのはちょっと多いような気もするが。
対中投資についてみると、約70%の企業が中国についてグローバル投資計画のトップ3に入れている。また、4分の1強の米国系企業が中国の二、三線都市に拡張をすると明確にしている以外に、20%の被調査企業が関連するフィージビリティースタディーを行っており、新たな投資計画を行おうとしているが、この数値は前年比6.2ポイント上昇している。
せっかく日本はアメリカよりも地理的には優位にあるはずです。中国という市場を利用して大いに稼ごうじゃありませんか!