呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

お米の汚染

2011年02月15日 | 日記

 中国で出回っている米の約10%にカドミウムが含まれているという報道を見ました。以前2002年に農業部が調査したときも同じような数値でした。2007年にもう一度調査したところやはり10%程度が基準値オーバーという結果でした。カドミウムといってもどんなものかわからないかもしれませんが、イタイイタイ病を引き起こした成分といえばイメージが湧くのではないでしょうか。また、カドミウムのみならず、その他の重金属も基準を超過しているようです。中国内陸部でメチル水銀を摂取するのは魚類ではなく米を通じてという結果が出ています。これも2002年に調査したときは3割近くが基準値オーバーだったとのことです。メチル水銀は水俣病を引き起こした成分です。

 

 食品が汚染されるのはかなわないですし、しかもこれは主食である米です。自分の食べている米は大丈夫なのかなあとふと思いました。普通の米も買ったことがありますが、いつもは「日本米もどき」を購入してます。日本と比べてずっと安いですが、一般の米よりはずっと高いものです。高いものは相対的に安全化とは思うのですが、大丈夫かなあ。今のところは特に問題を感じてはいないのですが、こういうのは蓄積されていくものなのでねえ。

 

 以前有機野菜について書いたときには、有機野菜としての管理が甘い、認定基準が甘いといったことを紹介しました。有機野菜ですらこうですし、主食の米でこんな問題が起こるとやっぱり「中国食品は・・・」となってしまいます。まあ、あまりうるさく言っていると食べるものがなくなってしまうかもしれませんが。

 

 中国の消費者ですら中国食品を疑っている人は少なくないように思います。粉ミルクを代表として結構問題を起こしてますからね。そういう意味で日本あるいは日系食品はもっともっとチャンスがあるように思います。「日本」「日系」というブランドがどこまで通用するかという問題はありますが、衣類や家電類と違って人体に摂取するものであることを考えるとまだまだ「日本神話」は通じるように思います。特にベビーに関してはご存知のとおり粉ミルクに対する信頼度はかなり高いです。私も今回の出張で頼まれてしまいました。もちろん、底辺の生活をしている人にとっては関係ない世界ですが、中国食品のネガティブ報道が続く間はまだまだチャンスはあるように思います。ただ、食品はいったん問題を起こしてしまうと、そのマイナスイメージを取り返すのが大変なので、それをおそれて中国市場をもっと攻め込むのためらっているところはあるかもしれませんね。


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