今日は中国の様々な商品の利益構造について見ていきたいと思います。対象となる商品は16書類、それぞれどれだけのコストが発生し、どれだけの利益が最後に残るのでしょうか。
1.書籍
20元の書籍のうち、印刷費や紙代で25%のコストが生じます。そして、8%が著者の印税、25%が出版社の利益、12%が中間ディーラーの利益、小売業者に残るのは30%になります。結構いい儲けですね。
2.コンドーム
杜蕾斯というブランドのコンドームがあります。原材料コスト32%、広告コスト12%、ディストリビューター利益20%、管理コスト12%、研究開発7%、販売コスト5%、営業税3%、ということで、利益率は9%になります。
3.ミネラルウォーター
運営・広告コスト14.7%、水のコスト0.67%、ディストリビューター費用26.7%、瓶・ふた等のコスト11.3%、小売店費用33.3%、利益率13.3%。
水に対するコストはあまり意識されていないでしょうから、商品によっては何でこんなに高いのかと思う人もいるでしょうが、こういう構造になっています。しかし、ディストリビューターと小売り会社の合計で60%もコストが発生しているんですね。
4、茅台酒
管理コスト5.2%、ディストリビューター費用33%、販売・市場費用3.1%、税金6.4%、原材料コスト3.2%、利益率は何と49.1%!しかし、原材料コストはわずか3.2%しかないのですね。結構ぼろい商売ですね。
5.宝くじ
当選金コストが45%、結構返ってくるんですね。宝くじ収益金は30%。
6.エコノミーホテル(漢庭酒店)
中国には日本でいうところのビジネスホテルのような存在で俗にエコノミーホテルと呼ばれているホテルがあります。
空室コスト27.1%、物業賃料20.4%、水道高熱消耗品費7.9%、管理コスト5.8%、マーケティング費用1.5%、人件費11.7%、償却7.3%、税金2.9%、その他6.1%で、利益率が9.3%になります。
7.レゴ
中国でも人気のレゴ、その収益構造は?
レゴはみんな輸入品ですが、原材料コスト17%、ライセンス費用2.5%、生産ライン償却3%、人件費コスト18%、物流・マーケティング費用15%、店舗人件費コスト5%、税収コスト5.6%、純利益が13.9%になります。
8.育児コスト
ビジネスではないのですが、面白そうでしたので。
生後6か月までのコストの累計ですが、検査費用2000元、出産費用8000元(意外と高い)、哺乳瓶400元、ベビーカー600元、プール(プラスチック製)400元、おもちゃ500元、予防接種3500元、衣料費5000元、粉ミルク代2000元、その他食品800元、おむつ代1200元、お手伝い(6か月)12000元、合計で36000元もかかります。共働きだとお手伝いが必要なのでしょうがないのですが、ここが余分な出費に見えてしまいますね。
9の不動産は飛ばします。
10.三人家族の上海の生活コスト
物価上昇と人民元高の関係もあり、円ベースでの生活コストがものすごく上昇しています。
妻の衣料・化粧品1500元、光熱費500元、お手伝い2000元、食費2000元、幼稚園2000元、通勤コスト(昼食込み)2000元、自己研鑽費1000元、これらを合計するとなんと18,700元にもなります。今の為替レートだと34万円くらいになります。決して安くありません。
11.輸入ワイン
原料コスト14.4%、人件費コスト8.4%、ボトルコスト2.8%、輸送コスト6%、マーケティングコスト2.1%、代理省コスト9%、税金50%、酒庄の収益は7.3%になります。それにしても税金コストが高い。
12.輸入香水
関税33%、包装4%、メーカーコスト10%、営業税コスト2%、販売コミッション4%、広告8%、原材料コスト2%、販売省コスト17%、しめてメーカー利益10%、販売者利益10%になります。香水も関税が高いです。
13.TOTOの便器
なぜかTOTOという個別銘柄で便器のコストが紹介されています。
原材料コスト17.6&、広告費用6.6%、研究開発費3.6%、企業総合税収0.6%、行政・管理費用4.7%、製造費用、6.9%、ディストリビューター費用40%、そしてメーカー利益は20%です。メーカーの利益20%は結構いいですね。
商品の流通に携わっている人には参考になるかもしれないと思います。