呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

クロスボーダー人民元資本項目業務オペレーションに関する通達

2011年04月28日 | 日記

だあまり騒がれていないようなのでここで紹介したいと思います。201147日付で《国家外貨管理局総合司:クロスボーダー人民元資本項目業務オペレーションの規範化に関する問題に関する通知》が公布され、51日より施行されることになりました。経常項目におけるクロスボーダー人民元貿易決済が徐々に普及しつつある一方で、資本項目においては個別審査の対象となっておりましたが、本通知の中でオペレーションが紹介されています。詳しくはニュースレターを覧いただきたいと思いますが、概要だけ紹介します。

 

 

1.             クロスボーダー人民元国外直接投資業務オペレーション

「人民元を利用しての国外直接投資」と、「人民元と外貨、及び人民元の外貨転による国外直接投資」に関するオペレーションについて言及しています。

 

2.クロスボーダー人民元での外商直接投資業務オペレーション

クロスボーダー人民元での外商直接投資におけるオペレーションについて、(1)外商投資企業の登記及び変更登記、(2)資金の口座入金備案、(3)験資確認、(4)対外支払、が発生し、それぞれについての説明がされています。

 

 

3.国内企業の国外貸付業務のオペレーション

国内企業が国外宛に貸付業務を行う場合、貸付と回収に関するオペレーションの説明がされています。

 

4.クロスボーダー人民元の対外(偶発)債務業務オペレーション

クロスボーダーの人民元外債と人民元対外担保に関する説明がされています。

 

 

5.クロスボーダー証券項目業務オペレーション

A株上場会社の外資株主の人民元形式での持株売却及び配当所得の払い出し」とH株上場会社の人民元形式での外国株主への配当の払い出し」について説明されています。

 

 

商務部門に関して言えば今年225日付で公布した《商務部:外商投資管理工作関連問題に関する通知》の中で、国外投資者がクロスボーダー貿易決済で取得した人民元及び国外で合法的に取得した人民元を利用しての中国への投資(企業新設、現有企業に対する増資、国内企業の合併買収及び貸付提供等を含む)について認める旨の内容がすでに含まれており、クロスボーダーでの人民元投資は通達上可能となっております。流れとしては省商務主管部門は事前に商務部(外資司)に書面報告し、商務部(外資司)の同意回答書を待ってから、関連手続きを行うというものですが、通達が公布されてからの期間が短いため実例は多くなく、未確認情報ではありますが、実例はまだ3つの省にとどまっているとのことです。本通知により資金面での手続きもある程度整備されたことから、クロスボーダー人民元決済を活用している企業の場合、今後クロスボーダー人民元を活用して出資を行うことも検討手法の一つとして加わっていくことになります。


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