呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

上海自由貿易区の行政窓口が凄い混雑

2013年10月23日 | 日記

 上海自由貿易区がスタートしてから約3週間、個人的には話題になっているほど政策的に目新しいものはないと思っていますが、地元メディアもしょっちゅう自由貿易区について取り上げており、現地の人でもビジネスちゃんと考えている人は多いようで、それが庶民レベルにまで下りてきています。

 

 会社を設立するには登録地を確保する必要があるのですが、自由貿易区の場合は場所は市街地より離れているため、自由貿易区では登記だけをし、実際の業務は市街地で行うというケースが多くなります。もちろん、港が近いので物流会社あたりだと実際に自由貿易区で業務を行うケースも多いです。会社の性質によって登記だけで十分なのか、実際に業務を行うのかが分かれるということです。そして、登記だけで十分なタイプの会社でもいちおうは賃料がかかるわけで、これがどんどん上がっていくことを見越して転売目的で会社を設立する人が多いそうです。そのうち賃料も上がっていくから、今のうちに抑えておいて、後から会社を設立従っているところに会社ごと転売しようという考えです。なんでも、9月26日時点で1.8元/㎡/日だったのが10月12日には3.5元/㎡/日にまで跳ね上がったところもあるそうです。ここに目を付けたわけです。売却価格は投入額の倍を見込んでいるとのことで、これをその辺のおばちゃんでもやっているようです。

 

 こんなこともあるからでしょうか、私は現場を見ていないのでメディアで紹介されていることをそのままお伝えすると、毎日のように会社設立手続きに訪れる人が多く、午前10時以降あるいは午後3時以降だと窓口の番号札をもらうことはまずできないそうです。毎日550以上の企業の登録申請が受け付けられているそうで、とにかくすごい混雑ぶりのようです。ということは、本当に事業を行うことを目的としての企業の設立って騒がれているほどではない可能性がありますね。そういえばついこないだ『SKE松村香織 手売り限定ソロCD転売に激怒「ふざけんなよ」』という出来事がありました。SKE松村香織さんとしては本当のファンに買ってほしいという気持ちを裏切られる形で転売されていることに怒りを感じたということですが、転売目的の会社がたくさん設立されることに対して自由貿易区側はどのように考えているのでしょうかねえ。