8月中旬に中国を代表するB2Cショッピングサイトの京東、そして実体店舗を持ちながらネットショッピングにも参入した国美、蘇寧、この3社が価格戦を始めました。時系列でみてみましょう。ますは8月14日の動きです。
京東商城の劉強東CEOがマイクロブログで「三年間は粗利0、全ての大物家電は国美と蘇寧の店舗より10%以上安いことを保証、国美と蘇寧の店舗に価格調査員を派遣する」、とコメント。
その日の午後に蘇寧側が、「蘇寧の全ての製品価格は必ず京東より安く、蘇寧易購の価格が京東より高ければすぐに価格調整し賠償する」、とコメント。
その日の夜10時に国美側が、「いかなる形式の悪化苦戦も回避しない、8月15日9時より、国美電器ネットショップの全ての製品は京東商城より5%低くする」、とコメント。
消費者にとってはありがたい話ですが、こんな価格戦が果たして現実的に行われるのかと思う人もいたと思います。そして、そういう疑いを持った人の方が正解なのかもしれません。この価格戦の中で生じた疑いは次のようなものがあります。
(1) 虚偽価格
元々の価格よりも安くするというのが売りの価格戦ですが、ここでいう元々の価格は中国では「販促前の7日間の中での最低価格」をいいます。しかしながら、この元々の価格を虚偽表示し、販促価格が元々の価格よりも高いという現象が見られました。
(2) 0粗利の未履行
京東が3年間は粗利0にするとコメントしましが、行政部門の抜き取り調査によると粗利率が10%に達していたそうです。
(3) 在庫虚偽表示
低価格での販売をコミットしたものの、いざ買おうとすると在庫なしという表示が散見されたとのこと。実際には在庫があるにもかかわらず在庫なしと表示していたようです。
(4) 重複商品が少ない
そもそも京東の取扱商品がターゲットとする二社とバッティングしている商品がそれほど多くなく、そのため●●より安いと言われても比較の使用がないという現象が見られたとのことです。
なんだ、結局オチはこういうことかい。価格戦がスタートしたころ、こういうタイミングなのでせっかくだから新しく豆乳機を買おうと思い、京東のショッピングサイトのアクセスしたところ在庫なしと表示されていました。これって(3)に該当しそうですよね。そして、色々と価格比較をしたところ価格戦を行っているこの三社よりもアマゾンの方が安かったのです。ずっこけました。これって(1)と(2)に該当しそうですね。
結局この価格戦って一体何だったのでしょうかねえ。消費者を欺く行為に該当するということで罰則を課そうという動きもあるようです。なにもそこまでして価格戦なんてしなくてもよかったのにね。