呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

北京CBD(central buisiness district)のオフィス空室率が3分の1超

2009年01月15日 | 未分類
  上海のオフィス空室率が大きくなっていることは既に紹介しております(⇒上海のA級オフィスの空室率は15.4%)が、今日は北京の状況について紹介します。

  まずCBDという言葉について説明します。CBDとは、北京市朝陽区のウェブサイトの説明をそのまま引用しますと、「ビジネスセンター(Central Business District 略称CBD)、その由来は二十世紀20年代のアメリカにあります。もともとはビジネス集合の地という意味ですが、近代のビジネスセンターは金融、商業、貿易、情報や仲介サービス機関の集中を指しています。そしてたくさんのオフィスビル、ホテル、マンションなどの設備や発達した市内交通、通信機関を伴い、現代のビジネス活動にたいへん便利な場所となっています。ビジネスセンターは国家、地域が対外的にどれだけ開放されているかの度合いと経済的実力の象徴であるばかりでなく、近代的国際都市の重要な指標でもあります。ニューヨークのマンハッタン、パリのラ・デファンス、東京の新宿、香港の中環などは国際的に有名なCBDです。」とう区域です。

  そして、CBリチャードエリス社が調査したところによると、北京CBD区域の2008年第四四半期の空室率は35% にまで達しているとのことです。これまたすごい水準です。

  2008年第三四半期からオフィス供給量が大幅に増えたこと、加えて金融危機による外資金融機関のテナントが減少したことから、空室率水準はここ5年来で最高水準に達しています。確かにオフィス供給量は大幅に増加しており、過去の傾向を見ましても同じような場所に集中的にオフィスが出来上がるということが見られ、このような動きが一層拍車をかけてしまっています。そして、今後も空室率が少々していく傾向にあるようです。SAVILLS社によると2009年の賃料は引き続き下落し、2007年の水準にまで下落する可能性があると見ているようです。上海同様賃料水準の高いオフィスほど影響が大きいということが見て取れます。

  個人的には賃料がそもそもが高すぎたのでこのようなご時勢に調整が入るというのは悪いことではないと思うのですが、空室が余りに目立ちすぎますと活気も感じられず、心理的なマイナスイメージに影響してしまいかねないようにも思います。賃料がある程度調整できた段階、要するにあるべき水準に戻った段階でオフィスの活気が戻ってくればいい金と思います。あくまで理想論なので現実は難しいのでしょうが。