呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

物価高だああああ!!!

2008年03月12日 | 未分類
  既にご存知の方も多いと思うが、3月11日に発表された中国の今年2月のCPI(消費者物価指数)上昇率がなんと8.7%に達し、この水準は1996年5月以来のものだ(ちなみに今年1月の日本のCPI上昇率は0.7%)。統計局はCPIがここまで高くなった要因として2月の春節要因が0.53ポイント、低温大雪要因が1.03ポイントとしているが、それ差し引いたとしても大きな数値である。同じく統計局によると物価上昇は国際市場価格の上昇によるところもあり、例えば今年に入ってからの国際原油価格は30~40%、今年1~2月の中国では大豆、穀類、原油および鉄鉱石の輸入金額が各々167%、42%、78%、114%も上昇しており、輸入による影響も非常に目立つといえる。

  次に、品目別で見ると特に目立つのが食品価格の上昇だ。この文章を書いている昼休みの間にも「最近は物価が高いのに」というスタッフの話し声が聞こえてくる。また、日本からの出張者が当社スタッフと話していると毎月のように「最近豚肉の値上げが凄いんですよ」と話しかけられる。それを示すように、2月の食料品価格の上昇率はなんと23.3%にも達している(確かに毎朝のように食べている肉まんも1元から1.2元に値上がりした)。これがCPIを大きく引き上げる要因となっている。春節の時分は例年物価が上昇する時期とのことではあるが、それにしても8.7%はあまりにも大きな数値だ。過去の日本のCPI上昇率を調べてみたが、8%程度の数値となると1980年あたりまで遡ることになる。日本のバブル経済の時期は「日本では1986年から土地や株式が急騰した時期を『バブル経済』と呼び、90年以降株価・地価ともに急落した。この急落時期を『バブル崩壊』という。」(by all about 用語集)とあるが、この頃の日本のCPI上昇率は8.7%の半分にも達してない(個人的にはかなり意外であった)。要するに日本のバブル時代とくらべてもこの上昇率はあまりにも大きい。中国政府としては今年のCPIの目標を4.8%においているが、そのハードルは決して低いとはいえないだろう。中国政府はこの目標数値を果たして「やれんのか!」