呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国都市別映画チケット収入

2016年01月11日 | 日記

 豊かになればエンタメ消費が増加するのは自ずのこと。近年中国の映画興行収入がどんどん増えているのがよく言われています。ハリウッド映画なんかでも中国人俳優を起用したり、中国を舞台にするような作品も出てくるようになってきています。

 

 さて、2015年の都市別映画チケット収入ランキングを見てみましょう。

 トップ4はいわゆる一線都市、まさに北・上・広・深の順番ですね。この4都市だけで約22%のシェアになります。この4都市の平均チケット価格は40元ちょっとです。中国は時間帯によってチケット価格も違うので、これより高いチケットももちろんあるのですが、平均するとこんなところなのでしょう。ちなみに平成26年の日本の平均入場料が1,285円です。そして同じく平成26年の日本の映画館入場者数は1.6億人ですが、中国の上位3都市とほぼ同じくらいになりますね。

 

 

 次に映画館別を見てみましょう。よその土地のことは知らないので上海だけ見ていきます。

 第3位;上海万立影城五角城店

 第11位:上海万立影城宝山店

 第15位:上海星美正大影城

 第25位:上海百麗宮影城(環貿iapm店)

 第32位:上海万立影城周浦店

 

 ざっと見る限りそれなりに栄えているところではあるのでしょうが、いわゆる繁華街にあるのは第25位のiapmくらいでしょうか。第3位、第11位、第32位あたりは上海市の真ん中とは言えない場所です。中心よりも映画を見に来る人が多いんですね。

 

 


中国の旅行サイトの企業価値

2016年01月09日 | 日記

  日本の旅行サイトはいつも楽天トラベルを使っていますが、中国ではいつも携程網(Ctrip)を使っています。ずっと使っているのでそれなりにポイントもたまってきており、今から他に乗り換える気がなくなるくらいどっぷりつかっています。そういえばCtripって以前楽天が出資していた時期もありましたなあ。

 さて、中国でもCtripのような旅行サイトはいろいろあり、それらの企業価値というのが次の通り。Ctripがトップで137億元(約2,500億円)なのはわかるとして、ほぼ同じ企業価値のサイトとして第二位に同程網が挙がっています。一度だけ使ったことのあるのが去哪兒網、Ctripがここを買収するという話もありました。その後しりすぼみになりましたが、また話が持ち上がってきているようです。企業価値を見る限りは上位2社の独壇場といったところでしょうか。

 

 

 

 それなりの企業価値を持ったこれら旅行サイト。損益を見てみますと、これが全然です。

 

 中国のネット系企業そのものともいえる損益状況です。要するに、売上を最重要視して、損益は後回しというところがです。Ctripなんて売上高73.47億元に対して純利益が2.43億元が3.3%なのでまだいいのですが、去哪兒網なんて売上よりも赤字額のほうが大きいなんてめちゃくちゃですなあ。そんな会社が66億元の価値があるというのが理解できん。ところがどんどん金が入ってくるんですよ、投資と言いう形で。企業というのはどんなに赤字でも、キャッシュさえあれば倒産はしません。中国の旅行市場はどんどん成長しているので、この業界に投資していれば大きなリターンが返ってくるという期待感が大きいのでしょう。しかし、どの銘柄もそれなりに長くやっていており、そろそろ勝負をつけてあげないと投資家も待ちきれず疲れてくるのではないかと思うのですが、それでも入ってくる投資資金。中国経済もいろいろ言われてますが、投資バブルも果たしていつまで続くでしょうか。


中国のホテル料金推移

2016年01月07日 | 日記

 サヴィルズが中国のホテル市場に関するレポートを発表しています。

 まず、都市等級別の五つ星ホテルの宿泊料金推移を見ていきましょう。 

 一線都市が2013年年初をボトムに、以降上昇しています。それに対して、二・三線都市は下落傾向にあり、今がほぼボトムの状況です。一線都市と二・三線都市で開きがどんどん大きくなってしまってます。二線都市のホテル2015年第三四半期の宿泊率はわずか55%しかないとのこと。日本と比べると全日本シティホテル連盟(東京・品川)が発表した昨年9月の客室稼働率は、84.4%なので、30ポイント近くも差があります。日本の観光が調子がいいということもありますが、55%とはちょっと低すぎるのではないかと。ホテルが多過ぎるんでしょうかねえ。

 

 

 次に、五つ星ホテルの客室平均収入の前年同期比データです。丸印高なので具体的気どこの都市か判別しにくいですが、北京・上海・広州あたりは堅調であるのに対して、薄緑色はおそらく二・三線都市が中心かと思うのですが、マイナスとなっています。地方としてももうちょっと元気かと思っていたのですが、ホテルに関してはそれほどでもない模様。

 

 

 一線都市はホテルを建ててもそれなりに吸収できるけれども、二・三線都市で同じことをしてもなかなか吸収できないということなのでしょう。二・三線都市の比率が高いホテル事業者についてはちょっと注意してみる必要がありそうです。

 


新年あけましておめでとうございます!

2016年01月01日 | 日記

 ついに2016年がやってきました。昨年は下半期以降かけ上げってきた感がありましたが、その波に乗って今年も頑張っていきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

 


海賊版DVDショップがショッピングモールに進出

2015年12月28日 | 日記

 元々上海水城路にあったDVDショップがなんと星空広場という小型ショッピングモールに移転してます。明らかに知的財産権を侵害している商品だらけの店がショッピングモールに入店できてしまうとは。それと、こんなところに店舗を構えることができるなんて、よっぽど儲かるんですな。

 

  

 

 この店舗の中で聞いた会話ですが、最近日本のテレビをリアルタイムで流すネットテレビが見れなくなったとのこと。この話題は最近どこに言っても聞こえてくる話題なのですが、それが見れなくなってしまったので年末年始をこちらで過ごす単身赴任者あたりはDVDでも買いこんで時間をつぶそうとしているようなのです。ネットテレビがおかしくなったおかけでDVDショップは繁盛するわけですね。

 

 こんな立派な店舗を構えるところもあれば、DVDを荷台に積んで売り歩いている人もいます。そういう人と会話したことがあるのですが、中国の動画サイトでいろんな番組が見れるようになったため、昔と比べてやはり商売に影響が出てきているとのこと。まあ、そりゃそうですよね。中国の動画サイト、恐ろしいくらいのスピードで日本のドラマがアップされてます。このスピードでアップされればネットテレビすらいらないと思いますし、そもそも膨大な量の番組がアップされている動画サイトはかなり使い勝手が良いです。確かにネットテレビもあればあればでそれなりに重宝するのでしょう。私も以前はプロレス番組見たさで契約してましたが、それはCS放送であり、CS放送を見るためにはパッケージプランで地上波+BS+CSという最も高いプランに加入しなければならず、毎月お金を払うのもばかばかしくなってきたので、今ではすっかり動画サイトで見るようになってます。映画に関していえばさすがの中国の動画サイトも中国語字幕どまりなので、中国語があまり理解できない人であれば日本語字幕の入ったDVDのニーズはまだまだありますね。

 

 しかし、みせしめで海賊版DVDが処分されることが時々報道で紹介されますが、この手のDVDショップもなかなかなくならないですね。