極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

欧州危機に打勝つヘーリオス

2011年11月16日 | 時事書評





【欧州危機の暗雲】

11月14日(ブルームバーグ):ドイツの太陽電池メーカー、Qセルズが14日
発表した7-9月(第3四半期)決算は、利払い・税引き前損失が4730万ユー
ロ(約50億円)となり、赤字幅がブルームバーグがまとめたアナリスト予想
(2140万ユーロ)の倍以上となった。同社はマリオン・ヘルムズ最高財務責
任者(CFO)が自ら辞任し、同日付で退社することも明らかにした。同社
株は急落している。来年2月末に償還を迎える2億200万ユーロの債務につい
て「全額返済」できない可能性があると警告した。
Qセルズ(Q-Cells AG )
は1999年に設立された、ドイツに本拠を置く世界最大の太陽電池メーカーで
ある。会社のコアビジネスは、単結晶及び多結晶型の太陽電池の開発、マー
ケティング、製造、販売である 。2001年に太陽電池の生産を開始して以降、
Qセルズは急速に成長し、ザクセン=アンハルト州のビッターフェルト郡(de)
には1000人以上の従業員が働いている。

ドイツのソーラセルの増産とイタリアのそれとはセットとしてみれば(『
速のヘーリオス
』)、世界的な過剰投資→過剰生産→急速な価格下落→収益
悪化傾向に、米国→欧州の金融危機が追い打ちする格好になり信用恐慌の連
鎖危機が非常に懸念される。ここは生産調整時期であり、冷静なしかし早急
に国際的な協調的カルテの合意が必要であろう。間違っても無闇な輸出攻勢
をかけるべきではないと考える。具体的予測を見せることができれば説得で
きるだろうが市場原理主義者の経営者には馬耳東風かもしれない。ここは冷
静沈着なものづくりに徹することで“ヘーリオス@欧州はこの経済危機に打
ち勝つことができる”と祈る気持ちで打ち込んでいる。

【縮原発・脱原発の流れは天の声】

 

2011年7月、財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、東日本大震災およ
び福島第一原発事故後のエネルギー及び気候変動政策に関するアンケート調
査を結果を発表した(日本語および英語の調査票を世界各国に送付し、総回
答数710件→回答者の内訳は日本人が61%、日本人以外が39%)。



対象者の特徴は不明だがその調査結果によると、日本における原子力発電お
よびエネルギー政策に関しては、約49%が「1~2年以内」あるいは「2020年
まで」に原子力発電所を操業停止し廃炉プロセスに入るべきと回答し、2050
年までの段階的な廃止を含めると約83%が日本における脱原発を支持したと
いう。原子力発電による電力供給量が減少した場合の対策(複数回答可)とし
て、約90%が「再生可能エネルギーによる発電を増やす」をあげ「原発をや
めるべきではない」は約19%であった。また、日本においては約66%が原発
に「反対」もしくは「どちらかというと反対」と回答したのに対して、日本
以外の国々では約63%の回答者が原発に「賛成」もしくは「どちらかという
と賛成」と回答。日本の気候変動政策については、政府による「2020年まで
に1990年比25%削減」という中期目標は68%が「維持すべき」と回答した。ま
た、約半数近くが地球温暖化対策基本法案の採択を支持し、約57%が京都議
定書第二約束期間への参加を支持した。25%削減目標や京都議定書第二約束
期間への参加など外交に関わる政策では、日本では賛否が分かれたが、日本
以外では85%が25%削減目標を支持し、71%が第二約束期間への参加を支持し
た。日本の気候変動政策と日本における原子力発電の賛否との関係をみると
原発利用に「反対」とした回答者は気候変動政策を支持する傾向がみられた
している(※要詳細データ)。


【農業を変える奈良県吉野大淀町での実験】

 

近畿日本鉄道、丸紅、近畿大学は14日、三者による産学連携スキームを構築
し、完全人工光型植物工場および農業用ハウス(太陽光利用型植物工場)を
利用した農業ビジネスを展開すると発表した。今回の三者連携では、近鉄が
丸紅・近大の協力の下、奈良県吉野郡大淀町の自社所有地に、完全人工光型
植物工場と農業用ハウスを建設し
、そこで生産した高品質で安全・安心な農
産物を、近商ストアをはじめとする近鉄グループの流通店舗やホテル、レス
トラン等を通じて、顧客に提供する
。完全人工光型植物工場では、丸紅が開
発した土耕式植物工場システムを採用し、近鉄がレタスなどの葉物類やサラ
ダカブなどのミニ根菜類等の生産を行う。また、今後、近大が丸紅の協力を
得て、新しい品種や栄養価の高い野菜等を開発し、丸紅と近大が完全人工光
型植物工場で試験的生産等を行い、近鉄が試験販売し、商業化の目処が立っ
た段階で生産・販売していく。農業用ハウス(太陽光利用型植物工場)では、
近鉄が丸紅と近大からの助言を得て、高糖度トマトを周年生産する。流通や
ホテル、レストランなど多彩な事業をグループ展開する近鉄、様々な分野に
グローバルなネットワークをもつ丸紅、そして「近大マグロ」や「近大マン
ゴー」などの独自技術の商業利用に実績のある近大が、それぞれの特徴を活
かしつつ相互に連携しながら、農業ビジネスを展開していくと発表。

     

なお、ヴェルデナイト式植物工場とは、ヴェルデナイトを培土とした多段栽
培棚にて、有機肥料・無農薬で野菜を栽培するシステム。・季節・天候変動
リスクを受けず、根菜類・葉野菜・穀物など多品目の作物をハイサイクルで
周年栽培することが可能。食料自給率向上の切札として期待されている。

近畿大学と丸紅と近鉄がこれまでの農業を大きく変えるかもしれない。そん
なニュースだ。ここは母親の郷里。過疎化が急速に進んでいるが、世界を変
革する一歩になるかもしれないと思っている。


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