岐阜の住宅設計事務所の でいbyでい

岐阜の住宅屋 タマゴグミの日々の他愛もないことを綴ったブログです。

羊毛断熱材ですよ

2011-12-09 | 日記

可児の現場です。羊毛断熱材が壁に入りました。

羊毛断熱材は体によさそうでいいですね。と よく言われます。そのとき私は

そっか~~~そうだよな~~ と人事のように思ってしまいます。

というのも、羊毛断熱材を使った理由は、人 よりも 建物 だったからです。

といっても人を無視しているわけではありません。使う材料は無害であるべきと考えています。

 

じゃあ、人より建物の理由はというと、ただただ長持ちさせたいと思ったからです。

 

私の建築の考えは、家造りに完璧はない ということです。

湿気を防ぐために完璧なベーパーバリアをするのではなく、湿気は壁の隙間から入ってくるものととらえ、どうしたらいいかと考えました。

じゃあ、入ってきた湿気を吸い取る断熱材を使おう。。そこで選択したのが羊毛でした。

それじゃあ、室内でバンバン水蒸気が起きて羊毛が許容オーバーで湿気が吸い取れなくなったらどうするの? と考えたとき、

じゃあ、もう限界ですよと家が言ってくれるようにしようと考えました。

つまり、壁の下からじわ~っと水が染み出てくるように、壁はベーパーバリアをせず床下点検をしたときに、水が染み出た跡が解るように、基礎に断熱を貼らないと決めました。

 

庇を出しているのも、雨の進入は完璧に防げないことが解っているからです。

壁の隙間などを埋めているコーキングは10年持たない、壁の外に貼る透湿防水シートは止めるときに小さな穴が開いているので、水を完璧にシャットアウトすることは出来ない。 だったら、リスクあるところに雨水がつくのを少しでも減らそう。

そんな理由からです。

今日、板金屋さんの仕事を見ていたのですが、窓周りに水切りという材料をつけて、その前に透湿防水シートにテープをべたべたとはって、雨の進入を防ごうと頑張っています。そんな彼らの努力に報うためにも設計段階でリスクを減らさなきゃと思っています。

瑞穂の平屋の家にも羊毛が入りました。

壁がメエメエ鳴いて・・・・いたら怖いよな~