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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く22 その14 「三階建ての民宿です!!」

2016年03月16日 | 大洗巡礼記

 滞在三日目の時点で手元に揃ったガルパン公式缶バッジです。数えて24個になりましたが、そのうちの9個は色々な方からの貰い物でした。商店街の各店舗や施設などで色々話をして盛り上がると、成り行きで「記念にこれをどうぞ」といった感じで頂いてしまうことが少なくありません。


 さて、滞在三日目の宿は、東町商店街エリアにある「たくみ」でした。ガルパン応援宿泊プラン実施の宿の一つですが、泊まるのは今回が初めてでした。


 建物は、三階建てになっており、案内された部屋は三階でした。大洗の旅館で三階建ては幾つかありますが、民宿では他にあったかなあ、と首を傾げました。


 女将の平岡さんは話好きな方でしたが、こちらの宿ではガルパン巡礼者しか受け付けていない旨を強調しておられたのにはびっくりさせられました。

「そうしますと、一般の観光客の方は?」
「以前はお泊り頂いてたんですけどねえ、夜もうるさいし、隣に迷惑かけたりするお客さんが多かったのよ。酒飲んで酔っ払って、襖とか壊したりしてねえ。細かいことでいちいち文句を言ってきたりするしねえ」
「はあ・・・」
「そこへいくと、ガルパンさんの皆さんはもう、ほんとに丁寧で礼儀正しくて静かになさるから、もう言う事無し!ガルパンさんがお泊りされると、こっちはもう、ほんとに楽なんですよ」
「はあ・・・」
「ですから、ウチのお客さんは、今はもう、ガルパンさんだけ!ガルパンさんにお泊りいただいて、大洗を楽しんでいって頂ければそれでもう充分ですよ。予約いただければ、お刺身の舟盛りのお料理もお出ししますしね。星野さんみたいに素泊まりの方でも大丈夫、門限はありませんから。夜遅くまでお食事とか楽しんでいって良いんですよ」
「いえ、あまり遅くならないように心掛けます。21時までには戻りますので。夜中にバタバタしますと、他のお客さんの迷惑にもなりますし」
「まあ、さすがにガルパンさんだわねえ。でも今日は大丈夫ですよ。お泊りは星野さんだけですから」
「えっ、私だけなんですか」


 この日の唯一の宿泊客の部屋です。長方形の八畳間で、ゆったりとくつろげました。


 変わっていたのは、エアコンがコイン式で、100円で100分稼働するようになっていたことでした。
「ここの暖房ね、有料でやってたんですけどね、それは昔の話。あっ、星野さんが100円出さなくても良いのよ。ほら、この機械の上に100円を何枚か置いてありますからね、これを使っていただいて結構」
「しかし、有料であるのであれば、きちんと払いますので・・・」
「大丈夫。ガルパンさんだから暖房代はこちらでお持ちしますよ、遠慮しないでドンドン使って下さいね」
「はあ・・・、どうも有り難うございます」
「それで、お食事は丸海商店さんと行かれるんでしょ?それまでごゆっくりして下さい。お風呂も利用いただけますよ」
「有り難うございます」

 この日の夜は、和久店主の海野さんにお誘い頂き、五反田の「寿」という磯料理のお店で食事をいただく予定でした。まだ二時間ほどあったので、風呂をいただき、部屋でゆっくりと休みました。


 夜7時過ぎに海野さんが車で迎えに来られ、そのまま五反田の「寿」へ行きました。上図はお店のお品書きです。店の外観の写真は撮り忘れました。
 海野さんと、ガルパンイカ砲弾焼きの話の続きをやり、そこから話題は大洗の現状と地域経済の諸問題になりました。海野さんは商工会の理事を務めておられますので、地元の経済が沈下気味である状況をとくに痛感しているそうです。大洗の主要産業である水産加工業一つとっても問題が多い、と語りつつ酒杯を傾けるのでした。話は、魚の無駄遣いをいかにして無くすか、というテーマになりました。

「例えばさ、星野さん、魚を獲って卸して、刺身にするべく捌くんだけども、魚って、全部が全部食べられるもんなんで、全部使えばいいんだよ。骨とか皮とか、大抵はみんな捨ててる部分があるんだけどさ、それは揚げれば良いし、焼いたら旨い、ってのがあるのよ」
「全部煮てしまえば、漁師汁にもなりますね」
「そうそう。味噌汁の具に立派になる端の材とか、ポイポイ捨ててるのがあるけど、刺身になんないから捨てる。でも捨てちゃいけねえんだよ。使えるんだ、食べられるんだ」
「サーモンの切り身とかを、寿司屋で捌いてて、端っこの細長い部分が残ってるのを見かけるんですけど、それ結局捨てちゃう場合が多いみたいですね」
「それは駄目だな。寿司のネタにならねえんだったらさ、それ以外で使って美味しく食べられるように工夫すりゃいいんだよ。細かく切ってダイスにするってのがあるんだよ、そういうのは海鮮丼の具に使えるんだ」
「ふーん」
「焼いたり、漁師汁に使ってもいいんだけどさ、サーモンの場合は生身が一番美味しいからね、生のまま生かして食べるという方向を考えた方が良いわけ。端っこの材もさ、なんとか生かして美味しく食べられねえかな、って考えてさ、そしたら、なめろうにするって方法も思いつくわけだ」
「サーモンのなめろう、ですか。どんな感じなんですかね・・・」
「星野さんは、そういうの食べたこと無い?」
「ええ」
「じゃあ、一つそれいこうよ。おーい、追加でなめろう、鮭でいける?」

 あいよ、と板前さんの元気な返事が響いてきました。海野さんが社長を務める丸海商店の取引先の一つでもあるそうで、その日に何を納品したかも全部知っているそうです。
 で、鮭のなめろう、大変に美味でした。大洗のなめろうは美味しいですねえ、と感心していると、じゃあさ、この店のおススメもいっちゃおうよ、とお品書きの刺身の列にある「金頭なめろう」も追加で入れてくれました。
「カナガシラのなめろう、って珍しいのではありませんか。初めて聞きました」
「だろ?実は俺たちで考えたんだよ。カナガシラってさ、一般的には蒲鉾とかの原料になってるのよ。体の大きさのわりに身が少なくってさ、でも白身の味は良いんだね。料理法は色々あるんだけども、やっぱり魚は生で食べてこそ旨いわけ。じゃあ、なめろうでいけば捨てる部分も全部生かせるし、ってさ。そうやって商品になって売れるんであれば、そう方向でドンドン商売すればいいんだ、ってなるよね」

 話しているうちに料理が運ばれてきました。このカナガシラのなめろうは、鮭に劣らず美味でした。感想を述べると、海野さんも満足げに頷いていました。
「つまりだな、俺たちは事業でそういうふうに魚を全部生かして商売するんだな。食べられないと言われてるのを食べられるようにする、みんなが捨ててる余り物も全部有効に生かす方向へもっていく。それで商品を考えていきたいわけでさ。大洗だけでやってても意味ねえから、他の所でも声かけて紹介して、みんなで魚介類のより良い利用法を模索しましょうよ、って形でやっとるわけですよ」
 だから、ガルパン関連のメニュー開発にも、興味があったわけだよ、と笑っておられました。その時点ではまだ試作品に過ぎない「ガルパンのイカ砲弾焼き」でしたが、魚介類を有効に生かして美味しい商品を模索する、という海野さんの経営理念にも沿っているようなので、今後の改良等の成果が楽しみです。

 ですが、問題は、来たる3月20日の海楽フェスタには間に合わないだろう、という点でした。ガルパングッズとして出せるかどうかもまだ分かりません。公式の認可が取れるのかも分かりません。
「こうなったら、長期戦だな。焦らずにじっくり事を練って進めて、ウチの店でメニューに出せればいいんだよね。商工会にも話するのも、これからだし」と笑っていた海野さんでした。


 翌朝は、7時過ぎに起床しました。前夜はきちんと21時前に宿に戻って平岡さん夫妻に挨拶し、部屋に上がるとそのまま布団に倒れ込む感じで床に就きました。海野さんと飲み交わした清酒が、じわっと効いてきてものすごく眠くなったからでした。
 おかげで、ぐっすり眠れて気分は爽快でした。窓を開けるとこの日も天気は良さそうでした。


 布団を畳んで押し入れに仕舞い、部屋を片付けて掃除していると、女将さんが「お早うございます」と階段を登ってきました。
「あら、まあ、綺麗にしていただいて。さすがにガルパンさんは素晴らしいわねえ」
「恐れ入ります。一宿の義理がございますので」
「いいわねえ、そういうお心がけ。ガルパンさんは、もう本当に皆さんがそうでいらっしゃる。こうでなくてはいけませんわねえ。ところでね、後でお握りをお出ししますのでね」
「いえ、私は素泊まりでお願いしたはずですが・・・」
「いいのいいの、サービスなんだから」


 というわけで、お握りの差し入れを二階の厨房でにて有難くいただきました。木彫りが趣味だという御主人もおられ、少し話をしました。館内の廊下に飾ってある多くの感謝状が、御主人の溺者救助に対するものなので、大洗では海水浴等で溺れる人も少なくないのですか、と質問したところ、溺れるというか、自分から危ないとこへ行って溺れてるんだ、とポツリと答えてきました。

「俺の漁場でさ、時々溺れてる奴がおるんさ。海水浴場の外側なんだけどさ」
「それは、つまり、海水浴禁止の範囲ですね」
「そう。俺たちが船出して魚を獲るんだ。岩場も多いし流れも速いから泳いだらあぶねえ所ばっかさ。そういうとこに、わざわざ泳いでくる奴がおる。禁止の看板見てるのに無視する。溺れて当たり前なんだ」
 それで、自身の漁場で溺れている人を救助する場合が、昔から度々あったそうです。

 上図は、そんな御主人が趣味で拵えた手製の品々です。ガルパンブームにも合わせて色々作り、訪れるファンの人々に楽しんで貰えれば、と西住みほのパネルまで製作したのですが、これはNGが出されて今は宿の向かいの倉庫内に置かれたままです。
 これに関して女将さんがガルパンキャラクターパネルの抽選会の話を披露して下さいました。

「あのパネル、ウチにも一つ欲しいなあ、って思ってたからね、抽選会はそりゃもう、楽しみにして行ったのよ。順番にガラガラポンで回して当たりが出れば貰えるんだけど、最後の当たりがね、確かねえ、浅野丸さんだったかねえ。それであたしたちの順番が来る前に終わっちゃって。あたしの次にも何人か居たからねえ、まとめて全員ハズレになっちゃったわけですよ、アハハハハ」
 この話によれば、浅野丸にミカのパネルが行ったのは、まったくの偶然であったことになります。他には有り得ないピッタリの場所にミカが入ったので、以前から決まっていたのではないかという噂が聞かれましたが、実際には完全な抽選の結果であったことになります。運命的な何かを感じてしまいますね・・・。

 ともあれ、居心地の良い宿でした。また機会があったら食事付きで泊まりたいと思います。


 この日は、冷え込みも少し和らいでいました。自転車に乗って近くのファミリーマートに立ち寄り、飲み物などを確保した後、最初の目的地へ向かいました。 (続く)

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4 コメント

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ガルパンさん♪ (ナガシマ)
2016-03-17 15:26:13
すごいですね、ガルパンさん。ほっこりしました。
ネット態度の良くないガルパンさんのことが載っていたりしますが、偏向報道?なのかもしれません。でもぼくの高校の同期会なんてやった日には出入り禁止です。
ご主人の溺者救助のお話もすごいです。「やっちゃいけねぇコトをやるから、そういう目に会うんだ」昔、散々言われた言葉です。
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ガルパンさん贔屓 (ホシノ)
2016-03-17 19:08:11
大洗の商店街の方々には、ガルパンさん贔屓の方も少なくないと聞いておりましたが、この民宿「たくみ」の女将さんはその典型的なケースでした。べた褒め、というレベルでした。子供か孫みたい、とも話していました。

これまで泊まったガルパン巡礼の方々が、紳士的な良い方ばかりであったんだな、と実感出来た次第です。
おかあきさんが泊まったというので、じゃあ私も行ってみようと考えて泊まりましたが、ゆったり寛げる良い宿でした。
返信する
恐縮です! (おかあき)
2016-03-18 22:33:46
初めてガルパンで大洗を訪れるときは、ホシノさんのブログを参考にさせていただきました。
今度は自分がホシノさんの参考にされる日が来るとは、思いもしませんでしたw(*^。^*)

民宿たくみ、良いですよね。
常連さんたちが良い印象を作ってくれたおかげで、自分も快適に過ごさせていただきました。ここは、お刺身が評判だそうですよ。

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支え合い (ホシノ)
2016-03-18 23:29:55
ガルパンファン同士の支え合いの形の一つです。
おかあきさんは食事付きで泊まられたんですよね。当方は今回の滞在中は全て素泊まりにしたうえ、和久の海野社長さんと飲みに行く予定がありましたから、「たくみ」も素泊まりでした。

女将さんは「ガルパンさんには必ずお刺身料理をお出ししておりますよ。星野さんもウチのお刺身を召し上がっていただきたかったんですけどねえ」と残念そうに仰っておられました。また泊まりに行って、料理もいただかねば、と思いました。

本当にいい宿です。場所的にも便利な所にありますね。
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