塗装が大体終わったので、デカール貼りと追加工作に取りかかりました。付属のデカールは、発見時、親善試合時、全国大会時の三シーンを再現出来ます。見ていて気が付いたのですが、カバさんチームの搭乗車は、車高が低いためか、車体にマークや番号などを描きこめるスペースが余り無いのですね・・・。
私のキットは全国大会時の姿に仕上げていますので、使用するデカールは1番の大洗女子学園校章と、3番のカバさんマークでした。
デカールを貼り終わった状態です。
全国大会時の姿にすると、デカールは4枚だけですから、割合に楽でした。
デカールがよく見えるのは、右側面のみです。左側面にはクリーニングロッドのA23を取り付けるので、大洗女子学園校章があまり見えなくなります。
前部牽引ホールドのフックの追加に取りかかりました。適当なパーツが見つからないので、仕方なくキットのパーツB23をそのまま使用しました。B25の穴が小さくて入らないので、ピンバイスで少しずつ浚って穴を広げ、B23がなんとか差し込めるまでにしました。
公式設定資料の図や劇中のシーンを見ると、内側に折れ曲がっている部分は小さいので、切り詰めて調整しました。
続いて、クリーニングロッドのA23を取り付けました。キットの指示位置は劇中のよりも約8ミリほど前になっているため、公式設定資料の図を見ながら8ミリ後ろにずらして接着しました。キットの指示位置にそのままつけてしまうと、クリーニングロッドのブラシ部分がカバさんマークを隠してしまうのです。
側面から見るとこんな感じです。カバさんマークは見えますが、大洗女子学園校章の方はクリーニングロッドにほとんど隠れてしまいます。こういう接着状態になりますから、あらかじめデカールを貼らないと、クリーニングロッドのA23が取り付けられないわけです。
前部牽引ホールドのフックを塗装しました。細筆でチョイチョイと塗るだけで済みました。
これで組み立てと塗装の全ての工程が完了しました。このキットではスミ入れをしないほうが仕上がりが綺麗にみえる気がしたので、スミ入れは省きました。車体色が暗いので、モールドを引き立たせてもあまり外見上の変化が無いし、劇中では常に綺麗な状態に保たれているので、車輪なども変にスミ入れで汚したりしないほうが良い、と判断しました。
したがって、あとはつや消しクリアーを吹き付けるだけでした。全体に薄く吹きかける作業を三回繰り返しました。
吹き付け後は、車体色に落ち着いた情感が加わりました。明るい色に塗り分けた車輪部分がより引き立って見えるので、車高の低さが余計に感じられました。
以上で、カバさんチームの搭乗車が完成しました。製作日数は、1月5日から1月18日までの14日でした。つまり二週間で出来上がったわけで、プラッツのキットのなかでは作りやすく、手間もかからない方に属します。パーツの合いの悪さなどがありますが、仮組みして丁寧に調整すればなんとかなる程度ですので、難度もそんなに高くないです。プラッツのガルパン公式キットのなかでは、初心者クラスにもお薦め出来るレベルだろうと感じました。
正面から見ました。車体色のジャーマングレーの沈んだような色感と、履帯の鈍く光る黒鉄色とが対照的です。ガルパン戦車は試合中以外は綺麗にメンテナンスされているようで、履帯も汚れが全くありません。戦車道のルールや心構えとして「戦車は常に清潔に」というのがあるのかもしれません。
なので、私自身は、ガルパン仕様では履帯の汚しなどは不要と考えています。
背面から見ました。今回のキットの制作においては、仮組みの段階でこの背面部分のディテールが破綻なく繋がるかどうかに注意しながら接着してゆくという工程が、思ったよりも重要でした。
プラッツのキットでは、製作ガイドの指示通りにホイホイくっつけていくと、次の工程でパーツがずれたり段差が出来たりするケースが出てくるので、次の工程の分も仮組みしてチェックする作業が重要です。パーツの合いが悪い所もありますから、部品を削ったり穴を広げたりというような微調整も欠かせません。これらの出来具合如何によって、完成時の状態がかなり左右されるように感じました。
全国大会出場時の姿は地味だとよく言われますが、むしろ戦闘用車両らしい渋さがあると思います。ドイツの方の話によれば、ジャーマングレーというのは欧州の風景の中で見ると割合に目立たない色で、日陰に居たらほとんど分からないそうです。Ⅲ号突撃砲のように建物の陰などで待ち伏せて迎撃する戦い方が多い車種には適した色だ、ということです。むしろダークイエローや連合軍のカーキの方がかえって目立つそうです。その理由は、欧州の人々が馴染んでいる樹木や植物の緑色と全く違うから、だそうです。日本人の感覚とは全く異なる、ヨーロッパ地域ならばでの色調や色彩感覚があるのでしょうね。
このようなアングルから見ると、主砲の砲身の長さを約6ミリほど長くしてある点が大きな意味を持っていることが、あらためて実感出来ます。箱絵の完成見本図よりも明らかに長く感じられるので、実際のG型に近い劇中のF8型仕様の75mm StuK 40 L/48と、実際のF型の75mm StuK 40 L/43との違いがかなり目立つことが分かります。1/35スケールであっても、寸法をなるべく合わせれば、それなりの雰囲気というものが備わってきますね。
軍艦模型を作っている時も似たようなケースがよくありました。例えば、駆逐艦秋月級の長10センチ主砲というのは、1/700スケールであっても寸法をきちんと再現すれば、実艦の雰囲気にぴたりと合うのです。アオシマの旧キットは甘くて変に短いものでしたが、ピットロードのパーツセットの長10センチ砲はピシリと決まっていて、これに換装すると艦全体のフォルムが全然違って見えるのでした。
だから、最近の軍艦艦艇キットの精度の向上というのが、ナノパーツなどのヒットに象徴されるように、内容的には艦載砲や機銃などのパーツの精密化が多くを占めている、というのは当を得た指摘だと思います。
これで、ガルパン戦車模型キットも三台が揃いましたが、まだまだ道のりは遠いです。ファインモールド、タミヤ、プラッツ、の順に作ってきましたが、このまま各メーカーのキットを一つずつ体験してゆくという流れであれば、続いてはアカデミーのキットをチョイスすることになりそうですね。