劇中車にもみえるハッチ式の装甲天井板を立てて接着しました。実車写真などを見ると、このハッチ式の装甲天井板はⅡC型のみに見られる特徴であるようです。Ⅲ型やⅣ型にもハッチ式の装甲天井板を持つ例がありますが、これらは台形になっており、上図の長方形のハッチとは形が異なります。
実車のⅡC型のハッチ式の装甲天井板の様子がわかる図です。この車輌が前部フェンダーの形、前照灯保護枠、など色々な点で劇中車に最も近い外観を示すので、今回の製作でも参考資料の中心に据えて使用しました。
仮組みしていた天板を外し、プラ板を細長く切ったのを上図のように並べて、エンジン給排気グリルを作りました。
続いて、エンジン点検ハッチ部分のヒンジをプラ板でそれらしく作り、角型のハンドルをジャンクから調達して取り付けました。
ナガイ氏の教示によれば、ACV-IPのⅠ型およびⅡ型は、北アフリカ戦線への投入を前提に生産され、砂漠での使用に耐えうるように車台に防砂カバーが付けられたそうです。それで、実車の写真で参考にしつつ、フェンダー内部にシャーシーを保護する防砂カバーをプラ板で付けました。
劇中車のシーンでは見えない部分ですが、「あえてこだわってみるのもアリなんじゃないかね」とのナガイ氏のアドバイスに従い、遊び感覚でこだわってみました。
次に、車体全体にわたってリベットを並べて貼りつけました。劇中車のモデルと目されるⅡC型まではリベット留めが主流で、Ⅲ型以降に溶接車体が増えてくるそうです。劇中車もリベット留めですので、それに合わせましたが、数が大変に多いので、地味に大変な作業でした。
車体の前面にも背面にもリベットを貼り付けました。
側面にも御覧のように沢山のリベットを貼りました。位置によってリベットの有無があるため、劇中車のシーンだけでは分からない範囲が多く、実車写真のほうを参考にしました。
車体右側面の後方には乗降用ハッチがあるため、そのハッチも作ってヒンジやリベットを付けました。
車体のリベット貼りつけが完了しました。手元にあったモデルカステンのボルト&ナットセット「A-1」のストックをほぼ使い果たしました。かくも大量のリベットを使ったのは、今回が初めてでした。
ハッチ式の装甲天井板の内側の金具、車体右側面の2ヶ所のフックなどもプラ材で取り付けました。後部フェンダー上の雑具箱は右側には無いケースが多いので、それに合わせました。北アフリカ戦線での実車写真などを見ますと、場合に応じて雑多な荷物を載せていたようですが、劇中車は戦車道での移動用車輌であるようなので、荷物は必要ないかと思います。
車体右側面後方の乗降用ハッチの内側の枠もフォローしました。当初はこの乗降用ハッチを開閉自在にしようかと考えましたが、その必要性があまり無いことに気付いて、プラ板での取り付け固定に落ち着きました。 (続く)