気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

聖グロリアーナ女学院ガイ・フォークス ハリー・ホプキンス軽戦車 作ります!! その1

2021年01月21日 | ガルパン模型制作記

 昨年末よりマチルダⅡ、テトラーク、ACV-IPと聖グロリアーナ女学院チームの車輌を連続して製作し、さらに初のガレージキット車輌製作に挑戦すべくモーリスLRCを作り始めた頃、サークルの先輩アンドー氏がリモート会話にて次の車輌候補を提案してきました。「ガレキにも手を付けたんなら、ハードルをさらに上げないとアカンな・・・」と例の上から目線の口調で、理不尽かつ不吉な囁きをモニターから送ってくるのでした。

 聞けば、これも「イヨマンテのお告げ」なのだそうでした。この人のこういう悪癖は何とかならないものか、となるべくモニターを見ないようにしていましたが、「おいコラコラ、謹んで拝聴したまえ、イヨマンテのお告げによって星野の次のガルパン車輌の候補が示された」とスピーカーから容赦なく声が響いてくるのでした。

 対巨人ジャイアンツ戦、スコアは0-0、9回裏ノーアウト満塁、打席に岡本和真を迎えてピンチに陥った阪神タイガースの心境に陥りつつも、仕方なく「何ですか・・・」と問い返すと、先方は得意そうに「いとしのハリーや」と言い放ってきました。
「いとしのハリー?高見まこの漫画の事?それ、いとしのエリー、ですよ」
「何を言っとるんやお前は、「いとしのハリー」つうたら聖グロのダー様の名セリフやろうが」
「そんなセリフは聞いた事ありませんが・・・」
「それはお前が記憶力減退になっとるからやろうが。確かに存在する名セリフというか格言である!」
「どこが格言なんですか・・・、そのセリフの示すところをもうちょっと具体的に言って下さいよ・・・」
「しょうがねえ奴やな・・、軽戦車マークⅧ、ハリー・ホプキンスや」
「ああ・・・」

 やっと思い当りました。ダージリンのセリフは正しくは「私のハリー君」でした。「リボンの武者」第6巻75ページ1コマ目にて、ダージリンがローズヒップに「私のハリー君のほうはどうかしら?」と聞いています。このセリフによってダージリンがタンカスロンイベント「大鍋」に参戦する意志があること、およびその搭乗車輌が初めて明らかになったのでした。
 アンドー氏はその後もずっと「いとしのハリー」で通していましたが、訂正を再度要請するのも面倒なので放っておいて、とりあえずはハリー・ホプキンスという車輌について調べ、聖グロリアーナ女学院チーム車輌の連続制作の五番目にあて得るかどうかを模索してみました。

 

 ハリー・ホプキンス軽戦車は、「リボンの武者」にてダージリンおよびアッサムらが「大鍋」の試合に参加するべくチーム「ガイ・フォークス」として乗り込む車輌です。アニメ本編には登場せず、上図のように「リボンの武者」のみに出ます。その作中ではダージリンの本来の搭乗車であるチャーチルが描かれませんので、彼女の搭乗車といえばハリー・ホプキンスのみとなります。これに乗って「大鍋」の三つ巴どころか四、五つ巴の激しい乱戦の渦中にて行動するわけです。

 このハリー・ホプキンスについて、ローズヒップが「マニアックですねー あんな子」と表現していますが、模型的にも「マニアック」過ぎました。1/35スケールの適応キットはおろか、ガレージキットすらも存在していません。「あんな子」どうやって作るんだ、と困惑せずにはいられませんでした。

 

 ですが、正直なところ、コレもなんだか面白そうだな、と感じました。「適応キットもガレージキットも無い対象車輌を作ってみる」というのは、既にACV-IPの製作にて意外にも面白味に満ちたテーマとして実践し経験したばかりでした。過去には新潟ビゲン高校のStrv m40Lの製作も行なっていますので、適応キットもガレージキットも無いから作れないという発想には、私の場合はあまり向かわないのでした。

 考えてみると、ガルパン車輌のプラモデルを楽しむ上では、このような適応キットもガレージキットも無い対象車輌というのも幾つかあります。これらを完全に避けてゆくというのは、選択肢としては有りますが、私個人の中では「避けるよりも、自身なりに取り組んでみて可能性を探りたい」気持ちのほうが強いです。と言うか、それもガルパン車輌プラモデル制作の醍醐味の一つだろう、と思うのです。

 そして、このハリー・ホプキンスの場合、上掲の「リボンの武者」作中の車輌の元ネタが大体分かる、というのも大きなポイントでした。

 

 作中車とほぼ同じ外観を示す実車の画像です。左右のトランクボックスが外されていますが、あとは作中車と同じに見えます。

 

 ハリー・ホプキンスは、諸事情により戦線に投入されることはなかったそうですが、1942年から1945年にかけて約100輌が生産され、大まかに3種類のバージョンが存在したとされています。現存車輌もイギリス他の博物館などに数輌があり、別にレストアで甦った車輌も存在しているとのことです。

 

 調べてみると、設計当時および戦時中の画像も豊富にあって、模型製作に必要な基本的情報はほぼおさえられることが分かりました。御覧のように複雑な形状を呈する車体ですが、ほぼ全部にわたって曲面が無く、全て平面で囲まれていますので、プラ板の組み合わせをうまく再現出来れば、製作は可能だろう、という感触がありました。

 

 御覧のように、丸い部分つまり曲面が存在するところが車輪と砲盾と排気管の3ヶ所だけで、あとは平面で囲まれるという外観です。これらの平面を的確にプラ板にトレースして切り貼りすれば、車体の殆どは再現出来るわけです。

 

 加えて決め手になったのが、足回りがテトラークと共通する点でした。上図の上がテトラーク、下がハリー・ホプキンスですが、足回りだけでなく車体や砲塔の基本的な輪郭も似ています。

 それもそのはず、ハリー・ホプキンスは、テトラークの代替としてビッカーズ・アームストロング社がテトラークの設計を流用して開発した車輌です。車体の再設計と装甲強化に重点が置かれ、足回りにおいては操行システムのみを強化したのみで外観はほぼ同じままです。
 なので、テトラークの足回りを使用して車体および砲塔をプラ板で組み上げるという形での再現製作が可能となります。足回りを他キットから流用して残りをプラ材で作るという、以前にACV-IPの製作で採った手法がそのまま援用出来ることが分かりました。

 

 したがって、上図のテトラークのキットがあれば、再現出来ることになります。そのことをリモート会話でアンドー氏に報告したところ、なんと二日後にそのキットを宅配便で送ってきたのでした。聞けば、京都ヨドバシで買ってきたとの事でした。
 こういうことは何故か無駄に迅速な氏です。添付のメモには「いとしのハリーを宜しく」とだけ書かれてありましたが、訂正する気すら無く、深い落胆に包まれて何もしたくない気分に襲われました。

 なにしろ、このテトラークは、私の長いガルパン車輌プラモデルの製作において唯一の「絶対に2度と作りたくないキット」だったからです。昨年9月から10月にかけて製作しましたが、独特の複雑なトラス状の足回りの組み立てに予想外のカロリーと時間を費やし、足回りを片方やっただけで集中力が枯渇して布団に潜り込むという状態だったのでした。

 あれをまた作るのか、と思うだけで、何か全てがどうでもよくなってきて、有馬温泉か城崎温泉に一週間ほど隠れて湯治で籠りたい気分になってくるのでした。  (続く)

 


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