玄語

玄音の弟玄です。日々感じている事、考えている事を語っていきます。そんな弟玄が語る”玄語”です。よろしく。

南相馬でのコンサート

2017-03-19 10:49:52 | コンサート
 
 
孫引きになってしまうけど、3月10日の毎日新聞の「余禄」に紹介されていた脳神経学者の伊藤浩志さんの著書『復興ストレス』の中での福島原発事故の被災者の言葉がとても心に残りました。
 
 
「私たち自身が何を思っているのかを言えなくなること。それが本当の風化です」。
 
 
今年の3月11日前後からテレビなどで東日本大震災の特集がなされていました。ほとんどの番組が同じようなストーリーがあり、どれもが恣意的でとても見ていられるものではなく、当日の政府主催の追悼記念式典以外は全く見ませんでした。何か被災者はこうでなくてはいけないといったようなストーリーがにじみ出ていて、実態とかけ離れているのではないかと感じています。日本人の習性なのでしょうか、ある見方や在り方、こうでなくてはいけないという流れが出てくると、それ以外は語れなくなり、現せなくなっていく。だからどんどん自分を押し込めて、ましてよそから来た者に真実など語るわけなく、どうせ言ったところでとなるのは当然の成り行きかもしれません。
 
しかし、本当は語りたいはずです。ちゃんと聞ける人がいれば語る。このちゃんと聞ける人がいれば。
 
押し込めた感情、言葉は表現できないと本当に苦しい。その苦しみはそのまま全てを受容されて初めて、少しずつとかれていく。まずは受け容れられる経験がはじまりです。そして表現にふれることで、今まで表現できなかったことへの気づきがおこり、または新たな表現に気づくこともおこり、表現そのものは創造であり、創造は新しい状況をつくることを意味します。何よりも大事なことではないでしょうか。
 
福島のことは絶対に風化させてはいけない。
上記の被災者の言葉が胸を揺さぶります。
 
そんな中、来週3月26日に南相馬にて、いだきしんコンサートが開催されます。
30年以上にわたり、一貫して参加者の生命そのものを受容し、表現し続けてこられたコンサートです。ものごとには流れがあり、ようやく震災から6年を過ぎたこの時に、南相馬でのコンサートが開催される巡りになったようです。自分自身も待ちに待ったコンサートの開催です。現地の方々や被災された方々にはとにかくこのコンサートを経験して頂きたい。ピアノの音は時には軽やかに優しく、時には重低音響き渡り激しく、その音の変化に圧倒されてしまうかもしれません。しかしただその音に浸っているだけで、受容そして創造へと状態が変化していく経験がおきていくのです。今までのままでは今のまま。今までと違う経験が新たな状況への変化へのきっかけとなる。
 
震災から6年経ち、人によっては今が一番厳しいと感じている方が実は多いのかもしれません。
東北でのコンサートは30日仙台。4月19日岩手県北上と続いていきますが、何よりも今は26日の南相馬をお勧めします。
 
 
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2017年3月26日(日)
 
福島県南相馬市原町区本町二丁目28-1
PM4:30開場 PM5:00開演
PM7:00終演予定
全席自由席3,000円
主催:NPO高麗
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