知っているというのと理解するというのは全く違う状態。
今、知っている事だけで簡単に動かされてしまう人が多くて、仕掛ける方からすると本当に簡単、単純な世になったとほくそ笑んでいるように感じる。本当に理解するとかえって動けないこともある。それは動かないというより、時を待っている感覚に強い。反応しているだけの動きは結果もその反応のスピードに比例しているように感じる。だから結果になっていかない。本当に考え、時が来ての動きは重厚で、ぶれる事がない。知ることはネットですぐにできる。このネットでの知るは読んでいるのとは違い、見ている意識が強い。本は見ているのではなく読んでいる。見ると読むでは脳の反応が違う気がする。見るだけは反応するだけ。仕掛ける方はこういう方向に持っていきたい。読むものはすぐには反応しない。どちらが重要か。
こういった事から考えると、今自分の知っている情報はどういう質のものなのか、今一度見直しが必要と感じる。
やはり考えてしまうシリア問題について。
シリアの情報はたいていはニュースや報道で見知った情報に過ぎず、この情報にもし意図があった時、よほど読む習慣のある人でない、何の疑いも無く、その情報を信じてしまう。シリア問題が起き始めたとき、誰も疑いもなくアサド大統領=悪者という図式が当たり前に刷り込まれた。報道も反体制側からの情報を真として、シリア政府からの情報を偽としていた。つい最近のシリア問題を特集する番組でも伝えるキャスターは何の疑いも無くアサド大統領=悪を前提として、問題の解説をしていた。それを聞いていた素人的発想を持つキャラとしてコメントするタレントさん達が、アサド大統領って何が悪いんですか?、何かそれほど悪い事したのですか?という問いに、目が泳ぎ、質問している意味が全くわからないという顔で、その問いには答えられず、話題を変えていた。ちょっと恐ろしいものを見た気がした。
シリア問題が起きた時、最初から何か変だと感じてきました。一番納得したのが元駐日シリア大使だった外交官の方が、この問題が起きた時に、シリアという国の成り立ちや文化的背景に言及し、宗教的派閥の問題はずっとあり、またどの国にも現政権に対して反発する勢力は存在すること、その中で国としてどう発展させていくかにおいては、選択と集中が必要なこと、そういったことから考えてもアサド大統領に問題はなく、また人間的に、個人的に彼と会って、彼を好きにならない人はいないと書かれていたのが印象的でした。また欧米メディアからの情報と対極的にあるロシアやイランからのニュースサイトなどを見ていると、普通に日本で目にする情報と真逆の事が伝えられていることが多い事に気付きました。
今、報道が少し変わってきていることに気付いているだろうか。シリア問題においては反体制派こそ次の正統なる政権のように扱い、あくまでもアサド政権を倒すことを良しとする前提での報道から、テロリストの活動そのものが問題であるということが強調されてきており、それまでの前提が変わってきているのである。このことはシリア政府はもちろんのこと、ロシアやイラン側からの報道でもずっと伝えていたことである。
何が本当なのでしょう。
一番大事な事はまずは正統なルートでの情報に耳を傾ける事。シリアに関しては日本と国交を結んでいる正統な政府が存在し、大使館もあるのです。国際社会に向けて正式に発表されることの意義を過小評価していはいけないと考えます。特にシリア問題に関しては、である。
そしてやはり行きつくのはシリア問題に対して、日本人に何ができるのだろうということです。その問いかけに対して駐日シリア大使から、シリアの文化や精神を理解していただく事が何よりの助けになると伝えられた事を前回も紹介しましたが、また改めてコンサートを主催しているNPO高麗から伝え聞きました。シリア大使より、シリアの精神や文化を在りのままに表現されていると言われ、レコメンドされているのが「精神の源を辿る旅(中東編)」コンサートです。今は破壊されてしまったと言われるシリアの遺跡が多く映像化されており、また即興演奏されるいだきしん氏の表現の本質力、癒す力が、問題の中で苦しみ何とか解決の糸口を見出そうとされているシリア大使からのレコメンドとなっているのでしょう。コンサートは要チェックです。
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2015年10月3日(土)
ラフォ-レミュージアム六本木
港区六本木1-9-9 六本木ファーストビルB1F
PM7:15開場 PM7:30開演
PM9:00終演予定
全席自由席6,000円
主催:特定非営利活動法人高麗
シリア大使のメッセージが紹介されています。