玄語

玄音の弟玄です。日々感じている事、考えている事を語っていきます。そんな弟玄が語る”玄語”です。よろしく。

春の日

2014-03-30 13:44:26 | Weblog



妙な空気感というのがある。
昨日のように暖かく春の陽射しが眩しい日であっても、何かいつもと違う空気を感じる日がある。
昨日は正にそんな日でした。

自分の住まいのマンションに最初から入居され(44年)、今マンションの理事会の理事長として頑張っておられた方が突然亡くなられた。82歳だったかな。今、自分はその理事会に監事として参加しているのだが、輪番制での理事会参加をなんやかんやと理由をつけて逃げていた俺に、今回はとにかく若い人に参加してもらいたいし、全面的にサポートするからとあたたかい言葉をかけてくれた理事長さん。誰もが嫌がる理事長を高齢を押してでも引き受けられ(二期連続)、今年の大雪の際にも雪かきをしようと外に出てこられたのを、それは若い俺らがやるからと、何とか帰ってもらった程の責任感をお持ちの方でした。融通の利かない頑固さもちょっとあって、俺が大学生の時に融通がきかないある事で言い合いの喧嘩をしたこともあったなと、ちょっと思い出す。最近では早く嫁をもらえ!と会う度に諭され続けてました。。正に昭和の頑固親父な人で、この様な方、今ではあまり見かけなくなり、ちょっと寂しい気がします。

人の死はどんな方であっても何とも寂しいです。人が一人亡くなる。それは全てのバランスが変わる事を意味する。そしてその変化したバランスが落ち着くには3年くらいの時を必要とする。それは自分の母を亡くした時の強い実感です。昨日はその母が亡くなった時と同じ様な、陽射しが強いのだが、何かが動いてない、停滞というより動いていない、それでいてさらりとした空間というか、何とも表現しがたい動かなさと対照的な光の強さ、、こういう時は何かあるというのを一日感じていたのです。

昼過ぎ、ふっと窓から外を見たら救急車が到着し、だれかが運ばれていくのをたまたま見かけた時、もしや…という予感がよぎる。その予感は夜の副理事長さんからの電話で確実となる。でも同時に想いました。理事長さんはご自宅で亡くなられた。ほとんどの人が病院で亡くなる時代にご自宅で奥様も息子さんもいる中で亡くなる、しかも数日前まで普通に生活されていたのである。天晴れです。真に天晴れです。御年80を越えて、理事会の今年一番の仕事も既に手配済みで後は施行されるだけなのです。本当に天晴れな引き際です。

その理事長さんに最期に会ったのは先月。まさかもう二度とお話しすることもできない日が突然来ようとは、全く想像もしていませんでした。いや~俺自分の墓を去年建てたんだよ、いつお陀仏になるかわからないからなあ、いやいや長生きして理事長続けてくださいよ~とお互い笑ってお話しされていた事を昨日の様に思い出します。

人はいつ亡くなるかわからないし、かといって人は必ず死ぬのです。少し昔の時代、古典や文学が文学たりえている普遍性は、常に死と隣り合わせだった、死が常に身近にあるその儚さ故なのかなと感じます。今一緒にいても、次いつ会えるのかわからない。もしかしたら二度と会えないのかもしれない。じゃあまたね、の次はないのかもしれない。今共にいるという事の大事さを人はいつしか忘れているのかもしれない。文学が文学たりえているその本質がこういった儚さへの気づきにあるのかなとも想います。

桜咲く春のはじまりにひとつの時の区切りが訪れる
桜咲く、また今年も桜咲く
その当たり前が何とも嬉しい
春のはじまりはいつだって新しいはじまり
今年もまた春がやってきたようです
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界平和への糸口

2014-03-27 13:26:54 | Weblog
TYRE遺跡

フェニキア人。
知れば知る程、謎は深まり、その存在は神秘的でもある。
その理由は彼ら自体が自分達の事を現した文献などを記していないのが一番大きいという。
聖書やエジプトの文字から彼らの事を知る以外、あとは考古学的な発見や伝承より知る術がないようです。

今中東で問題視される地域はシリア、パレスチナ、イスラエルである。その間に位置するレバノンはその要衝であり、実はこれらの地域はフェニキア人との関わりで歴史的にしられた場所でもある。世界中の問題の中でも特に解決が困難といわれるこの地域。その問題を混乱させている本当の理由は真実を隠し続けなければいけない何かがあるからなのか。それは現代社会、現代国家成立に関わる何かなのか。この複雑極まる中東の問題を平和裡に解決することは本当にできないのだろうか。

フェニキア人は今のレバノン辺りで様々な人種が混血し、ある時にフェニキア人となったと見られている。アルファベットを創ったことをはじめ、航海術やガラス製造、そしてロイヤルパープルとして有名な紫色の染物技術など、その当時の最高の技術者集団でもあったといわれてます。そのフェニキア人、実は旧約聖書に出てくるアブラハム、モーゼも彼らの先祖に連なるといわれ、古代イスラエルの神殿を創ったのもフェニキア人と言われます。これらの事から考えると、現代の中東の問題はフェニキア人に関わる何かが動く事で一挙に解決する可能性があるのではないか。古代においては共通した文化を共有していた古代の記憶、つまりは魂の復活が起きれば、一挙に何かが動くのかもしれない。というのも、現代の対立は同じ次元での駆け引きが続いており、必要なのは全く違う視点、第三の視点が必要とされているからである。それが古代の記憶の復活、魂の復活により成せるのではないだろうか。

この古代の記憶の復活、魂の復活は東アジアの問題、つまりは日本、中国、韓国、北朝鮮の問題解決にも関わることである。この東アジアにまたがる古代の記憶とは自分が知る限り高句麗以外にない。また面白い事にこの高句麗のさらなるルーツはフェニキア人にあるという説があります。

いつの時代も一人の活躍、表現により世界は変わってきた。動きが魂を導き、復活させるのである。
このフェニキア、そして高句麗といった古代の魂の復活が真に世界平和へと導く糸口となる…海が開かれ、様々な事を新たに学び直す上でその自覚がさらに進んできている今の時である。


うちにいるフェニキア人w
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エレガンスの極致

2014-03-21 10:49:55 | コンサート
(FAZIOLI HPより)
 
昨夜、仙川アベニューホールにて開催されたIDAKI SHINコンサートに参加してきました。
名だたる名器揃いのピアノの中でもその独特のエレガンスな存在で輝くイタリアのピアノFAZIOLI。
その音のクリアさはまるで刀の様な切れ味。その倍音は一音一音の輪郭がハッキリしているのに倍音として混ざり合い、音が広がるというよりも伸びていくという初めての体験。倍音が伸びていくのです。天にまで達するのではないかと言いたくなる程、空間に広がっているのに伸びていってる音なのです。倍音の魔術師と言ってもいいIDAKI SHIN氏の真骨頂の表現がFAZIOLIにありました。エレガンスの極致といいますか、最高のさらに先があるということを、透明よりもさらに透明な世界があることを新たに知る経験となりました。とにかく凄いの一言です。ピアノという楽器は天からの贈り物ではないのかと感じる、広大かつ深淵な音の世界がそこにはありました。このIDAKI SHIN氏専用のFAZIOLIピアノがあったらどの様な音が奏でられるのか、、想像しただけでも凄いものがあります。昨夜の経験は最高の演奏者にさらに最高の楽器が出会うと最高を越えた表現が生まれる事を知りました。最高の道具で人は変わり、最高のパフォーマンスで道具はさらに進化し磨かれていく。職人の国ならではの世界がそこにはありました。エレガンスの極致です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うみ

2014-03-19 10:10:58 | Weblog


海の事がどんどん整理されていく場に身を寄せて。
ふと気付いた海のこと。海はこの生命を育み生み出した根源的な場であるという事。
今、海に対しては恐れの感覚が染み付いてしまっているが、本来の海とは新たな生命を生み出す場なのである。
育み、生まれるのである。
海の暗さは今の時になり、どんどん開放されていっている。
今、地球そのものが活発化している。大地は動き、火山は火を噴き、海は荒れ狂う。
自然に太刀打ちできない人間は畏れおののくのみ。しかし人間には知恵が生まれ、俊敏な動きにより苦難を乗り越えていく。
海は新たな生命を生み出そうと、大きな動きをはじめているのかもしれない。
海は生み、生むのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェニキア人

2014-03-18 14:24:50 | Weblog
TYREの海

旧約聖書に記載される海の魔物について調べていたら、その魔物はレヴィアタンと言われ、読みによってリヴァイアサンとも呼ばれたようである。リヴァイアサンといえば「万人の万人に対する闘争」で知られるホッブス著の「リヴァイアサン』が有名。その『リヴァイアサン」の解説章に気になる記述があり、曰く

文字をはじめてギリシアにもたらしたのは、人々のいうところによれば、フェニキア王アゲノルの息子カドモスであった。※アゲノルはギリシア神話に登場するフェニキアのテュロス(ティール)王、英雄伝説中の多くの王家の始祖となる、カドモスはその子で、アルファベットをギリシアにもたらしたと伝えられる

アルファベットを創ったのは古代海洋民族として知られるフェニキア人であることは歴史的に有名。そのフェニキア人が哲学発祥の地といわれるギリシアに文字を伝えたという伝承がある事をはじめて知りました。ギリシア人に伝えたのは文字だけだったのだろうか。その文字を創造する能力まで持つフェニキア人である。もしかしたら哲学的な事も伝えていたのではないか。しかし歴史的にはフェニキア人とギリシア人は戦を繰り返しており、その後の歴史を考えると、フェニキア人の大事な文化は表向きには失われていったのかもしれない。しかし海洋民族であり、世界中にその文化は知れわたっているフェニキア人である。とうぜん子孫や文化も連綿とどこかで続いていたはずである。もしかしたら今でもどこかにその文化が伝わり残っているかもしれない。今の文明観とは違う、それでいて人間の本質を知る文化が。謎の海洋民族と言われるフェニキア人。興味は尽きない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする