玄語

玄音の弟玄です。日々感じている事、考えている事を語っていきます。そんな弟玄が語る”玄語”です。よろしく。

明治神宮

2015-07-21 20:40:30 | Weblog


明治神宮に行ってきました。
久しぶりです。
酷暑というべく本当に暑い日でしたが、風が清々しく、空は抜ける様な青さで、天が近いような感覚です。



神宮の森は都会にいる事を忘れてしまうほど、本当の森にしか思えません。
明治の先達の素晴らしい功績です。神宮建設にあたって、神宮の森は100年200年先を見据えて、東京の自然になっていくように、実に考えられて木が植えられたそうです。今では近代化する前に東京で生息していた植物や菌類が神宮の森に現れているそうです。


最近、大日本帝国憲法憲法がどのように成立していかたを調べていますが、知れば知る程、その思想的背景の深さに驚いています。近代日本を造るにあたって、どれほど世界の最先端の知識にあたったか。憲法をつくるにあたって、アメリカ、ドイツ、イギリスにその当時の最高の権威に直接学びにいっている明治の知識人の学力の高さ。鎖国していたと言われる江戸時代から、そんなにたっていない明治の数年でこんなに世界に行けるでしょうか。鎖国という通説も少しあやしくなってきました。



明治の風に吹かれたい。
そう感じて訪れた明治神宮です。
ずっと鳥は鳴き続け、森独特の音や香りがします。
こんなに近くにこれほどの森があったことを今一度見直せたこと。今日は行って良かった。

この地が特別であることは訪れる外国人の姿や態度からよくわかる。
銀座や繁華街であれほど騒いでいるアジア系の人達も、とても厳かで静かです。
欧米の方は教会や聖地の感覚があるから、よりその意識が高いと感じる。
みんな何かを求めてあの地を訪れる。
それぞれの姿から感じるのは日本への敬愛でしょうか。
ふと感じたのは、こういった日本を敬愛する外国人と共に、この日本をもっとより良くできるのではないかということ。
日本をもっと知りたい、知れば知る程さらに知りたくなり、触れれば触れる程に敬愛していく。世界にはそういう人がたくさんいると感じます。

明治神宮。
自然の森に近づいた、いや人工だからこその特殊な自然空間に昇華しているように感じました。明治人の智恵や願い、その精神が森として表現されている。そう考えると明治神宮の素晴らしさがまた違ってみえてきます。

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タルコフスキー

2015-07-19 14:46:36 | Weblog
映像の詩人と言われるタルコフスキーの作品をいくつか観ました。
 
『僕の村は戦場だった』
 
『アンドレイ・ルブリョフ』
 
『ストーカー』
 
『サクリファイス』
 
感想。
とにかく長い。
中世のイコン画家を描いた『アンドレイ・ルブリョフ』に至っては182分!
他の作品も150分、160分。
この時間感覚。まさに大陸ロシア人の時間感覚でしょう。
そして映像の詩人と言われるだけあって、ひとつひとつの場面が抽象的で象徴的です。
現代の映画とは対象的で、映像そのものに余計なセリフはいれず、映像そのもので語らせています。
どことなく音楽的ともいえる作品達。
 
またカメラ回っし放しで展開する空間性。
これも時間だけでなく、ロシアの広大な大陸的な空間を大いに感じました。
直接的、短絡的な現代日本人にとってはこの長い時間、ゆったりとした展開に絶えられない人が多いのかもしれない。
しかし、この雄大な時間・空間感覚こそ、日本人が忘れてしまっている本質的な感覚ではないかとも感じました。
 
『僕の村は戦場だった』はモノクロ。水や白樺の映像がとにかく美しい。がそれとは対照的な戦争の現実。後半の水辺で分かれた後の少年のその後の展開の描き方が胸にきます。
 
『アンドレイ・ルブリョフ』。中世ロシアの伝説的なイコン画家ルブリョフの人生を描いた作品。彼の人生から当時の社会や人々を描き出す。モノクロで時間感覚も知らず知らずに現代を超えていく。
 
『ストーカー』は現代的な意味のストーカーではなくて、ゾーンという不思議地帯に人を案内する案内人のこと。ここで語られているテーマは聖地であり、信仰であり、人の意識や欲、そして文明批判でした。
 
『サクリファイス』は文字通り犠牲について。この作品は聖書の理解と特に旧約聖書のヨブ記を知らないと理解がしにくいかもしれません。ニーチェが狂人になったことや永劫回帰のことも作品に関わります。カラマーゾフの兄弟も何か関係するのか。不思議なのはこの作品には日本が出てくるということ。尺八の音がある場面で出てきます。話が核戦争が起き、自分が犠牲になるから全てをもとに戻してほしいという願いが主に聞き入れられ、という展開があり、この核の犠牲という意味で日本が出てくるのか。世界は日本の犠牲の上で成り立っているということか。ちなみにこの作品が上映された年にチェルノブイリ原発事故が起きています。
 
まだ全部の作品を観たわけではないけど、各作品で重要なのが水。そして大地。
決してキレイではない水だったり、湿地だったり、とにかく土まみれになります。これこそ現代文明批判の最たるものでしょうか。
水と大地、そして信仰や死についても考えさせるタルコフスキーの作品。
こういった抽象的で哲学的な作品に久しぶりに頭の中で汗をかきました。でも素直に映像は美しいです。この監督の映像の一コマも無駄はなく、必ず意味があると評している人もいることから、確かにこのシーン、ここで出てくるこれにはどういう意味があるのだろうかと、常に頭がフル回転。慣れるまで少し時間がいりました。
 
こういう文学的な、黙示的な映画が好きです。
こちら側の理解を試されているようで、そういった意味では既に古典文学的です。
さて、他の作品にもあたってみるとしよう。
 
タルコフスキー
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雑感。

2015-07-17 10:42:26 | Weblog
出来レース。
全ては仕組まれている。
メンタリズムなんてのが流行っていたけど、人の感情に訴え、扇動し、ある意識の枠にはめ込み、本質をわからなくするための、いわゆるメンタリズムの応用は当たり前になされている。
完全に嵌まっている。良い事やってるような気にさせるのが、嵌める側の策略。
数字上の事など、大したことではない。
何かあると一人のベテラン記者が言っていた事が正しいようです。
アメとムチ戦略。
それでも事は単純ではない。
立体的にみていかないと、事の本質をみあやまる。
複雑怪奇な現代社会。
救いは内面はまったく違う次元で在れること。
同じ土俵に立たないこと。
弁証法の本質が問われている。
疎外されてる現実への自覚。

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賢くなる

2015-07-09 14:32:42 | Weblog


大雑把にいって、社会科学の成果って、直接的に向き合っていない事象や知らない事象によっても、自分の意識や感情、行動が影響されていることがあるという事を実証したことにあると言っていいでしょう。

様々なことがあるけど、最も人に影響を与えているのが法律。
自分で特にその影響を強く感じたのが個人情報保護法です。病床にあった親の代わりにしなくてはいけない手続きがあっても、本人様でなければできません、または本人様以外にはお伝えできませんということで、何度面倒を被ったことでしょう。いらぬ感情がどれだけ湧いた事でしょうか。この法律を作ることで人が人を信用しなくなる、人の関係を分裂させると警鐘をならしていたのが
あの作家の城山三郎さんだったとか。納得です。

その法律の中でも国家の根幹とされるのが憲法。日本国憲法は日本の敗戦を受けて、GHQの指導により成立した背景がある。それ以前にあったのは大日本帝国憲法。日本国憲法が出来た事により、いつのまにか戦争を生み出した諸悪の根源的な扱いとなった大日本帝国憲法。はたしてそうなのか。
この大日本帝国憲法。敗戦に向かう昭和初期からの運用に関しては確かにまずい流れがあったとされる。しかし成立当初。時の文明国であったヨーロッパ諸国から大絶賛されていたといいます。時の明治政府が世界中の憲法を研究し、日本の国体、国風にあった憲法にしようとして成立したこの憲法。その後、確かに文明国と呼ばれる程の成長をし、強い国家になっていったことは歴史の証明するところです。

戦前戦後で日本人の気質は様変わりしたといいます。戦前戦後で一番劇的に変わったのはやはり憲法でしょう。
いわゆる戦中派と言われる世代は大日本帝国憲法と日本国憲法の両方を知る世代です。どちらの憲法の影響が強いかで、その人の考えや在り方はとても変わるのではないか。そう考えたくなる対照的な方がいます。それは若くして天才作家とされ、同時に政治的であった三島由紀夫氏と石原慎太郎氏です。自分の推察では三島由紀夫氏は大日本帝国憲法の、石原慎太郎氏は日本国憲法の影響を受けて、その文学や政治思想ができ、その後とても対照的な人生を歩まれていったと感じます。

今、憲法のことが特に取りざたされています。こういう時だからこそ大日本帝国憲法をも含めた、憲法の歴史、成立の背景、その国民に対する影響を考える事を前提としてこそ、冷静な議論ができるのではないかと考えます。

憲法を考える事は国を考えることと言います。国を考えることは憲法抜きにしては考えられないということです。考える国民が多い程、為政者は恐れるといいます。賢き国民あってこそ、政治は賢くなる。今、この国全体が本質的に問われている。大事な大事な今の時です。
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2015-07-07 22:42:59 | Weblog


美怒。 (美しい怒り)
怒美。 (怒りにより美しさをなす)
義怒。 (正しい怒り)
怒義。 (怒りにより正しくす)
亡国。 (国滅びる予感)
阻止。 (止めるべし)
国造。 (必要なのは新しい国造り)
決意。 (その意志、決する)
広目天故。(筆の力、すなわち言葉の力により)
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