玄語

玄音の弟玄です。日々感じている事、考えている事を語っていきます。そんな弟玄が語る”玄語”です。よろしく。

経済から学ぶ

2014-10-15 11:39:43 | Weblog



経済から現実を理解すること。
最近ある掲示板で話題になっているスレがあったそうで。
それは若い経済学者?が現状を分析していることがあまりに理に適っており、ネットのうるさ方達も納得したという程のもの。

それによると今はスタグフレーションという状態にあり、これはインフレになっているのに賃金は下がっている状態のことを指すそうです。要は物価が上がっているのに、買う金が少なくなっているというもの。さらにお金は高齢者層ばかりにストックされ、若い世代にお金が回らない構造的な状態も指摘されています。さらに輪をかけて消費税が上がり、可処分所得は下がる一方。それでもマスコミを中心とした報道ではアベノミクス効果の良い部分だけが強調されており、現状とこれからの予測の危うさについて分析している番組はほとんどないといいます。それでも上辺だけでも繕っていられるうちはまだ良いと言います。この人によると、マスコミがアベノミクス批判をし始めた時が本当に危ない時といいます。それも経済破綻が差し迫っている時といいます。

さて、こういった状態に対して日本経済はどうしたらいいのでしょうか。お金はあるのに使わないという状態。それで貧困が増えているという状態。なぜお金を使わないのかは未来への不安で貯蓄していることもあるでしょうが、買いたい程の価値あるものがないというのもあると言われています。実際、高級ブランドの一点ものみたいな最高級品は売れているというし、立地の良い高層マンションもすぐに売り切れたといいます。またお金が回らないのは根本的には価値観が大きく変わっていることの現れでもあり、本当に価値のあるものは何なのかわからなくなっているからともいえるでしょうか。

技術力もあがり、安くてもそれなりのモノが手に入ることも影響しているかもしれません。そう、この人は貧困が増えている理由として、技術革新があり、生産する機械が人々の雇用を奪ってしまっているといいます。付け加えるのなら、インターネットが普及して、パソコンの性能もソフトの質も上がり、それが安価で、場合によっては無料で利用ができる。誰でもが自分で出来る事が増え、しかも無料。これがインターネットが普及して20年経ち、起きていることです。今までの仕事がどんどんなくなってきているのです。こういう時代を生き残っていくためには価値創造、イノベーションが必要とはずっと言われ続けている事ですが、価値創造とはビジネスモデルの様なものでできることでしょうか。価値とは何なのか。価値の本質とは何なのか。時代が直面し、答えが求められいているのは実は根本的な事。ごまかせない状況にどんどん来ていると感じます。社会が大きく変わり始めている、時代が大きく変わり始めているというのは大げさなことではなく、経済的な視点からはリアルにその現状を伝えてくれている事を最近のネットの話題で新たにわかり始めました。

本当に大変な時代です。
本質的な事が問われる時代ともいえそうです。

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天才と学者

2014-10-09 14:24:42 | Weblog
 



天才は天才が好き。
youtubeなんかで最近は昔のテレビ番組が見れたりするので、大変ありがたい。

そんな中で面白かったのが落語家立川談志師匠と社会科学者の小室直樹氏の対談番組。
誰だったか、落語家の立川談志師匠を評して、天才が努力するんだから敵わないよ、と言っていたのが印象に残っていて、その天才落語家の談志師匠が勝手に惚れて、その著作を読みまくり、実際にお会いし、酒を呑む関係までいったのが、博覧強記で知られる社会科学者の小室直樹先生です。

数学から物理学、法学、経済学、社会学、心理学を当代一流の先生達から学ばれ、人が生きるこの社会には法則があると見極め、日本のマックスヴェーバーと言われてもおかしくない程、日本において社会科学を創始したと言っても過言ではない先生。分科・専門科した学問のひとつひとつを極め、総合化することで見えてくる光景がある。学問的な分析により、ソビエト崩壊を予言のように言い当て、その後の世界の状況や国家の混乱に関して分析されたことが悉く当たっていて、学問とは何なのか、その威力を体現されている先生です。

その先生が晩年、とにかく学びなさいと言っておられたのが”宗教”と”憲法”。
宗教は信仰するというのではなく、世界の政治経済の動きの元は宗教にあることを理解する事が世界の情勢の理解において基本となる事。
また憲法については、憲法は国家に対しての命令、メッセージであり、暴走しがちな国家の行動を抑制させるためにあることを理解することで、国民主権とは何なのか、基本的人権の尊重とは何なのかの本質がわかっていくという事。その理解は国民が国民である大前提であるという事。

その小室直樹先生は田中角栄裁判で判決が確定する寸前に、角栄がこんな目に遭うのは検察が悪いからであり、検察官を電信柱に逆さ吊りにしてしまえ!とテレビで叫んで、その直後に画面から消えたことで一躍有名になったようです。もちろん、とんでも学者、キチガイ学者と評されたことは想像に難くない。しかしその主張の本質は行政官僚の決められた方向を阻止する最後の砦が裁判所であり、その裁判が偏った証言や証拠で恣意的に決められており、裁判が裁判になっていないこと。この事の重大さに気付き、唯一声を上げておられたのです。三権分立の原理原則を覆すことが平然となされることは、この国は行政の方向だけで動いていくことを意味し、見方を変えれば、日本は社会主義の国であるといっているのに等しいということ。だから行政官だけでなく、政治家が公約を守らなくなったら、立法府としての原則を覆すことになり、その政治家は辞めなくてはいけないとも言われているのです。

日本は国家の体を成していない!と叫ぶように訴えておられたのは、原理原則を平気で覆す事が平然と為されているからであり、その主張の根底にあるのは誠にこの国を愛する愛国者であり、国民ひとりひとりが幸せに生きるにはと考え続けておられた故だといいます。今、この国がどういう状況にあるのか。必要な事、前提になる事の理解不足から議論すらできない状況が生まれているのは明らかであり、逆を言うと、ある方向に持っていきたい勢力からすると、何とも動かしやすい状況がどんどん作られているといってもいいかもしれません。

天才が誰よりもいち早く気付き、警鐘をならし続けてくれたこと。
しかもその内容はこの社会で生きる上で最も基本的な事であり、原理原則であること。
原理原則を忘れた所から、また原理原則を守らない事から、いらぬ混沌が起こり、荒廃はうまれていく。
その混乱状態、社会学で言う”アノミー”を最も危惧されていた先生です。

最近、その著書もどんどん復刊もされており、その学績、業績を見直そうという動きが小さいですが、続いております。
その業績はノーベル賞をとってもいい程であり、真に日本の誇りであると、お弟子さんであり著名な社会学者である橋爪大三郎さんの言葉です。

ノーベル賞の季節がやってきて、
真の学者とは、真の業績とは、、
物想う秋の今の時です。



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